大阪府 堺市
堺市 広域・地域緊急交通路沿道建築物への補助内容(緊急交通路沿道区分の補助額詳細)
耐震・防災確認済み
佐藤
うちは緊急交通路に面した古い一戸建てなんですが、堺市の耐震改修補助を調べたら、住宅向けとは別に「広域・地域緊急交通路沿道建築物への補助内容」というページが出てきました。これは何が違うんですか。
田中
緊急交通路沿道の建物専用の区分です。堺市には「堺市住宅・建築物耐震改修等補助」という大きな制度があり、対象建築物が住宅、マンション、広域・地域緊急交通路沿道建築物などいくつかの区分に分かれています。このうち緊急交通路沿道の建物は、地震で倒壊すると道路をふさぎ、救助や避難の妨げになるおそれがあるため、住宅区分よりも高い補助率が設定されています。更新日は2025年4月1日です。
設計や工事の前に申請してください
公式ページでは、補助金の申請は設計や工事を実施する前に行うよう案内されています。実施後の申請では補助金は出ません。建物所有者が市税を滞納している場合も対象外です。この制度は、耐震診断で「撤去」判定を受けたブロック塀の撤去費用を補助する[緊急交通路沿道危険ブロック塀等の撤去工事等への補助](/program/67)とは対象が異なります。ブロック塀ではなく、建築物本体の補強工事・建替え工事・除却工事が対象です。

どんな制度か
佐藤
まず、対象になる建物の条件を教えてください。
田中
公式ページでは、広域・地域緊急交通路沿道に立地し、昭和56年5月以前に建てられた建築物で、建物の高さが道路の中心までの距離より高いものとされています。建物が道路の中心線までの距離より高いと、倒れたときに道路をふさぐ可能性があるため、この高さの条件が設けられています。逆に言うと、緊急交通路沿いでも、建物の高さがその距離以下であれば、この区分の対象にはなりません。
佐藤
「広域緊急交通路」「地域緊急交通路」とは、具体的にどの道路を指すんですか。
田中
制度全体の案内ページでは、耐震改修促進法第7条第2号または第3号に規定する道路のうち、広域緊急交通路または地域緊急交通路に指定されたものと説明されています。該当する路線はPDFの図面で示されており、住所だけで自己判断するのは難しいので、建築防災推進課に建物の所在地を伝えて確認するのが確実です。
佐藤
除外される建物もあるんですか。
田中
あります。耐震改修促進法附則第3条に該当する建築物(要緊急大規模建築物)は、この区分から除かれます。これらは別途「要緊急大規模建築物の耐震改修への補助内容」という制度で扱われるため、混同しないよう注意してください。
制度の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 自治体 | 堺市 |
| 制度名 | 広域・地域緊急交通路沿道建築物への補助内容(堺市住宅・建築物耐震改修等補助のうち緊急交通路沿道区分) |
| 対象建物 | 広域・地域緊急交通路沿道に立地し、昭和56年5月以前に建てられ、建物の高さが道路の中心までの距離より高いもの(耐震改修促進法附則第3条該当物を除く) |
| 主な支援 | 補強設計への補助、補強工事(建替え・除却工事含む)への補助 |
| 建物区分 | 住宅(マンションを除く)・マンション・上記以外の建築物、それぞれ木造・非木造 |
| 申込期限(令和8年度) | 2027年1月29日(金曜、予算執行状況により早期終了の場合あり) |
| 申請タイミング | 設計や工事の前 |
| 担当窓口 | 堺市 建築都市局開発調整部建築防災推進課(072-228-7482) |
補助率・限度額(住宅・マンションを除く一戸建てなど)
佐藤
具体的な補助率と限度額を教えてください。まず木造住宅の場合から。
田中
