北海道 札幌市
居住サポート住宅認定制度について(札幌市)
住宅確保要配慮者支援確認済み
佐藤
札幌市で賃貸アパートを1棟所有しています。高齢の入居者さんの見守りをどうするか悩んでいたところ、「居住サポート住宅」という認定制度があると聞きました。これはうちのアパートが補助金をもらえる制度なんでしょうか。
田中
結論からいうと、この制度そのものは補助金の交付制度ではありません。「居住サポート住宅認定制度」は、賃貸住宅の所有者(賃貸人)が居住支援法人等と連携して、安否確認・見守り・福祉サービスへのつなぎといった「居住サポート」を行う住宅であることを、札幌市長(認定主体である市区町村長等)が認定する制度です。お金が直接振り込まれる仕組みではなく、住宅と支援体制が一定の基準を満たしていることを公的にお墨付きする「認定」の制度だと理解してください。
この制度自体に補助金の定めはありません
札幌市の公式ページを確認しましたが、「居住サポート住宅認定制度について」のページ自体には金額の補助や手数料の記載はありません。認定を受けることで「補助制度等の利用ができる場合があります」と案内されているだけで、実際にお金を受け取れるかどうかは、別途existing制度(たとえば後述のセーフティネット住宅入居支援事業補助制度)の要件を満たすかどうかによります。「認定を受ければ自動的に補助金がもらえる」と誤解しないよう注意してください。

どんな制度か
佐藤
そもそも「居住サポート住宅」とはどんな住宅のことですか。
田中
札幌市の公式ページには「居住サポート住宅とは、居住支援法人等と賃貸人が連携し、入居中の居住サポート(安否確認・見守り・福祉サービスへのつなぎ等)を行う住宅です」と説明されています。高齢者や障害者など、賃貸住宅を借りにくいとされる「住宅確保要配慮者」が、入居後も安心して住み続けられるよう、大家さんと福祉の専門機関が連携して見守る仕組みを持った住宅、というイメージです。
佐藤
「認定制度」というのは、具体的に何を認定するんですか。
田中
公式ページの説明を引くと「居住サポート住宅の認定制度は、居住安定援助賃貸住宅事業に関する計画(居住安定援助計画)を、認定主体である市区町村長等が認定する制度」です。つまり、賃貸住宅そのものというより、「この住宅でこういう居住サポートを行います」という事業計画を、市区町村長が審査して認定する仕組みです。令和6年6月に住宅確保要配慮者に対する居住支援に関する法律等の改正法が公布され、この認定制度が新たに創設されました。
認定を申請できるのは誰か
佐藤
認定を申請できるのは、私のようなアパートの所有者でしょうか、それとも福祉の団体でしょうか。
田中
公式ページのページ構成を見ると、このページ自体が「事業者むけ」のページとして案内されており、認定は住宅の所有者(賃貸人)が居住支援法人等と連携して申請する事業として位置づけられています。個人の入居者(部屋を借りる側)が自分で申請する制度ではなく、賃貸住宅を貸し出す側の事業者(大家さん・賃貸住宅の所有者や管理者)が、見守りなどの居住サポートを担う居住支援法人等と体制を組んだうえで申請する認定です。
制度の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 制度名 | 居住サポート住宅認定制度(居住安定援助計画の認定) |
| 実施主体 | 札幌市(認定主体は市区町村長等) |
| 分類 | 住宅確保要配慮者向け支援(認定制度、金銭補助を伴う制度ではない) |
| 申請できる人 | 賃貸住宅の所有者(賃貸人)が居住支援法人等と連携して申請する事業者向けの認定 |
| 認定されるもの | 居住安定援助賃貸住宅事業に関する計画(居住安定援助計画) |
| 主な認定基準 | 事業者・計画の基準/居住サポート(ソフト)の基準/住宅(ハード)の基準 |
| 申請方法 | 居住サポート住宅情報提供システムからの電子申請が原則 |
| 補助金の有無 | この認定制度自体には補助金・手数料の定めなし(認定後に別の補助制度が使える場合あり) |
| 問い合わせ(住宅基準) | 札幌市都市局市街地整備部住宅課(電話011-211-2807) |
| 問い合わせ(居住サポート基準) | 札幌市保健福祉局総務部総務課(電話011-211-2647) |
| 問い合わせ(システム登録) | 一般社団法人すまいづくりまちづくりセンター連合会(電話03-5229-7578) |
認定基準の中身
佐藤
認定を受けるには、どんな基準を満たす必要がありますか。
田中
