大阪府 大阪市

大阪市の狭あい道路沿道老朽住宅除却促進制度を解説

佐藤
大阪市で古い木造住宅を解体したいのですが、前の道が狭い家だと補助が出る制度があると聞きました。どんな制度ですか?
田中
大阪市の「狭あい道路沿道老朽住宅除却促進制度」です。対策地区または重点対策地区にある古い木造住宅について、解体と整地にかかる費用の一部を補助する制度です。
大阪市内ならどこでも使える制度ではありません

対象エリアは大阪市全域ではなく、公式ページで示された対策地区と重点対策地区です。さらに、前面道路の幅や建築年、木造かどうかで対象が分かれます。住所だけで判断せず、必ず対象エリア図と受付窓口で確認してください。

大阪市の狭あい道路沿道老朽住宅除却促進制度の流れ
対象地区確認、道路条件確認、見積り、交付申請、解体完了の流れ

どんな制度?

佐藤
解体費そのものを見てもらえる制度なんですね。
田中
はい。大阪市は、狭い道路に面した老朽木造住宅の除却を進めるため、解体と整地に要する費用を補助しています。地震や火災が起きたときに、倒壊や延焼の危険を減らすことが主な目的です。
佐藤
耐震改修ではなく、解体を後押しする制度なんですね。
田中
その通りです。しかも、解体後の土地の使い道は問わないと案内されています。建て替え予定でも、当面は更地にする予定でも、制度要件を満たせば対象になり得ます。
佐藤
それなら、建て替え前に古家を片付けたい人にも関係しそうです。
田中
そうです。ただし、<span class="textMarker">使えるかどうかは「地区」「道路」「建築年」「木造住宅か」の4点でかなりはっきり分かれます</span>。最初にそこを確認するのが一番大事です。
制度の基本情報
項目内容
自治体大阪府 大阪市
制度名狭あい道路沿道老朽住宅除却促進制度
主な対象対策地区または重点対策地区にある古い木造住宅
補助対象解体および整地に要する費用
申請受付2026年4月1日から2026年12月28日まで
完了報告期限2027年2月26日まで
請求期限2027年4月30日まで
窓口大阪市都市整備局 耐震・密集市街地整備 受付窓口

対象エリアと対象建物

佐藤
まず地区の確認が必要とのことですが、どう分かれるんですか?
田中
大きく「対策地区」と「重点対策地区」に分かれます。どちらも対象エリア内であることが前提ですが、建物条件が違います。
佐藤
対策地区はどんな条件ですか?
田中
幅員4m未満の道路に面する敷地などにある、昭和25年以前に建てられた木造住宅が対象です。ここでいう敷地などには、建築基準法第42条第2項や附則第5項に基づく道路で、幅員4m未満の道路に面するもの、または建築基準法第42条に基づく道路に2m以上接していないものが含まれます。
佐藤
道路の扱いがかなり細かいですね。
田中
はい。重点対策地区では条件が少し違って、幅員6m未満の道路に面する敷地などにある、昭和56年5月31日以前に建てられた木造住宅が対象です。こちらの方が対象になる建築年は新しめですが、地区が限定されます。
佐藤
木造住宅なら全部よいわけではないんですね。
田中
その通りです。公式ページでは、決められた建築年次以前に建てられた部分のみが補助対象とされていて、建築年は固定資産(家屋)評価証明書で確認すると明記されています。増築がある建物では、どこまでが対象かを窓口で確かめた方が安全です。
佐藤
店舗付き住宅や賃貸住宅はどうですか?
田中
店舗や事務所との併用住宅は、床面積合計の2分の1以上が住宅の用に供されている必要があります。賃貸住宅は、入居者の同意が得られたものに限ると案内されています。複数の道路に面する敷地では、狭い方の道路が要件を満たしていれば対象になります。

補助対象になる費用

佐藤
補助対象は解体費だけですか?
田中
正確には、解体および整地に要する費用です。建物を取り壊して敷地を整えるところまでが対象で、建物内に残っている家具や家電などの残存物の撤去費は対象外です。
佐藤
家の中の片付け費用は別で考えた方がいいんですね。
田中
そうです。見積書でも、解体・整地費と残存物撤去費が分かれていないと確認しづらくなります。補助申請前に業者へ見積書の内訳をきちんと出してもらう方が進めやすいです。