木造の場合、補強設計への補助は補助率6分の5で、延べ床面積に1平方メートルあたり3千450円を乗じた金額以内、補助限度額は32万5千円です。補強工事(安全な状態にする補強工事・建替え工事・除却工事)への補助は補助率15分の11で、延べ床面積に1平方メートルあたり3万9千900円を乗じた金額以内、補助限度額は286万円です。補強工事については、耐震改修促進法第17条の認定を受けて行うことが条件になります。
佐藤
単価が変わる場合があるとも聞きました。
田中
そのとおりです。耐震診断のIw値が0.7未満の場合は、延べ床面積に1平方メートルあたり5万1千200円を乗じた金額以内という、より高い単価が適用されます。診断結果によって計算の基準が変わる点は、住宅の一般的な耐震改修補助と同じ仕組みです。
佐藤
非木造の一戸建てなどの場合はどうですか。
田中
非木造の場合、補強設計への補助は補助率6分の5で、限度額は個別に積算する扱い(「別途積算の範囲」)になっています。補強工事への補助は補助率15分の11で、延べ床面積に1平方メートルあたり3万9千900円(Is値0.3未満の場合は5万1千200円)を乗じた金額以内です。ただし工事側の補助限度額は公式ページの表で空欄になっており、木造のような286万円という一律上限は定められていません。
補助率・限度額(マンション)
佐藤
マンションの場合の補助率はどう変わりますか。
田中
マンションの場合、補強設計への補助は補助率6分の5で、限度額は非木造の一戸建てと同じく個別積算です。補強工事への補助は補助率15分の11で、延べ床面積に1平方メートルあたり5万1千700円(Is値0.3未満の場合は5万6千900円)を乗じた金額以内です。この単価は、一戸建てなどの3万9千900円より高く設定されており、マンションの耐震改修補助内容([マンション区分の記事](/program/88))で紹介した通常のマンション向け単価(5万1千700円、補助率3分の1)と比べても、この緊急交通路沿道区分のほうが補助率が高くなっています。
佐藤
マンションも補強工事側の総額上限はないんですか。
田中
ありません。公式ページの表では、マンションの補強工事の補助限度額も空欄になっています。延べ床面積に単価を掛けた金額が、そのまま補助額の上限になる計算です。
補助率・限度額(上記以外の建築物)
佐藤
「上記以外の建築物」というのは、どんな建物を指すんですか。
田中
昭和56年5月以前に着手し、かつ耐震改修促進法附則第3条に該当しない建築物のうち、住宅・マンションのどちらの定義にも当てはまらない建物を指します。店舗や事務所を主とする建物などが想定されます。木造の場合、補強設計への補助は補助率6分の5、延べ床面積1平方メートルあたり3千450円以内、補助限度額32万5千円と、住宅の木造と同じ条件です。補強工事への補助は補助率15分の11で、延べ床面積1平方メートルあたり5万7千円(Is値0.3未満の場合は6万2千700円)を乗じた金額以内です。非木造の場合、補強設計への補助は補助率6分の5で限度額は個別積算、補強工事の単価は木造と同じ扱いになります。
佐藤
この区分も、工事側の限度額はないんですか。
田中
公式ページの表では、この区分の補強工事についても補助限度額の欄は空欄です。設計側だけ32万5千円という上限があり、工事側は単価×面積の計算額がそのまま上限になる点は、住宅以外の区分に共通しています。
費用の限度額と補助限度額の違い
佐藤
「費用の限度額」と「補助限度額」という2つの数字が出てきますが、同じ意味ですか。
田中
違います。公式ページの注記では、費用の限度額(単価×延べ床面積で計算する金額)は建物一棟あたりの額とされています。一方、補助限度額(32万5千円や286万円といった具体的な金額)は、住宅の場合は一住戸あたりの額、それ以外(マンション・上記以外の建築物)は一棟あたりの額です。長屋住宅や共同住宅のように住戸が複数ある建物では、この違いを取り違えないよう注意してください。
佐藤
この区分に自分の建物が当てはまるかどうか、自己判断してもいいですか。