公式ページでは基準が大きく3種類に整理されています。1つ目は「事業者・計画に関する主な基準」で、事業者が欠格要件に該当しないこと、入居を受け入れる住宅確保要配慮者の範囲を定める場合に要配慮者の入居を不当に制限しないこと、安否確認・見守り・福祉サービスへのつなぎの3つの居住サポートが必要な要配慮者等に限定した「専用住宅」を1戸以上設けることが求められます。2つ目は「居住サポートに関する主な基準」で、援助が必要な方に対する安否確認・見守り・福祉サービスへのつなぎを行うこと、そして居住サポートの対価が内容や頻度に照らして不当に高額にならない金額であることが基準になっています。
佐藤
3つ目の「住宅(ハード)に関する基準」はどんな内容ですか。
田中
床面積が一定の規模以上であること(新築は25平方メートル以上、既存住宅は18平方メートル以上等)、耐震性を有すること(耐震性を確保する見込みがある場合を含む)、台所・便所・浴室等の一定の設備を設置していること、そして家賃が近傍同種の住宅と均衡を失しないこと、の4点です。なお公式ページには「札幌市では賃貸住宅供給促進計画を定めていないので、基準の強化や緩和はありません」という注記もあります。つまり札幌市独自の上乗せ基準は無く、国が定める標準的な認定基準がそのまま適用される、ということです。
補助額・補助率について
佐藤
先ほど「補助金の定めはない」とおっしゃっていましたが、認定を受けても一切お金の支援はないのでしょうか。
田中
この認定制度そのものに補助額・補助率の定めはありません。公式ページの「登録のメリット」欄にも「居住サポート住宅として登録することで、補助制度等の利用ができる場合があります」とだけ書かれており、具体的な金額はこのページには出てきません。実際にいくら補助が受けられるかは、認定後に利用する別の補助制度の要件・上限額によって決まります。この記事では、この認定制度自体の金額欄(補助上限額など)は「該当なし」として扱い、実際の金額は次に説明する関連制度のページで確認してください。
既存の家賃債務保証料等補助制度との関係
佐藤
さきほど「補助制度等の利用ができる場合がある」とありましたが、具体的にはどの制度と関係しているんですか。
田中
札幌市には別に[セーフティネット住宅入居支援事業補助制度](/program/77)があります。この制度は、住宅確保要配慮者向けの住宅に入居する際に発生する初回の家賃債務保証料や孤独死・残置物保険料などの一部を、最大3万円から6万円まで札幌市が補助するものです。居住サポート住宅認定制度の公式ページには「家賃債務保証を利用して居住サポート住宅等に入居する場合などの入居の際に支払う初回の家賃債務保証料等を最大3〜6万円まで札幌市が申請者、家賃債務保証会社等に補助します」と説明されており、居住サポート住宅として認定された住宅に入居する際にこの補助制度の対象になり得る、という関係です。
佐藤
つまり、2つの制度は別物なんですね。
田中
そのとおりです。居住サポート住宅認定制度は「大家さんが居住支援法人等と連携して、見守り等の体制を整えた住宅であることを市区町村長が認定する制度」で、お金は動きません。セーフティネット住宅入居支援事業補助制度は「その認定された住宅(等)に入居する際に発生する家賃債務保証料等を、市が最大3万円から6万円補助する制度」で、こちらは実際にお金が動く補助制度です。認定は補助を受けるための前提条件の1つになり得る、という順序で理解しておくと整理しやすいと思います。
申請手続きの流れ
佐藤
実際に認定を申請する場合、どんな流れになりますか。
田中
公式ページによると「居住サポート住宅の認定手続きは、原則、『居住サポート住宅情報提供システム』から電子申請を行ってください」とされています。手順は大きく4段階です。まず登録申請書や添付書類、変更届出書等を、原則このシステム上から電子データで提出します。次に、システムで申請後、札幌市内の物件については札幌市が審査を行い、提出書類が認定基準を満たしているかを確認します。不備があればシステム上で差し戻され、修正を依頼される流れです。審査が終了して認定されると、認定通知メールがシステムから送信され、認定通知書をシステム上で確認できます。最後に、認定された住宅の情報は居住サポート住宅情報提供システムに掲載され、情報提供が行われます。
- 住宅の所有者(賃貸人)が居住支援法人等と連携し、居住サポート体制を整える
- 住宅(ハード)の基準(床面積・耐震性・設備・家賃の均衡)を満たしているか確認する
