北海道 札幌市

札幌市営住宅の家賃・減免基準の見直し(2026年4月〜)を解説

佐藤
父が札幌市営住宅に入居しているんですが、「令和8年4月から家賃が変わる」という案内が来たそうなんです。これはどういう制度なんでしょうか。
田中
「市営住宅家賃制度及び減免制度の見直し」のことですね。札幌市営住宅条例施行規則が改正されて、2026年4月から市営住宅の家賃の算定方法と、家賃を安くするための基準(減免基準)の両方が変わります。新しい制度ではなく、すでに市営住宅に入っている人も含めて適用される既存制度のルール変更です。
家賃が上がる団地と下がる団地がある

今回の見直しは一律に家賃が下がるものではありません。駅から近い団地や、断熱性能が高い団地では家賃が上がる場合があり、逆にエレベーターのない5階などでは下がる幅が広がる場合があります。団地ごとの増減の目安は公式ページのPDFで確認できます。思い込みで「下がるはず」と判断しないでください。

札幌市営住宅家賃制度・減免制度見直しの流れ
制度改正の確認、現在の家賃との比較、利便性係数の確認、減免基準の確認、2026年4月以降の家賃確認という流れ

どんな制度か

佐藤
「家賃の算定方法」と「減免基準」という2つの言葉が出てきましたが、これは別々の話ですか。
田中
はい、2つの要素が同時に変わる形です。1つめは、市営住宅の家賃そのものを決める計算の中にある「利便性係数」という数値の見直しです。駅からの距離や建物の断熱性能などを数値化して家賃に反映する仕組みで、この係数が変わることで、同じ間取り・同じ所得の世帯でも団地によって家賃が増えたり減ったりします。2つめは、所得が低い世帯向けの「減免基準」の見直しです。これまでは平成23年度の生活保護基準をもとに計算した「月額74,000円」という固定額を基準にしていましたが、新しい基準では前の年の10月1日時点の生活保護基準をもとに毎年計算し直す方式になります。
佐藤
固定額だったものが、毎年見直される仕組みに変わるということですね。
田中
そうです。生活保護基準は社会状況に応じて変わっていくものなので、固定額のままだと実態とズレが生じます。そのズレをできるだけ早く反映できるようにする、というのが見直しの狙いです。計算の結果、2026年度の減免基準は月額76,000円になる予定とされています。基準額が74,000円から76,000円に上がることで、これまでより多くの世帯が減免の対象に入りやすくなる見込みです。
制度の基本情報
項目内容
自治体北海道 札幌市
制度名市営住宅家賃制度及び減免制度の見直しについて
根拠札幌市営住宅条例施行規則の改正
適用開始2026年4月1日(令和8年4月)
対象札幌市営住宅の全入居者(既存入居者を含む)
旧減免基準月額74,000円(平成23年度の生活保護基準をもとにした固定額)
新減免基準2026年度は月額76,000円になる予定(前年10月1日時点の生活保護基準をもとに毎年算定)
家賃算定の見直し利便性係数(駅距離・断熱性能など)の見直しにより団地ごとに家賃が増減
問い合わせ先札幌市都市局市街地整備部住宅課(電話011-211-2806)

対象になる人・住宅

佐藤
対象になるのは、今から新しく市営住宅に申し込む人だけですか。
田中
いいえ、すでに札幌市営住宅に入居している人も対象です。この見直しは特定の申込者だけに向けた新規制度ではなく、市営住宅全体の家賃と減免のルールそのものを変える改正なので、現在の入居者の家賃にも2026年4月から反映されます。
佐藤
団地によって家賃の動き方が違うという話でしたが、具体的にどんな団地が上がりやすいんでしょうか。
田中
公式ページで示されている傾向としては、駅に近い団地は利便性係数が上がる方向に働くため家賃が上がりやすく、2023年度(令和5年度)以降に建てられたような高性能な建物も同様に上がりやすいとされています。一方で、エレベーターがなく5階にあるような部屋は、不便さを反映する係数によって下がる幅がこれまでより広がる方向です。ただし、これはあくまで傾向で、実際の増減額は団地ごとに異なります。公式ページに「団地別の家賃の増減(目安)」というPDFが用意されているので、自分の団地名で確認するのが確実です。
佐藤
減免基準の対象になるかどうかは、どう判断すればいいですか。
田中
減免基準は、世帯の収入状況に応じて家賃を軽減する仕組みの基準額です。公式ページ本文には、個々の入居者が自分で申請が必要かどうかという手続きの詳細までは明記されていません。基準額が76,000円に緩和されることで対象に入りやすくなる世帯が増える見込みとは案内されていますが、自分の世帯が対象になるか、追加の手続きが必要かは、札幌市都市局市街地整備部住宅課に直接確認することをおすすめします。

