兵庫県 明石市
明石市 多数のものが利用する施設耐震診断助成事業(学校・病院・福祉施設の耐震診断、上限100万円)
耐震・防災確認済み
佐藤
明石市で、昭和50年代に建てた3階建ての福祉施設を運営しています。古い建物なので耐震診断を受けたいと思っているんですが、費用の補助を受けられる制度はありますか。
田中
あります。明石市の「多数のものが利用する施設の耐震診断の補助について」という制度で、正式名称は「明石市多数のものが利用する施設耐震診断助成事業」です。学校・病院・福祉施設のうち、一定規模以上で古い基準で建てられた建築物を対象に、耐震診断にかかる費用の一部を助成するものです。お話を伺った限り、建築時期・用途・規模の条件に当てはまる可能性が高いです。
佐藤
なぜ市がこの種の建物を優先して対象にしているんでしょうか。
田中
学校・病院・福祉施設は、一度に多くの人が利用し、かつ自力で避難することが難しい人も多く含まれる施設です。地震で倒壊すれば被害が大きくなりやすいため、まずは建物の耐震性を正確に把握してもらうことを市が後押ししています。この制度はあくまで「診断」の補助であり、診断の結果を踏まえて必要であれば改修を検討する、という位置づけです。
前年度8月中に連絡が必須、予算確保の保証はない
公式ページには「補助金を活用して耐震診断をされたい方は、前年度8月中に建築安全課へお知らせください」と明記されています。ただし同時に「当課へのご連絡時点で予算確保を約束するものではありません」とも記載されており、事前連絡はあくまで翌年度の予算要望のための手続きであって、連絡したからといって必ず補助が受けられるわけではありません。この記事の情報は公式ページの更新日である2026年9月9日時点のものです。申請を検討する場合は、診断を受けたい年度の前年度8月中に、必ず明石市都市局建築安全課(電話078-918-5046)へ連絡してください。

どんな制度か
佐藤
あらためて、この制度がどんな費用を対象にしているのか教えてください。
田中
対象になるのは耐震診断そのものにかかる費用です。改修工事の費用はこの制度の対象ではありません。明石市にはこの制度とは別に「住宅耐震改修工事費補助」という制度(住宅向け)もありますが、今回の制度は学校・病院・福祉施設といった、不特定多数または避難に配慮が必要な人が利用する施設の診断費用を対象にしている点が異なります。
制度の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 実施主体 | 明石市(都市局建築安全課) |
| 制度名 | 明石市多数のものが利用する施設耐震診断助成事業 |
| 対象建築物の建築時期 | 昭和56年(1981年)5月31日以前に建築確認を得て着工したもの |
| 対象建築物の用途 | 学校、病院又は福祉施設の用途に供するもの |
| 対象建築物の規模 | 階数が3以上であり、かつ延べ面積が1,000平方メートル以上のもの |
| 補助対象 | 耐震診断にかかる費用(改修工事費は対象外) |
| 補助率 | 補助対象費用の3分の2以内 |
| 補助上限額 | 建築物1棟につき100万円 |
| 申請期限 | 明確な締切の定めはないが、前年度8月中に建築安全課へ連絡する必要がある |
| 事前手続き | 診断を受けたい年度の前年度8月中に建築安全課へ連絡(予算確保の確約ではない) |
| 問い合わせ先 | 明石市都市局建築安全課、明石市中崎1丁目5-1(本庁舎7階)、電話078-918-5046 |
佐藤
「階数3以上かつ延べ面積1,000平方メートル以上」というのは、両方満たす必要があるんですね。
田中
そうです。公式ページの表現は「階数が3以上であり、かつ、延べ面積が1,000平方メートル以上のもの」なので、どちらか一方だけでは対象になりません。2階建ての福祉施設や、3階建てでも延べ面積が1,000平方メートルに満たない建物は、この制度の対象外になります。ご自身の建物の階数と延べ面積を、建築確認時の図面などで確認しておくとよいでしょう。
対象者・対象住宅・対象工事
佐藤
「学校・病院・福祉施設」という用途は、具体的にどんな建物を指しますか。
田中
