愛知県 名古屋市

令和8年度住宅等の脱炭素化促進補助(名古屋市)

佐藤
名古屋市内の戸建てに住んでいます。電気代の高騰もあって太陽光発電と蓄電池を導入したいんですが、市の補助金があると聞きました。ZEHとかGX志向型住宅っていう言葉も出てきて、正直どれが自分に合うのか分かりません。
田中
「令和8年度住宅等の脱炭素化促進補助」ですね。名古屋市が実施している制度で、太陽光発電設備・蓄電システム・HEMS・ZEH・V2H充放電設備・断熱窓改修・家庭用燃料電池システム(エネファーム)という設備・住宅性能ごとに補助金を出しています。区分ごとに対象要件や補助額が違うので、まずはどの区分が当てはまるかを整理する必要があります。
佐藤
区分がたくさんあって混乱しそうです。太陽光だけ単体で設置しても対象になりますか。
田中
なります。ただし太陽光発電設備単体という独立した枠があるわけではなく、実際には太陽光発電設備・HEMS・蓄電システムまたはV2H充放電設備を組み合わせて申請する「一体的導入」の枠で太陽光部分を申請する形になります。一方、ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)として新築や購入をする場合は、「ZEH」「ZEH+」「GX志向型住宅」という別の区分になります。同じ太陽光発電設備でも、どちらの区分で申請するかで補助額の計算方法が変わるので注意してください。
令和8年度から申請時期が「工事着工前」から「工事完了後」に変わりました

これまでは工事に着手する前に交付申請が必要でしたが、令和8年度からは工事(電力の系統連系を含む)や引渡しが完了した後に交付申請兼実績報告書を提出する仕組みに変わっています。事業完了期間は2026年4月1日(水曜日)から2027年2月12日(金曜日)までで、この期間内に設置工事や引渡しを終える必要があります。また、蓄電システム単体の枠は2026年8月20日17時00分時点ですでに予算(1080万円)に達し、受付を終了しています。他の区分も先着順で予算額に達し次第、予告なく受付終了になるので、検討しているなら早めに動く必要があります。

名古屋市 住宅等の脱炭素化促進補助の申請フロー

どんな制度か

名古屋市が実施する「令和8年度住宅等の脱炭素化促進補助」は、太陽光発電設備・蓄電システム・HEMS・ZEH・ZEH+・GX志向型住宅・V2H充放電設備・断熱窓改修・家庭用燃料電池システム(エネファーム)という複数の設備・住宅性能に対して補助金を出す制度です。補助金額には愛知県からの補助金(愛知県住宅用地球温暖化対策設備導入促進費補助金)が一部含まれています。受付窓口は名古屋市役所の窓口ではなく、業務委託を受けた株式会社MTK内の「住宅等の脱炭素化促進補助金 受付窓口」で、郵送またはGrafferの電子申請システムで申請します。

制度の基本情報
項目内容
制度名令和8年度住宅等の脱炭素化促進補助
実施主体名古屋市環境局環境企画部脱炭素社会推進課(受付窓口は株式会社MTK内)
対象区分太陽光発電設備・HEMS・蓄電システムまたはV2H充放電設備の一体的導入/ZEH・ZEH+/GX志向型住宅/蓄電システム(単体、受付終了)/V2H充放電設備(単体)/断熱窓改修/エネファーム
申請時期工事完了後(令和8年度から変更、着工前申請は不可)
事業完了期間2026年4月1日(水曜日)から2027年2月12日(金曜日)まで
募集(申請受付)期間2026年7月1日(水曜日)から2027年2月12日(金曜日)まで(消印有効、先着順)
受付窓口株式会社MTK内「住宅等の脱炭素化促進補助金 受付窓口」(名古屋市中村区佐古前町22-13 森ビル502、電話052-485-7073)

