北海道 札幌市

札幌市既存集合住宅外断熱改修事業補助金

佐藤
うちのマンションは築40年近い鉄筋コンクリート造の分譲マンションなんですが、管理組合の理事会で「外壁の断熱改修をすれば結露も減って光熱費も下がるらしい」という話が出ています。札幌市で集合住宅向けの断熱改修の補助金があると聞いたのですが、本当ですか?
田中
あります。「札幌市既存集合住宅外断熱改修事業補助金」という制度です。札幌市内にある集合住宅で、外断熱改修工事(建物の外側に断熱材を貼り、その外側に外装材を取り付ける工法)を行う人に対して、費用の一部を補助する事業です。実施主体は札幌市都市局市街地整備部住宅課で、令和8年度は令和8年8月24日から令和8年10月23日までが申請の受付期間になっています。ただし先着順で、予算の範囲を超えた場合は受付期間内であっても受付を終了するので、検討しているなら早めに動く必要があります。
先着順・予算到達で締切前でも終了。着手後の申請は交付決定されないリスクがあります

この補助金は先着順で受け付けられ、予算の範囲を超える申請があった場合は受付期間内でも受付が終了します。また、工事着手後の申請も制度上は可能ですが、公式パンフレットには「着手後の申請も可能ですが、審査の結果、交付決定とならない場合があります」と明記されています。工事前に交付申請書を提出し、交付決定通知を受けてから着工するのが安全です。

札幌市既存集合住宅外断熱改修事業補助金の申請フロー
対象建物確認から補助金交付までの流れ

どんな制度か

佐藤
具体的にどんな工事が対象になるんでしょうか。うちは外壁の塗り替えと、あわせて窓もいくつか交換したいと考えているのですが。
田中
対象となるのは、ZEH仕様基準(住宅部分の外壁・窓等を通しての熱の損失の防止に関する誘導基準)を満たす外断熱等改修工事で、大きく分けて2種類あります。1つは開口部の断熱化に係る改修工事で、内窓設置・外窓交換・ドア交換が該当します。もう1つは躯体等の断熱化に係る改修工事で、外壁・屋根や天井・床に断熱材を使用した改修工事が該当します。お尋ねの外壁の断熱改修と窓の交換は、どちらも対象工事に含まれます。ただし、単なる塗り替えのように断熱性能を高めない工事は対象外です。
制度の基本情報
項目内容
制度名札幌市既存集合住宅外断熱改修事業補助金
実施主体札幌市(都市局市街地整備部住宅課)
対象建物札幌市内の共同住宅・寮・寄宿舎で耐火/準耐火建築物、延べ面積1000平方メートル以上、地階を除く階数3階以上、新耐震基準相当、ZEHレベルでない省エネ性能のもの
対象者分譲は管理組合、賃貸は札幌市民または市内に本店・支店がある営利法人の所有者
補助額モデル工事費(施工箇所×数量)の合計額と補助対象事業費のいずれか低い額の8割。上限は住戸数×70万円
令和8年度の受付期間令和8年8月24日(月)から令和8年10月23日(金)まで(先着順、予算到達で終了)
申請方法交付申請書を窓口で直接提出(郵送不可)
問い合わせ都市局市街地整備部住宅課(電話011-211-2807、8時45分から17時15分まで、土日祝日を除く)

対象になる建物・対象者

佐藤
うちのマンションは昭和60年築なので新耐震基準の建物のはずですが、それより古い建物だと対象外になるんでしょうか。
田中
対象建物の要件は、まず札幌市内にある共同住宅・寮・寄宿舎で、耐火建築物または準耐火建築物であること、延べ面積が1000平方メートル以上であること、地階を除く階数が原則3階以上であることです。築年数については、昭和56年6月1日以降に新築の工事に着手したもの(新耐震基準)が基本ですが、それより前に着工した建物でも、耐震診断などにより地震による倒壊の危険性が低いと判断されたものであれば対象になります。ただし新築や建替は対象になりません。また、明らかにZEHレベルの省エネ性能がある住宅もすでに省エネ性能が高いため対象外です。国や地方公共団体、都市再生機構、地方住宅供給公社などの公的事業主体が所有・管理する建物も対象から除かれます。
佐藤
対象になる「人」の要件はどうなっていますか。分譲マンションなので管理組合が申請することになりそうですが。
田中
そのとおりです。分譲された集合住宅の場合は管理組合が申請者になります。賃貸の集合住宅の場合は所有者が申請者になりますが、所有者が個人なら札幌市民であること、法人なら本店または支店が札幌市内に登記されていることが条件です。また、暴力団や暴力団関係事業者に該当しないこと、法人・個人住民税や固定資産税・都市計画税を滞納していないことも要件です。分譲マンションの場合は、区分所有者ごとに税金の滞納がないかも確認され、滞納している区分所有者がいる住戸は補助対象から外れることがあります。

