愛知県 名古屋市

民間既存建築物吹付けアスベスト対策補助事業

佐藤
うちのマンションの駐車場、天井や梁に灰色のボコボコした吹き付け材が使われているんですが、これって昭和の終わり頃に建った建物だと石綿(アスベスト)の可能性がありますよね。調べる費用や取り除く費用を補助してくれる制度ってありますか?
田中
あります。名古屋市の「民間既存建築物吹付けアスベスト対策補助事業」です。名古屋市内にある民間所有の建築物のうち、これからも使い続ける建物を対象に、吹付けアスベストの分析調査費と、除去・封じ込め・囲い込みといった工事費の一部を補助する制度です。特に昭和30年頃から平成元年頃までに建てられた建物の駐車場の梁や機械室(電気室)の天井・壁などに使われている吹付け材が想定されています。
契約前に申請が必要です

分析機関や工事施工者と契約を結ぶ前に、補助金の交付申請を行う必要があります。見積もりを取ったあと、先に契約してしまうと補助の対象外になるため、契約前に申請の準備を進めてください。

名古屋市民間既存建築物吹付けアスベスト対策補助事業の手続きの流れ
建物確認、調査者への相談、交付申請、調査・工事の実施、完了報告から補助金受け取りまでの流れ

どんな制度か

佐藤
そもそも、なぜ吹付けアスベストが問題になるんでしょうか。
田中
アスベストは繊維状の鉱物で、耐火性や断熱性に優れているため、かつては建築材料として鉄骨造のビルや倉庫・工場、一般住宅などに広く使われていました。ただし吹付け材のように劣化して繊維が飛散しやすい状態になると、吸い込むことで健康リスクが生じるとされています。そのため名古屋市は、分析調査と除去等の工事費用を補助することで、民間建築物の対策を後押ししています。
佐藤
名古屋市内ならどんな建物でも対象になるんですか?
田中
「名古屋市内にある民間の所有する建築物で、これからも継続して使用する建築物」が対象です。裏を返すと、解体予定の建築物は対象外になります。また、すでに分析機関や工事施工者と契約済みの建物、工事に着手済みまたは完了した建物も対象外です。用途(住宅・店舗・事務所など)による区分は公式ページに明記されていないため、個別の建物が対象になるかどうかは、まず市の窓口に相談するのが確実です。
制度の基本情報
項目内容
自治体愛知県 名古屋市
制度名民間既存建築物吹付けアスベスト対策補助事業
主な対象名古屋市内の民間所有で継続使用する建築物(解体予定は対象外)
分析調査費の補助費用の全額(上限15万円)
除去等工事費の補助費用の3分の2以内(上限120万円)
受付期間通年、予算に達するまでの受付(先着順)
問い合わせ名古屋市住宅都市局建築指導部建築安全推進課建築防災担当

対象者・対象住宅・対象工事

佐藤
対象になる工事の種類を教えてください。
田中
大きく分けて2つです。ひとつは吹付け材にアスベストが含まれているかどうかを調べる「分析調査」。もうひとつは、含有が確認された場合の「除去」「封じ込め」「囲い込み」といった改修工事です。市が例として挙げているのは、昭和30年頃から平成元年頃までに建てられた建物で、駐車場の梁や機械室(電気室)の天井、壁などに使われている吹付け材です。心当たりがある建物を所有している場合は、まず対象になりそうか確認してみてください。
佐藤
対象外になるケースも知っておきたいです。
田中
公式ページに明記されているものとして、解体予定の建築物、成形板等(飛散しにくい板状の建材)、違反建築物、固定資産税や都市計画税を滞納している建物が挙げられています。また、分析機関や工事施工者との契約をすでに結んでいる場合、工事に着手済みまたは完了している場合も対象外です。<span class="textMarker">契約や着工より先に補助金の交付申請を済ませておく</span>ことが、この制度を使ううえでの大前提になります。

補助額・補助率

佐藤
気になる金額ですが、分析調査と除去等でそれぞれいくら補助されますか?
田中
分析調査費は、費用の全額が補助されます。ただし上限は15万円です。市が示している調査費の目安は平均7万円程度とのことなので、多くのケースでは実費がそのまま補助されるイメージです。一方、除去等の工事費は、費用の3分の2以内が補助され、上限は120万円です。工事の規模によって実際の費用は変わるため、上限に達するかどうかは見積もりを取ってから確認することになります。
佐藤
予算の上限に達したらどうなるんですか?
田中
「予算に達するまでの受付」とされているので、年度内であっても予算の範囲を使い切った時点で受付が終了する可能性があります。具体的な受付開始日・締切日は公式ページに明記されておらず、先着順の通年受付という位置づけです。利用を考えている場合は、早めに市の窓口へ相談し、申請のタイミングを逃さないようにしてください。

申請前に必要な手続き

佐藤
申請から補助金を受け取るまで、どんな流れになりますか?
田中
まず建物の吹付け材がいつ頃の施工か、どの部位に使われているかを確認したうえで、建築物石綿含有建材調査者に相談し、調査や工事の計画を立てます。そのうえで、分析機関や工事施工者と契約を結ぶ<span class="textMarker">前に</span>、市へ補助金の交付申請を行います。市の審査を経て交付決定を受けたあとに、実際の分析調査や除去等の工事を契約・実施し、完了後に実績報告を行うと補助金が交付される流れです。
申請から補助金受け取りまでの流れ
  1. 建物の建築時期・使用部位を確認し、対象になりそうか調べる
  2. 建築物石綿含有建材調査者に相談し、調査・工事の計画を立てる
  3. 分析機関・工事施工者と契約する前に、市へ補助金交付申請を行う
  4. 交付決定後に契約し、分析調査または除去等の工事を実施する
  5. 完了後に実績報告を行い、補助金を受け取る
佐藤
申請の窓口はどこになりますか?
田中
名古屋市住宅都市局建築指導部建築安全推進課建築防災担当です。電話番号は052-972-2935です。制度の詳しい要件や最新の申請様式は、民間既存建築物吹付けアスベスト対策補助事業のページに交付要綱や申請の手続きフロー、必要書類の一覧が掲載されているので、申請前に必ず確認してください。

他制度との併用・使いどころ

佐藤
この制度とあわせて確認しておいたほうがいい情報はありますか?
田中
アスベストそのものについてもっと知りたい場合は、名古屋市のアスベストのページに、健康被害の相談窓口や、アスベストがどんな建材・部位に使われていたかの説明がまとまっています。この補助事業は建築物の対策工事に特化した制度なので、健康面の不安がある場合はあわせて相談窓口も確認しておくと安心です。
佐藤
他の名古屋市の住宅関連の補助制度も見てみたいです。
田中
名古屋市の住宅関連の補助・助成制度は、名古屋市の住まいの支援制度一覧でまとめて確認できます。マンションの管理組合として対策を検討している場合、区分所有者間の合意形成にも時間がかかるので、早めに調査者への相談と申請の準備を並行して進めるのがおすすめです。
民間既存建築物吹付けアスベスト対策補助事業 | 住まい制度データベース