奈良県 奈良市

住宅の省エネ改修に伴う固定資産税の減額措置(奈良市)

佐藤
先日、奈良市のバリアフリー改修の固定資産税減額制度([住宅のバリアフリー改修に伴う固定資産税の減額措置](/program/69))を教えてもらいましたが、省エネ改修でも同じような減額があると聞きました。どんな制度なんでしょう?
田中
あります。正式名称は「住宅の省エネ改修に伴う固定資産税の減額措置」です。断熱改修などの省エネ工事をした住宅について、翌年度の固定資産税が一定割合減額される制度で、窓口は奈良市資産税課です。
佐藤
バリアフリー改修の制度とどう違うんですか?
田中
大きく3点違います。まず対象工事の内容がまったく異なります。バリアフリーは手すりの取り付けや段差解消など移動のしやすさを高める工事でしたが、省エネ改修は断熱工事が中心です。次に、工事費の最低額が違います。バリアフリーは自己負担50万円超でしたが、省エネ改修は60万円超が必要です。最後に、省エネ改修では「長期優良住宅認定を受けて改修した場合」に限り、減額割合が3分の2になる上乗せがあります。
佐藤
自己負担60万円超というのはかなりの額ですね。どんな工事が対象になるんですか?
田中
対象工事は4種類あります。イ)窓の断熱改修工事、ロ)床の断熱改修工事、ハ)天井の断熱改修工事、ニ)壁の断熱改修工事です。ポイントは、このうち「イ(窓の断熱改修工事)」が必須だということです。ロからニの床・天井・壁の工事だけでは対象になりません。イに加えてロからニを組み合わせることはできます。また、改修後は「現行の省エネ基準に新たに適合」する水準になることが条件です。
窓の断熱改修工事が必須です

床・天井・壁の断熱工事のみでは対象になりません。窓の断熱改修工事を含まない場合、この減額措置は受けられません。工事の計画段階で必ず確認してください。

奈良市 省エネ改修 固定資産税減額の申請フロー

どんな制度か

奈良市が窓口となって取り扱う、国の特例措置に基づく固定資産税の減額制度です。住宅の省エネ改修工事(断熱改修)を行った場合に、翌年度の固定資産税が減額されます。令和13年3月31日までに完了した工事が対象です。

バリアフリー改修の制度([住宅のバリアフリー改修に伴う固定資産税の減額措置](/program/69))が対象居住者の要件(65歳以上・要介護・障がい者)を定めているのに対し、省エネ改修の制度は居住者に年齢・状態の制限がありません。ただし工事費の自己負担要件は60万円超とやや高めに設定されています。

制度の基本情報
項目内容
制度名住宅の省エネ改修に伴う固定資産税の減額措置
実施主体奈良市(資産税課)
対象住宅平成26年4月1日以前から所在する住宅(賃貸住宅除く)・床面積40〜240平方メートル
対象工事窓の断熱改修工事(必須)+床・天井・壁の断熱改修工事(任意・組み合わせ可)
自己負担要件60万円超(太陽光発電等設備の設置費用と合算する場合は省エネ工事費50万円超+合計60万円超)
減額内容翌年度固定資産税が3分の1減額(120平方メートル相当分まで)
長期優良住宅認定を受けた場合3分の2減額(120平方メートル相当分まで)
申告期限工事完了後3カ月以内
対象期限令和13年3月31日までに完了した工事
申告先奈良市役所資産税課(持参・郵送・メール・オンライン)
施工業者登録要件なし(任意の施工業者で可)
問い合わせ資産税課 電話 0742-34-4726

対象住宅の要件

対象となる住宅には以下の要件があります。

  • 建築時期:平成26年4月1日以前から所在する住宅
  • 用途:賃貸住宅は除外(自己居住用)
  • 床面積:40平方メートル以上240平方メートル以下
佐藤
「平成26年4月1日以前から所在する住宅」というのは、2014年4月より前に建てられた家ということですか?
田中
その通りです。2014年(平成26年)4月1日より前から存在していた住宅が対象です。比較的築浅の家でも対象になります。バリアフリーの制度が「新築後10年以上」という条件だったのと比べると、こちらは築年数の下限がない分、間口は広いです。ただし賃貸に出している家は対象外です。

対象工事の要件

### 工事の種類

対象となる省エネ改修工事は次の4種類です。

  • イ(必須):窓の断熱改修工事
  • ロ(任意):床の断熱改修工事
  • ハ(任意):天井の断熱改修工事
  • ニ(任意):壁の断熱改修工事

「イ」の窓工事が必須条件です。ロからニは任意ですが、「イ」と組み合わせることが前提です。改修後、対象部位が「現行の省エネ基準に新たに適合」することが求められます。