対象者・対象住宅・対象工事

佐藤
私みたいに戸建てに自分で住んでいる場合、対象者の条件はどうなりますか。
田中
個人の場合、共同住宅以外への設置なら「住民票の現住所が対象システムを設置する住宅であること」が条件です。共同住宅で申請する個人の場合は「現住所が名古屋市内であること」に緩和されます。法人の場合は本店または主たる事務所が名古屋市内にあることが必要です。太陽光発電設備を戸建てに設置して一体的導入枠を使う個人は、これに加えて「なごや太陽光倶楽部」への入会申請が必須になります。この倶楽部は家庭の太陽光発電・省エネ住宅によるCO2削減量をJ-クレジット制度で集約し、名古屋市の環境保全事業に役立てる仕組みで、公式ページでも「本市の補助を受けて設備を導入された方は、入会資格のない場合を除いて、原則として入会していただく必要があります」と案内されています。
佐藤
ZEHの場合は対象住宅にも条件がありますよね。
田中
そうです。ZEH・ZEH+・GX志向型住宅の区分は、名古屋市内に戸建て住宅を建築するか、新築の戸建て住宅を購入する場合が対象で、共同住宅は対象外です。さらにその住宅が、国土交通省・環境省・経済産業省が実施するZEH等補助の交付対象であることが条件になります。ただしNearly ZEH、Nearly ZEH+、ZEH Oriented、長期優良住宅として国の補助を受ける場合は対象外なので、国の補助区分を事前に確認してから申請してください。HEMSの導入も必須で、国の補助事業でHEMS導入が要件に含まれていない場合は、愛知県住宅用地球温暖化対策設備導入促進費補助金の補助対象機器であることが条件になります。ZEHの場合も個人はなごや太陽光倶楽部への入会申請が必要です。
佐藤
断熱窓改修は新築でも使えますか。
田中
使えません。断熱窓改修の区分は、既存住宅の内窓設置・外窓交換・ガラス交換を伴う改修が対象で、新築や増改築に合わせた工事は対象外です。加えて、令和8年度に国のリフォーム支援事業(住宅省エネ2026キャンペーンなど)の補助金交付を受ける改修であることが条件で、改修後の熱貫流率が2.3W/平方メートル・K以下になる必要があります。使用する製品も、一般社団法人環境共創イニシアチブ(SII)・公益財団法人北海道環境財団・住宅省エネ2026キャンペーン事務局のいずれかに登録された製品に限られます。
佐藤
エネファームも太陽光倶楽部への入会が条件ですか。
田中
いえ、エネファームの区分は別の団体で、個人が申請する場合は「くらしカーボンニュートラルクラブ」への入会申請が必要です。なごや太陽光倶楽部とは別の組織なので、太陽光やZEHの区分と混同しないよう気をつけてください。対象設備は、一般社団法人燃料電池普及促進協会に「停電時自立運転機能付きの機器」として登録されているものに限られます。

補助額と算定方法

区分ごとの補助額と令和8年度予算額
区分補助額令和8年度予算額
太陽光発電設備(一体的導入)築10年以内は1kWあたり2万円、築10年超は1kWあたり3万円(いずれも上限9.99kW)一体的導入全体で9231万円
HEMS(一体的導入)1件あたり1万円(一体的導入の予算に含む)
蓄電システム(一体的導入枠・単体枠共通の単価)蓄電容量1kWhあたり1.5万円(上限10kWh、最大15万円)単体枠は1080万円(受付終了)、一体的導入分は9231万円に含む
V2H充放電設備1件あたり5万円75万円
ZEH1件あたり10万円ZEH・ZEH+合計450万円
ZEH+1件あたり20万円(ZEHと合算で450万円)
GX志向型住宅1件あたり30万円1800万円
ZEH等と同時設置する蓄電システム蓄電容量1kWhあたり1.5万円(上限10kWh)540万円
断熱窓改修補助対象経費の3分の1(上限10万円)780万円
エネファーム1件あたり3万円690万円
佐藤
太陽光と蓄電池、HEMSを一緒に導入したらいくらになりますか。
田中
一体的導入の場合、太陽光は築年数によって1kWあたり2万円か3万円(上限9.99kW)、HEMSが1万円、蓄電システムを組み合わせるなら1kWhあたり1.5万円(上限10kWh、最大15万円)を積み上げて計算します。たとえば築10年超の住宅で5kWの太陽光、HEMS、5kWhの蓄電池を導入すると、太陽光15万円(3万円×5kW)、HEMS1万円、蓄電池7.5万円(1.5万円×5kWh)の合計23.5万円が目安になります。実際の交付額は交付申請書兼実績報告書の審査で確定するので、あくまで概算として捉えてください。
佐藤
GX志向型住宅の30万円というのは大きいですね。
田中
そうですね。ZEHが10万円、ZEH+が20万円なのに対し、GX志向型住宅は30万円と最も高い設定になっています。国の省エネ基準よりさらに高い断熱性能・省エネ性能を求める住宅類型に対応した区分で、公式ページでも「令和7年度からの主な変更点」として新設が案内されています。ただし対象住宅の要件(戸建てのみ、共同住宅は対象外)や、国のZEH等補助の交付対象であることといった条件は他のZEH区分と共通です。