補助率と上限額

佐藤
一番気になるのは金額です。どのくらい補助されますか?
田中
対策地区と重点対策地区でかなり違います。対策地区の場合、補助額は「契約金額」と「大阪市が定める額」の低い方の2分の1以内です。大阪市が定める額は、戸建住宅も集合住宅も 1平方メートルあたり2.7万円です。
佐藤
上限額も決まっていますか?
田中
はい。対策地区の補助限度額は、戸建住宅が105万円、集合住宅が80万円です。
佐藤
重点対策地区はもっと大きいんですか?
田中
重点対策地区では、同じく「契約金額」と「大阪市が定める額」の低い方を基準にしますが、補助率は5分の4以内です。1平方メートルあたりの定め額は戸建住宅・集合住宅ともに2.7万円で、補助限度額は戸建住宅170万円、集合住宅125万円です。
佐藤
かなり差がありますね。
田中
さらに注意したいのが、一部エリアでは別ルールがあることです。その場合は補助率が3分の2以内になり、定め額は戸建住宅が 1平方メートルあたり1.7万円、集合住宅が 1平方メートルあたり1.5万円、補助限度額は戸建住宅100万円、集合住宅200万円です。長屋などの一部解体は100万円が限度です。
佐藤
じゃあ「重点対策地区だから170万円」と決め打ちできないんですね。
田中
その通りです。<span class="textMarker">自宅がどのエリア区分に入るかで補助率も上限額も変わる</span>ので、見積り前に確認しておくと後でずれにくくなります。

申請の流れと締切

佐藤
申請はいつまでですか?
田中
申請受付期間は2026年4月1日から2026年12月28日までです。ただし、工事着手予定日の40日以上前に申請する必要があります。
佐藤
40日前というのは結構早いですね。
田中
そうなんです。大阪市は、申請から交付の可否決定まで40日程度かかると案内しています。書類の訂正にかかる日数は別なので、年末ぎりぎりでは間に合わないことがあります。
佐藤
工事が終わった後にも期限がありますか?
田中
あります。2027年2月26日までに解体工事を完了し、完了報告を提出する必要があります。さらに、補助金の請求は2027年4月30日までです。完了報告と請求の両方が期限内でないと補助金を受けられません。
申請前に確認する流れ
  1. 住所が対策地区または重点対策地区か確認する
  2. 前面道路の幅員と建築年を確認する
  3. 固定資産(家屋)評価証明書や見積書をそろえる
  4. 工事着手の40日以上前までに交付申請する
  5. 解体完了後に完了報告と補助金請求を行う

申請前の注意点

佐藤
先に解体業者と契約してしまったらどうなりますか?
田中
公式ページでは、交付申請前に解体の工事契約をした場合、原則として補助金を受けられないとされています。ただし、工事着手までに十分な期間がある場合は申請できることもあるので、まずは窓口へ相談する形です。
佐藤
でも基本は契約前に相談ですね。
田中
その理解で進めるのが安全です。補助金は、解体工事費の全額の支払いが完了した後に振り込まれます。先に立替えが必要になるので、資金計画も見ておく必要があります。
佐藤
解体後の土地利用は自由とのことでしたが、更地にしてしばらく置いても大丈夫ですか?
田中
公式ページでは、解体後の敷地の利用目的や用途は問わないとされています。建て替えがすぐでなくても、制度の対象外になるわけではありません。
佐藤
相談先も決まっていますか?
田中
はい。大阪市都市整備局の耐震・密集市街地整備受付窓口が案内されています。場所は大阪市立住まい情報センター4階で、電話は06-6882-7053です。道路種別や地区区分が分かりにくい制度なので、図面や住所、固定資産関係の書類を手元に置いて相談すると話が早いです。

こんな人に向いている制度

佐藤
どんなケースなら特に検討しやすいですか?
田中
前の道が狭く、古い木造住宅をそのまま残すのが不安なケースです。相続した空き家を整理したい人、建て替え前に老朽家屋を先に解体したい人、道路条件の厳しい敷地で安全面の不安を減らしたい人には相性があります。
佐藤
耐震改修ではなく解体を選ぶ人向けですね。
田中
そうです。特に、築年がかなり古く、改修より除却の方が現実的な建物では選択肢になりやすいです。ただし、対象地区外なら使えませんし、道路条件の確認も必要なので、最初の確認を飛ばさないことが大切です。

公式情報

佐藤
まず何を見ればいいですか?
田中
大阪市の狭あい道路沿道老朽住宅除却促進制度を確認してください。対象エリア図、補助率、申請受付期間、手引き、FAQがまとまっています。建築年の確認には固定資産(家屋)評価証明書の案内も出ています。
佐藤
最後に要点を一つに絞ると?
田中
<span class="textMarker">住所が対象地区に入るか、前面道路の条件を満たすか、工事着手の40日以上前に申請できるか</span>の3点です。この3つが確認できれば、制度を使えるかどうかの見通しが立ちやすくなります。