公式ページには「学校、病院又は福祉施設の用途に供するもの」とだけ記載されており、個別の用途の細かい例示はありません。ご自身の建物がこの3つの用途のいずれかに該当するかどうか判断が難しい場合は、自己判断せずに明石市都市局建築安全課に直接確認することをおすすめします。建築確認時の用途区分と、現在の実際の使われ方が異なる場合もあるため、この点もあわせて相談しておくと安心です。
佐藤
建築時期の「昭和56年5月31日以前に建築確認を得て着工」というのは、なぜこの日付が基準になっているんですか。
田中
昭和56年(1981年)6月1日に建築基準法の耐震基準が大きく改正され、いわゆる「新耐震基準」が施行されました。それより前の基準(旧耐震基準)で建築確認を受けた建物は、新耐震基準の建物と比べて耐震性が低いことが多いとされています。そのため、この制度をはじめ多くの耐震関連の補助制度は、新耐震基準が施行される前に建築確認を得て着工した建物を対象にしています。
佐藤
対象はあくまで「診断」費用で、診断後の改修工事費は含まれないということですね。
田中
その理解で正しいです。この制度で補助されるのは、耐震診断そのものにかかる調査・計算等の費用です。診断の結果、耐震性が不足していることが分かり、改修工事を行う場合の工事費は、この耐震診断助成事業の対象外になります。改修工事側の補助制度が別に用意されているかどうかは、診断後に改めて建築安全課へ確認するのがよいでしょう。
補助額・補助率の計算方法
佐藤
補助額は具体的にどう計算されるんですか。
田中
公式ページの記載は「補助対象費用の3分の2以内の額で、建築物1棟につき100万円を限度とする」です。つまり、耐震診断にかかった費用のうち3分の2までが補助の対象になりますが、建築物1棟あたりの上限は100万円です。
佐藤
たとえば診断費用が150万円かかった場合、補助額はいくらになりますか。
田中
150万円の3分の2は100万円なので、ちょうど上限額の100万円まで補助を受けられる計算になります。診断費用がこれより高額になった場合でも、補助額は100万円が上限のままです。逆に診断費用が90万円であれば、3分の2の60万円が補助額になります。実際の算定方法や端数処理の細かい取り扱いは、交付要綱(PDF)に定めがあるため、申請時に建築安全課で確認してください。
申請前の注意点
佐藤
申請を検討する際に、特に気をつけるべき点は何ですか。
田中
最も重要なのは、診断を受けたい年度の前年度8月中に、明石市都市局建築安全課へ連絡することです。公式ページには「補助金を活用して耐震診断をされたい方は、前年度8月中に建築安全課へお知らせください」と明記されています。この制度は予算要望型の仕組みになっており、翌年度の予算を確保するために前年度のうちに希望者数を把握する必要があるためです。
佐藤
ただ、連絡すれば必ず補助を受けられるわけではないんですね。
田中
その点は注意が必要です。公式ページには「当課へのご連絡時点で予算確保を約束するものではありません」とはっきり書かれています。つまり事前連絡はあくまで翌年度予算の要望材料であり、市全体の予算状況によっては希望しても補助を受けられない可能性があります。できるだけ早めに連絡し、最新の状況を確認しながら進めることをおすすめします。
佐藤
建物が対象の条件に当てはまるかどうか、自分では判断が難しそうです。
田中
その場合も、まずは明石市都市局建築安全課へ電話で相談してください。建築確認を受けた時期の記録や、延べ面積・階数の資料を手元に用意しておくと、話がスムーズに進みます。交付要綱(PDF)や様式(ワード)も公式ページからダウンロードできるので、事前に目を通しておくと窓口での相談が具体的になります。
佐藤
耐震診断をお願いする業者から見積りをもらったら、そのまま契約してもいいんですか。
田中
いいえ、ここが最も間違えやすいポイントです。交付要綱第6条には「補助を受けようとする所有者等は、耐震診断者と耐震診断に係る契約を締結する前に、補助金交付申請書(様式第1号)に、次に掲げる書類を添えて市長に提出しなければならない」と明記されています。添付書類は、建築物の概要を記した書類、建築物の付近見取り図、建築物の配置図・平面図及び立面図、建築物の所有者が確認できる書類、建築物の確認通知書及び検査済証、耐震診断に要する費用の見積書の6点です。つまり、見積りを取った流れでそのまま契約を結んでしまうと、その時点でこの補助金の対象外になります。必ず「見積り→交付申請→市の審査・交付決定→契約・診断実施」という順番を守ってください。