- 居住サポート住宅情報提供システムから登録申請書・添付書類を電子データで提出する
- 札幌市が認定基準への適合を審査する(不備があればシステム上で差し戻し)
- 認定されると認定通知書が発行され、住宅情報がシステムに掲載される
佐藤
認定を受けたあとに、やることはありますか。
田中
あります。認定の内容に変更がある場合は速やかにシステムから変更申請を行う必要があり、計画の変更、認定事業者の地位の承継、目的外使用、廃止手続きといった項目が定められています。また、認定事業者は認定された計画ごとに年度単位の状況を、毎年6月30日までに報告することが求められます。認定を取ったら終わりではなく、その後も継続的な報告義務がある点は覚えておいてください。
申請前に注意すること
申請窓口が基準ごとに分かれています
この制度は、住宅(ハード)基準の窓口と居住サポート(ソフト)基準の窓口が異なります。住宅の基準については札幌市都市局市街地整備部住宅課(電話011-211-2807)、居住サポートの基準については札幌市保健福祉局総務部総務課(電話011-211-2647)が担当です。電子申請システムの登録方法自体については、札幌市ではなく国の委託を受けた一般社団法人すまいづくりまちづくりセンター連合会(電話03-5229-7578)が窓口になります。問い合わせる前に、自分が確認したい内容がどの窓口の担当かを整理しておくと手戻りが少なくなります。
佐藤
私のように個人で小さなアパートを持っている場合でも申請できますか。
田中
公式ページには物件規模による制限は明記されていませんが、「専用住宅(入居者を安否確認・見守り・福祉サービスへのつなぎの3つの居住サポートが必要な要配慮者等に限定)を1戸以上設けること」が事業者・計画に関する基準の1つとされています。少なくとも1戸をこの専用住宅に充てる必要がある、という条件は個人所有の小規模な賃貸住宅でも変わりません。実際に申請できるかどうかの細かい判断は、まず住宅課(電話011-211-2807)に相談することをおすすめします。
他制度との併用・使いどころ
佐藤
見守り体制を整えるだけでも手間がかかりそうですが、認定を取るメリットはどこにあるんでしょうか。
田中
大きく2つあります。1つは、さきほど説明したセーフティネット住宅入居支援事業補助制度のような関連の補助制度を利用できる可能性が生まれることです。もう1つは、居住サポート住宅情報提供システムに住宅情報が掲載されることで、見守り等の支援体制がある住宅として、住宅確保要配慮者やその支援者に見つけてもらいやすくなることです。高齢の入居者の安否確認をどう仕組み化するか悩んでいる大家さんにとっては、居住支援法人等との連携を制度として整理し、対外的に示せる材料になります。
佐藤
逆に、この認定を取らなくても、セーフティネット住宅入居支援事業補助制度は使えるんですか。
田中
公式ページの記載からは、セーフティネット住宅入居支援事業補助制度は登録セーフティネット住宅や相当住宅への入居も対象にしており、居住サポート住宅としての認定が唯一の入り口というわけではなさそうです。ただし、居住サポート住宅として認定されることで、その入居に伴う費用がこの補助制度の対象になり得ると案内されているので、見守り機能を売りにした賃貸経営を考えている場合は、認定を取ることでこの補助制度との組み合わせがしやすくなると考えてよいでしょう。詳しい適用関係は、申請前に必ず住宅課に確認してください。
公式情報・相談先
制度の詳細な認定基準、電子申請の方法、福祉サービスのつなぎ先一覧、運用基準の詳細は札幌市の公式ページで確認できます。
- 居住サポート住宅認定制度について | 札幌市
- 居住サポート住宅情報提供システム
- 問い合わせ(住宅基準): 札幌市都市局市街地整備部住宅課(電話011-211-2807)
- 問い合わせ(居住サポート基準): 札幌市保健福祉局総務部総務課(電話011-211-2647)
- 問い合わせ(システム登録方法): 一般社団法人すまいづくりまちづくりセンター連合会(電話03-5229-7578)
佐藤
よく分かりました。まずは住宅課に電話して、うちのアパートが基準を満たせそうか相談してみます。
田中
それが確実です。認定はお金が直接もらえる制度ではありませんが、居住サポート体制を整えたうえで認定を受けておくと、[セーフティネット住宅入居支援事業補助制度](/program/77)のような関連の補助制度につなげやすくなります。住宅(ハード)の基準と居住サポート(ソフト)の基準、両方の窓口に早めに相談しておくとよいと思います。