補助額・補助率

佐藤
補助額はどうやって決まるんですか。マンション全体だとかなり大きな工事になりそうです。
田中
補助金の額は、次の2つの額のうち低い方に10分の8を乗じた額です。1つ目は、市が定めるモデル工事費に施工箇所や施工数量を乗じて合計した額。2つ目は、実際にかかる補助対象事業費です。そして上限は、補助対象となる住戸数に70万円を乗じた額と定められています。たとえば補助対象の住戸が20戸あるマンションなら、上限は20戸×70万円で1400万円です。額の算定で1千円未満の端数が出た場合は切り捨てられます。
佐藤
モデル工事費というのは、具体的にどれくらいの金額なんでしょうか。
田中
開口部の工事は箇所単位で決まっています。内窓設置または外窓交換は、窓の面積が2.8平方メートル以上で27.2万円/箇所、1.6平方メートル以上2.8平方メートル未満で21.6万円/箇所、0.2平方メートル以上1.6平方メートル未満で17.6万円/箇所です。ドア交換は、開き戸1.8平方メートル以上・引き戸3.0平方メートル以上で39.2万円/箇所、開き戸1.0平方メートル以上1.8平方メートル未満・引き戸1.0平方メートル以上3.0平方メートル未満で34.4万円/箇所です。躯体等の断熱化は断熱材の熱伝導率の区分によって1立方メートルあたりの単価が変わり、たとえば外壁は熱伝導率0.052から0.035の区分で22.5万円、0.034以下の高性能区分で33.8万円という単価になっています。建材は国土交通省の「みらいエコ住宅2026事業」の型番リスト等で公開されている型番、またはカタログ等で仕様基準への適合が確認できるものが対象です。

申請前に注意すること

窓口への直接提出のみ、郵送不可

交付申請書は窓口にて直接提出する必要があり、郵送での申請は受け付けられません。受付は先着順で行われ、同時に予算の範囲を超える申請があった場合は、対象建物の規模、築年数、所在地(集合型居住誘導区域の内外)の順で優先度が考慮されます。

佐藤
他にも気をつけたほうがいいことはありますか。
田中
いくつかあります。まず、同一集合住宅かつ同一の所有者等については、年度ごとに1回限りの交付です。賃貸の集合住宅の所有者は、異なる所在地に存する集合住宅について同一年度に同時申請することはできません。また、国・北海道・札幌市の他の補助事業等によりすでに補助金等が交付される(予定を含む)場合、この補助金による補助対象とはなりません。ただし補助対象部分を明確に区分できる場合は例外です。工事完了後は、交付決定通知の日の属する年度の2月末日までに完了実績報告書を提出する必要があるので、工事のスケジュールは逆算して組んでおくことをおすすめします。

申請から補助金交付までの流れ

  1. 工事業者に見積もりを依頼し、工事図面や申請書類を準備する
  2. 交付申請書と必要書類(登記事項証明書、確認済証・検査済証の写し、見積書など)を窓口へ直接提出する(先着順)
  3. 審査を経て、交付決定通知書または不交付決定通知書を受け取る
  4. 交付決定後(または着手後は速やかに)着手届を提出し、工事を実施する
  5. 工事完了後、期限までに完了実績報告書を提出し、額の確定通知を受けて補助金の交付(口座振替)を受ける

他制度との併用・使いどころ

佐藤
耐震改修も同時に検討しているのですが、この補助金と一緒に使えますか。
田中
昭和56年5月31日以前に着工した建物の場合、耐震性があることを証明する書類(耐震診断の結果報告書など)、または本工事にあわせて耐震改修を行うことが確認できる書類の提出が必要とされています。つまり、耐震性が確認できない古い建物でも、耐震改修とあわせて外断熱改修を行うことを前提に申請する道が用意されています。ただし、国・北海道・札幌市が実施する他の補助事業とこの補助金を同じ工事箇所に重複して受け取ることはできません。耐震改修で別の補助金を使う場合は、外断熱改修の補助対象部分と明確に区分できるかどうかを、事前に住宅課へ相談しておくと安心です。
佐藤
賃貸マンションのオーナーとしても使える制度ということですね。
田中
そうです。分譲マンションの管理組合だけでなく、賃貸集合住宅の所有者(札幌市民、または市内に本店・支店がある営利法人)も対象になります。築年数がある程度経った賃貸マンションで、断熱性能を高めて資産価値を維持しつつ、入居者の光熱費負担や結露によるカビの発生を抑えたいオーナーにとって、検討する価値がある制度だと思います。まずは公式ページの要綱・パンフレットで最新の受付期間や必要書類を確認したうえで、工事業者に相談してみてください。

公式情報

お問い合わせ: 札幌市都市局市街地整備部住宅課(電話011-211-2807、ファクス011-218-5144)

所在地: 〒060-8611 札幌市中央区北1条西2丁目 札幌市役所本庁舎7階北側

開庁時間: 8時45分から17時15分まで(土曜・日曜・祝日を除く)

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