佐藤
耐震診断は、どんな業者に頼んでも対象になるんですか。
田中
いいえ、誰でもよいわけではありません。交付要綱第2条(5)で「耐震診断者」は、建築士法第2条第1項に規定する建築士、その建築士が所属する同法第23条第1項の規定に基づき都道府県知事の登録を受けた建築士事務所、または建設業法第2条第3項に規定する建設業者のいずれかに限定されています。これ以外の無資格の業者に耐震診断を依頼した場合、この制度の対象として認められない可能性があります。業者を選ぶ段階で、建築士資格や建設業許可を持っているかどうかを確認しておくと安心です。
契約は交付決定のあとに。先に契約すると対象外になります
交付要綱第6条により、耐震診断者と耐震診断に係る契約を締結する前に、補助金交付申請書(様式第1号)に必要書類を添えて明石市長へ提出しなければなりません。見積りを取った勢いでそのまま業者と契約してしまうと、たとえ建物が対象条件を満たしていても補助の対象外になります。申請の順番は「見積り→交付申請→交付決定→契約→診断実施」です。
明石市多数のものが利用する施設耐震診断助成事業の申請の流れ
- 診断を受けたい年度の前年度8月中に、明石市都市局建築安全課へ連絡する
- 建築確認を得た時期・用途・階数・延べ面積が対象条件に当てはまるか確認する
- 耐震診断者(建築士法上の建築士、都道府県知事登録の建築士事務所、または建設業法上の建設業者のいずれか)を選定し、見積りを取る(この時点ではまだ契約しない)
- 耐震診断者と契約を締結する前に、必要書類をそろえて補助金交付申請書(様式第1号)を市長へ提出する
- 市の審査・交付決定を受けてから耐震診断者と契約を締結し、耐震診断を実施する
- 完了後、実績報告書と必要書類を提出し、補助金を受け取る
他制度との併用・使いどころ
佐藤
明石市には他にも耐震関連の補助制度がありますよね。
田中
はい。明石市には[住宅耐震改修工事費補助(住宅耐震化促進事業)](/program/68)という、戸建住宅など住宅向けの耐震改修工事費を補助する制度があります。また、吹付けアスベストが絡む建物であれば[吹付けアスベスト除去等補助](/program/130)という別の制度もあります。今回の「多数のものが利用する施設耐震診断助成事業」は、学校・病院・福祉施設という不特定多数または避難に配慮が必要な人が利用する施設の、耐震診断費用に特化した制度である点が大きく異なります。対象となる建物の用途や、補助の対象が診断なのか改修工事なのかをしっかり区別して、自分の建物にはどの制度が当てはまるかを整理するとよいでしょう。
佐藤
複数の制度を同時に使うことはできますか。
田中
今回の制度の公式ページには、他の補助金との併用に関する明確な記載はありません。耐震診断と吹付けアスベストの調査のように対象費用が重ならないのであれば、別々の制度として申請できる可能性がありますが、同一の費用に複数の補助を重ねて受けられるかどうかは制度ごとに取り扱いが異なります。複数の制度を検討している場合は、必ず事前に明石市都市局建築安全課へ内容を伝え、取り扱いを確認してください。
佐藤
最後に、この制度を検討している方へアドバイスをお願いします。
田中
まず、ご自身の建物が「昭和56年5月31日以前に建築確認を得て着工」「学校・病院・福祉施設の用途」「階数3以上かつ延べ面積1,000平方メートル以上」の3条件をすべて満たしているかを確認してください。満たしていそうであれば、診断を受けたい年度の前年度8月中に、明石市都市局建築安全課へ早めに連絡することが何より重要です。補助率は3分の2以内、上限は1棟あたり100万円とまとまった額になりますが、事前連絡が予算確保の確約ではない点は必ず理解したうえで準備を進めてください。
公式情報
- 明石市:多数のものが利用する施設の耐震診断の補助について(公式ページ)
- 明石市多数のものが利用する施設耐震診断補助金交付要綱(PDF)
- 要綱に定める様式(ワード)
- 問い合わせ先: 明石市都市局建築安全課、明石市中崎1丁目5-1(本庁舎7階)、電話078-918-5046