田中
おすすめしません。緊急交通路の指定範囲や道路の中心線までの距離は、地図やPDFの図面を確認しないと正確には分からないためです。まずは建築防災推進課に建物の住所を伝えて、対象になるかどうかを確認したうえで、対象なら耐震診断や設計の依頼に進んでください。
申請前の注意点
佐藤
申請にあたって、他に気をつけることはありますか。
田中
3点あります。1つ目は、設計や工事を始める前に申請すること。実施後の申請では補助が出ません。2つ目は、建物所有者が市税を滞納していないこと。3つ目は、建物所有者が複数いる場合や、所有者と居住者が異なる場合は、それぞれの同意が必要になることです(区分所有建物を除く)。区分所有建物(分譲マンション)の場合は管理組合が補助対象になり、総会での議決や費用の予算化も求められます。
佐藤
補強工事の内容にも条件はありますか。
田中
あります。補強工事は「安全な状態にする補強工事、建替え工事又は除却工事」であることに加えて、補強工事については耐震改修促進法第17条の認定を受けて行う必要があると明記されています。認定を受けずに独自に行った工事は補助の対象外になる可能性が高いので、着工前に建築防災推進課へ相談し、17条認定の手続きも並行して進める必要があります。
緊急交通路沿道区分の補助を確認するまでの流れ
- 建物が広域・地域緊急交通路沿道にあるか、建築防災推進課に確認する
- 建物の高さが道路の中心までの距離より高いか、昭和56年5月以前の建物かを確認する
- 住宅(マンションを除く)・マンション・上記以外のどの区分に当てはまるか、構造(木造・非木造)とあわせて確認する
- 耐震診断を行い、Iw値またはIs値の判定結果を確認する
- 該当する補助率・単価・補助限度額を確認したうえで、設計・工事の前に建築防災推進課へ申請する
他制度との違い
佐藤
同じ堺市の耐震改修補助でも、住宅区分やマンション区分とはどう違うんですか。
田中
補助率が異なります。[住宅の耐震改修補助内容](/program/87)では補強工事の補助率が3分の2、[マンションの耐震改修補助内容](/program/88)では補強工事の補助率が3分の1です。これに対して、この緊急交通路沿道区分では補強工事の補助率が15分の11(約73%)と、いずれよりも高く設定されています。緊急交通路沿道に立地し、建物の高さが道路の中心までの距離より高いという条件に該当する場合は、住宅区分やマンション区分ではなく、この区分での申請を検討する価値があります。
佐藤
ブロック塀の撤去補助とは、また別物なんですよね。
田中
はい、まったく別の制度です。[緊急交通路沿道危険ブロック塀等の撤去工事等への補助](/program/67)は、建築物に付属するブロック塀の撤去・改修工事が対象で、公式ページのURLも異なります。今回紹介したのは建築物本体の補強・建替え・除却工事の補助であり、ブロック塀は対象に含まれません。敷地内にブロック塀もある場合は、建築物本体とブロック塀それぞれで別の制度への申請が必要になる点に注意してください。
公式情報
佐藤
詳しい金額表は、どこで確認できますか。
田中
堺市の広域・地域緊急交通路沿道建築物への補助内容に、住宅(マンションを除く)・マンション・上記以外の建築物それぞれの補強設計・補強工事の補助率と限度額の一覧表が掲載されています。制度全体の対象建物区分や申込期限、緊急交通路の指定範囲を示すPDFは、耐震改修をお手伝いしますで確認できます。
佐藤
自分の建物がどの区分に当てはまるか分からない場合はどうすればいいですか。
田中
堺市 建築都市局開発調整部建築防災推進課(電話072-228-7482、〒590-0078堺市堺区南瓦町3番1号 高層館13階)に、建物の所在地・建築時期・構造を伝えて相談してください。緊急交通路の指定範囲は地図で確認が必要なため、電話や窓口での確認が確実です。