申請前の注意点

佐藤
予算が心配です。今から準備しても間に合いますか。
田中
公式ページによると、2026年8月20日17時00分時点で蓄電システム単体の枠はすでに予算(1080万円)に達し、受付を終了しています。他の区分についても「必要書類がすべて揃ったものから先着順で受付」し、「各区分において申請額が予算額に達し次第、予告なく受付を終了」すると案内されています。募集期間自体は2027年2月12日までありますが、実際には期間満了前に締め切られる区分が出る可能性が高いので、対象になりそうな区分は早めに書類を揃えることをおすすめします。なお予算到達後も「若干名の補欠」を受け付ける場合があり、2027年2月12日以降に補欠の中から抽選が行われます。
佐藤
名義については何か注意点がありますか。
田中
あります。申請者、工事請負・売買契約の契約者、補助事業に係る領収書の宛名、補助対象システムの保証書に記載の氏名という4つが、すべて同一である必要があります。たとえば夫名義で契約したのに妻名義の領収書で申請する、といったケースは受け付けられません。契約前にこの4点の名義をそろえておくことが重要です。
佐藤
工事完了後に申請するとのことですが、具体的にはいつまでに何を終えればいいですか。
田中
区分ごとに「事業完了日」の定義が異なり、たとえば一体的導入とZEHは太陽光発電設備の連系日・対象システムの保証開始日・住宅の引渡し日(購入の場合)のうち最も遅い日、断熱窓改修は工事完了日そのものが事業完了日になります。これらの事業完了日が2026年4月1日(水曜日)から2027年2月12日(金曜日)までの間に収まっている必要があり、すべての日付が2026年4月1日以降であることも条件です。工事完了後に交付申請書兼実績報告書と、連系に関するお知らせ・保証書・引渡証明書などの必要書類をまとめて提出する流れになります。
財産処分と設備の使用条件に注意

補助金の交付を受けた設備は一定期間、適正に管理・運用する必要があります。この期間内に売却・譲渡・廃棄などで処分する場合は、補助金の全部または一部を返還しなければならないことがあります。また太陽光発電設備は未使用品でリース不可、余剰分を逆潮流する配線であること(全量逆潮流は不可)が条件になるなど、設備ごとに細かい対象要件があるので、契約前に各区分の手引き(PDF)を必ず確認してください。