補助額・基準額の考え方

佐藤
「月額76,000円」という数字は、家賃の上限という意味ですか。
田中
そうではなく、減免の基準となる金額です。収入状況などに応じて家賃が軽減される仕組みの中で、どこまでの収入なら軽減の対象になるかを判断する基準額と理解してください。76,000円という数字そのものが補助額や家賃の上限ではないので、自分の家賃がいくらになるかは別の計算になります。
佐藤
なぜ74,000円から76,000円に変わったんでしょうか。
田中
旧基準は平成23年度(2011年度)の生活保護基準をもとに計算した固定額のままだったため、その後の社会状況の変化が反映されていませんでした。新しい方式では、前の年の10月1日時点の生活保護基準をもとに毎年計算し直すため、2026年度についてはその計算結果が月額76,000円になる予定と案内されています。つまり76,000円という数字は2026年度限りの値で、翌年度以降はまた生活保護基準の変化に応じて見直される可能性があります。
佐藤
利便性係数のほうは、どのくらい家賃に影響するんですか。
田中
公式ページでは、駅から400メートル以内だと係数が上がる方向に0.08、800メートル以内だと0.04上がる、といった形で距離に応じた係数が示されています。また、ZEH水準の高い断熱性能を持つ建物には0.07の係数が追加される案も示されています。こうした係数が積み重なって家賃に反映されるため、団地ごとの増減額は一律ではありません。具体的な金額の変化は、やはり「団地別の家賃の増減(目安)」のPDFで自分の団地を確認するのが一番正確です。

申請前の注意点

佐藤
何か手続きをしないと家賃が変わらない、ということはありますか。
田中
公式ページの案内を見る限り、これは制度全体の改正であり、個々の入居者が何か申請をしなければ適用されない、という書き方にはなっていません。ただし、減免基準に関する具体的な申請要否の記載は公式ページ本文には見当たりませんでした。すでに減免を受けている人や、新たに減免の対象になりそうな人は、念のため住宅課に確認しておくと安心です。
佐藤
家賃が上がる団地に住んでいる場合、何か事前にできることはありますか。
田中
まずは自分の団地が「団地別の家賃の増減(目安)」でどちらの傾向に当たるかを確認してください。上がる見込みの場合は、2026年4月以降の家賃がいくらになるかを早めに把握しておくことで、生活費の見直しなどに備えられます。公式ページの本文には、見直しの経緯として市営住宅の協議会での議論や、2025年6月5日から15日にかけて実施された無作為抽出5千世帯へのアンケート調査、2025年7月31日の建設委員会への報告といった経緯も示されています。制度の背景を知っておくと、問い合わせの際にも話がスムーズになります。
佐藤
引っ越しや住み替えを考えている場合は、今のうちに動いたほうがいいんでしょうか。
田中
そこは一概には言えません。家賃が上がる団地だからといって必ず住み替えが得になるとは限りませんし、住み替え自体にも別の条件や手続きが関わってきます。断定的な判断はせず、まずは自分の団地の増減目安と、現在の家賃・世帯状況を照らし合わせたうえで、住宅課に相談しながら検討するのが安全です。
制度の内容を確認する流れ
  1. 公式ページで制度改正の概要(2026年4月から適用)を確認する
  2. 「団地別の家賃の増減(目安)」のPDFで自分の団地の傾向を確認する
  3. 現在の家賃と減免の適用状況を自分で整理する
  4. 減免基準(2026年度は月額76,000円の予定)に該当しそうか確認する
  5. 不明な点は札幌市都市局市街地整備部住宅課に問い合わせる

他制度との併用・使いどころ

佐藤
札幌市営住宅には他にもいろいろな制度があるようですが、この見直しと合わせて知っておいたほうがいいものはありますか。
田中
同じ札幌市営住宅に関する制度として、[札幌市セーフティネット住宅入居支援事業補助制度](/program/77)があります。これは市営住宅そのものではなく、住宅確保要配慮者向けの民間賃貸住宅への入居支援に関する別制度なので、今回の家賃・減免見直しとは対象が異なります。それぞれの制度の対象をきちんと分けて理解しておくと、混同せずに済みます。
佐藤
省エネ関連の制度で札幌市営住宅に関係するものはありますか。
田中
[札幌市既存集合住宅外断熱改修事業補助金](/program/92)は、民間の既存集合住宅の外断熱改修を支援する制度で、こちらも市営住宅そのものを対象にした制度ではありません。ただし、今回の家賃見直しの中で断熱性能の高い建物の利便性係数が上がる方向に動くという案が示されているように、札幌市全体として住宅の断熱性能を重視する方向性がうかがえます。制度としては別物なので、適用対象を混同しないように注意してください。

公式情報の確認先

佐藤
この制度の公式ページはどこで確認できますか。
田中
札幌市の市営住宅家賃制度及び減免制度の見直しについてで確認できます。制度改正の概要、旧基準と新基準の金額、団地別の家賃増減の目安PDF、見直しの経緯資料などがまとめられています。
佐藤
見直しの経緯や議論の内容を詳しく知りたい場合はどうすればいいですか。
田中
札幌市の市営住宅の適正な家賃制度のあり方のページで、協議会の答申書や審議の振り返り資料、利便性係数の計算方法を示した資料が公開されています。利便性係数そのものの細かい計算ロジックまで知りたい場合は、こちらのPDF資料を確認するのが近道です。
佐藤
自分の家賃がどう変わるのか、具体的に相談したい場合の窓口はどこですか。
田中
札幌市都市局市街地整備部住宅課(電話011-211-2806)が担当窓口です。現在の家賃、世帯の収入状況、住んでいる団地名を伝えれば、2026年4月以降の見込みについて確認しやすくなります。特に減免基準に該当するかどうかや、家賃が上がる団地に住んでいる場合の具体的な金額は、この窓口に直接確認するのが確実です。