### 工事費の要件

補助金等を除いた自己負担額が以下のいずれかを満たす必要があります。

  • 60万円超(省エネ改修工事費のみで)
  • 省エネ改修工事費50万円超+太陽光発電装置・高効率空調機・高効率給湯器・太陽熱利用システムの設置費用と合わせて自己負担60万円超
佐藤
太陽光発電の設置費用も合算できるんですね。それは便利です。
田中
省エネ工事と太陽光などの設備工事を組み合わせて行う場合に、合計額で判定できます。ただし省エネ改修工事費単独で50万円超えていることが前提です。省エネ工事10万円+太陽光50万円、といった構成では使えません。

減額の内容

減額のポイント
  • 減額対象:居住部分120平方メートル相当分まで
  • 通常の場合:翌年度固定資産税が 3分の1減額(1年間のみ)
  • 長期優良住宅認定を受けた場合:翌年度固定資産税が 3分の2減額(1年間のみ)
佐藤
バリアフリーは100平方メートルまでが対象でしたが、省エネは120平方メートルまでなんですね。
田中
そうです。上限面積が20平方メートル広くなっています。また、長期優良住宅の認定を受けて改修した場合は3分の2減額という上乗せがあります。例えば年間固定資産税が9万円(120平方メートル以内)であれば、通常の省エネ改修で3万円の減額、長期優良住宅認定取得で6万円の減額になります。
佐藤
長期優良住宅の認定を取ると、追加の書類が必要になりますか?
田中
申告時に「長期優良住宅の認定通知書」の写しが必要になります。認定の取得自体は別の手続きなので、省エネ改修と並行して進める必要があります。

申請前の確認事項

佐藤
工事を始める前に申請は必要ですか?
田中
この制度は工事完了後の申告制です。工事前に申請する必要はありません。バリアフリー改修の制度と同様に、工事完了後に申告します。ただし工事完了後3カ月以内という期限があります。この期限を過ぎると減額を受けられなくなるので注意してください。
他の軽減措置との併用不可

新築家屋の軽減など、他の固定資産税の軽減措置を受けている場合はこの減額の対象外です。工事前に資産税課(電話 0742-34-4726)に確認することをお勧めします。

施工業者については登録要件はありませんが、申告時に「増改築等工事証明書」が必要です。この証明書は建築士・指定確認検査機関・登録住宅性能評価機関・住宅瑕疵担保責任保険法人などが作成します。工事を発注する際に、証明書の発行が可能かどうかを業者に確認しておきましょう。

必要書類

申告時に以下の書類を提出します。

  • 減額申告書
  • 領収書
  • 工事明細書
  • 改修箇所の図面
  • 工事前後の写真
  • 増改築等工事証明書(建築士・保険法人等が作成)
  • 長期優良住宅の認定を受けた場合:認定通知書の写し
  1. 省エネ改修工事を計画する(窓断熱は必須、業者に工事証明書の発行を確認)
  2. 工事費の自己負担が60万円超になるか確認する(太陽光等との合算も可)
  3. 工事を実施する
  4. 施工業者から「増改築等工事証明書」を受け取る
  5. 工事完了後3カ月以内に奈良市資産税課へ減額申告書を提出する(持参・郵送・メール・オンライン)
  6. 翌年度の固定資産税が3分の1(または3分の2)減額される

省エネ改修とバリアフリー改修の違い(まとめ)

佐藤
前回教えてもらったバリアフリーの制度と今回の省エネの制度、どちらを使えるか迷う人もいそうですね。
田中
両制度の対象工事の種類がまったく異なるので、基本的には自分が行う工事の種類で決まります。窓の断熱工事や床・壁の断熱工事をするなら省エネ改修の制度、手すりの設置や段差解消工事をするならバリアフリーの制度です。ただし注意点があります。同一の住宅に対して両方の減額を同時に申告することはできません(他の軽減措置との重複不可)。いずれか一方を選ぶ必要があります。
比較項目省エネ改修(今回)バリアフリー改修
対象工事窓・床・天井・壁の断熱改修手すり・段差解消・引き戸等
工事費要件自己負担60万円超自己負担50万円超
居住者要件なし65歳以上・要介護等
減額割合1/3(長期優良認定は2/3)1/3のみ
対象面積上限120平方メートル100平方メートル
減額期間翌年度1年間翌年度1年間

公式情報

問い合わせ先:奈良市役所 資産税課(電話 0742-34-4726 / FAX 0742-34-4927)

〒630-8580 奈良市二条大路南一丁目1-1