申請の流れ

  1. 該当する区分(一体的導入・ZEH・GX志向型住宅・V2H単体・断熱窓改修・エネファームなど)の手引きを確認し、対象要件を満たす設備・工事内容か確認する
  2. 見積もりを取り、なごや太陽光倶楽部またはくらしカーボンニュートラルクラブへの入会申請が必要な区分は同時に準備する
  3. 契約・工事に着手する(事業完了日が2026年4月1日以降になるように計画する)
  4. 工事完了・引渡し後、交付申請書兼実績報告書と必要書類一式を郵送または電子申請システムで提出する(2027年2月12日必着、予算到達次第早期終了)
  5. 審査後、補助金交付請求書を提出し、指定口座で補助金を受け取る
佐藤
申請時に用意する書類を具体的に教えてください。
田中
区分共通で使う様式として、各区分の交付申請書兼実績報告書(様式1)、補助金交付請求書(様式6)があります。加えて一体的導入・ZEH・V2H・蓄電システム・エネファームでは連系に関するお知らせや保証書、住宅を購入した場合の引渡証明書が必要です。断熱窓改修では工事完了日が分かる工事完了報告書を提出します。なごや太陽光倶楽部やくらしカーボンニュートラルクラブへの入会申込書も、該当する区分では併せて提出が必要です。書類の様式はすべて名古屋市公式ページの各区分のセクションからダウンロードできます。
佐藤
郵送する場合の宛先を教えてください。
田中
〒453-0018 名古屋市中村区佐古前町22-13 森ビル502、株式会社MTK内「住宅等の脱炭素化促進補助金 受付窓口」宛てです。電話は052-485-7073で、平日9時00分から17時30分まで(土曜日・日曜日・祝日、12月29日から1月4日を除く)対応しています。郵送の場合、消印日がなければ受付窓口へ書類が到着した日を消印日とみなす扱いになるので、余裕を持って発送してください。電子申請の場合はGrafferの電子申請システムを使い、区分ごとにフォームが分かれています。

他制度との併用と使いどころ

佐藤
一体的導入とZEHの両方を申請することはできますか。
田中
できません。一体的導入は「ZEH、ZEHと同時に設置する蓄電システム、太陽光発電設備に接続する蓄電システム(蓄電システムを選択した場合)、太陽光発電設備に接続するV2H充放電設備(V2Hを選択した場合)の補助金と併用はできません」と明記されています。逆にZEH区分を選んだ場合も、一体的導入や単体の蓄電システム補助とは併用できません。太陽光・蓄電池・HEMSを組み合わせて設置する場合は、新築でZEH等の国補助を受けるのか、既存住宅への後付けとして一体的導入枠を使うのかを最初に決める必要があります。
佐藤
同じ名古屋市の子育て世帯向け住まいる補助金と一緒に使えますか。
田中
[名古屋市 子どもあんしん住まいる補助金](/program/80)は12歳未満の子どもがいる世帯などを対象に、鍵付きクレセント錠や転落防止手すりの設置といった防犯・転落防止工事を補助する制度で、実施部署も住宅都市局住宅部住宅企画課と異なります。対象工事が重ならないため、両方の条件を満たす世帯であれば別々の制度として同時に検討できますが、制度としては別物なので、それぞれの窓口(脱炭素化促進補助は株式会社MTK内窓口、子どもあんしん住まいる補助金は住宅都市局住宅部住宅企画課)に個別に確認してください。
佐藤
どんな人がこの制度を使うとお得ですか。
田中
名古屋市内の戸建てや、太陽光を設置できる住宅に住んでいて、電気代の削減や停電時の備えを目的に太陽光・蓄電池・HEMSをまとめて導入したい人には向いています。新築でZEHやGX志向型住宅を建てる予定がある人は、区分ごとの補助額の違い(ZEH10万円、ZEH+20万円、GX志向型住宅30万円)を踏まえて、どの性能水準を目指すかを工務店と相談する材料になります。ただし工事完了後の申請という点、名義を4つ揃える必要がある点、区分によっては受付が早期終了している点には注意して、契約前に必ず最新の予算消化状況を公式ページで確認してください。

公式情報

問い合わせ先:株式会社MTK内「住宅等の脱炭素化促進補助金 受付窓口」

住所:〒453-0018 名古屋市中村区佐古前町22-13 森ビル502

電話:052-485-7073(平日9時00分から17時30分、土曜日・日曜日・祝日、12月29日から1月4日を除く)

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