大阪府 東大阪市

介護保険住宅改修費の支給(東大阪市)

佐藤
東大阪市に住む母が要介護2の認定を受けていて、浴室に手すりを付けたり、部屋の段差をなくしたりする工事を考えています。介護保険で使える住宅改修の制度はありますか?
田中
あります。東大阪市の「介護保険住宅改修費の支給」という制度です。要介護または要支援の認定を受けている方が、手すりの取り付けや段差の解消などの小規模な住宅改修をしたときに、20万円を上限として住宅改修費の保険相当額分が支給される仕組みです。お母様のように要介護2の認定があれば、対象者の要件は満たしています。ただし、これは介護保険制度に基づく給付なので、必ず工事の前に給付管理課へ事前協議の書類を提出する必要があります。
事前協議のない住宅改修は支給対象外です

公式ページには「住宅改修の内容が介護保険の支給対象であるかどうか事前に協議を行いますので、必ず改修前に必要な書類を給付管理課へ提出してください。事前協議のない住宅改修の費用は支給できません」と明記されています。見積もりを取っただけの段階で契約や着工をせず、先に東大阪市福祉部高齢介護室給付管理課へ事前協議書類を提出してください。

東大阪市介護保険住宅改修費の支給の申請の流れ
事前協議から支給決定までの5ステップ

どんな制度か

「介護保険住宅改修費の支給」は、介護保険の要介護・要支援認定を受けている方が、手すりの取り付けや段差の解消といった小規模な住宅改修をしたときに、費用の一部を介護保険から給付する制度です。申請の受付や審査は東大阪市福祉部高齢介護室給付管理課が担当します。厚生労働大臣が定める住宅改修の種類に当てはまり、被保険者の心身の状態や住宅の状況等を総合的に判断して市が必要と認めた場合に限り支給されるため、対象になるかどうかは工事内容ごとに事前協議で確認する必要があります。介護保険住宅改修は介護保険居宅サービスの1つと位置づけられており、担当のケアマネジャー(介護支援専門員)や医療・保健・福祉の専門職と連携しながら、福祉用具の購入・貸与など他のサービスも含めて検討することが案内されています。

なお、東大阪市には障害者手帳(身体障害者手帳1級・2級または療育手帳A)を持つ重度障害者向けの[重度身体障害者等住宅改造費助成事業](/program/122)という別制度もありますが、これは障害者福祉に基づく助成であり、介護保険の要介護・要支援認定を根拠とするこの制度とは法的根拠も対象者も異なります。どちらの制度も利用できる工事の場合は、後述のとおり介護保険の住宅改修費を優先して使う扱いになります。

制度の基本情報
項目内容
制度名介護保険住宅改修費の支給
実施主体東大阪市(福祉部高齢介護室給付管理課)
分類高齢者住宅改修(介護保険制度に基づく住宅改修費支給)
対象者介護保険の要介護・要支援認定を受けている方(工事期間が認定の有効期間内であること)
支給限度基準額同一の住宅で20万円を上限(保険相当額分)。20万円以内なら複数回に分けて申請可能
自己負担割合1割・2割・3割のいずれか(介護保険負担割合証で確認、保険給付は9割・8割・7割)
支給方式償還払い、または受領委任払い(市に登録のある施工事業者が工事する場合のみ選択可)
申請時期工事着工前に事前協議が必須(事前協議のない住宅改修の費用は支給不可)
問い合わせ東大阪市福祉部高齢介護室給付管理課(電話06-4309-3186、ファクス06-4309-3814、窓口受付時間は午前9時00分から11時30分、午後0時45分から17時00分)

対象になる人・対象になる住宅

佐藤
対象者の条件をもう少し詳しく教えてください。要介護認定の申請中でも使えますか?
田中
公式の手引きでは、対象者は「介護保険の要介護(支援)認定を受けている方」で、工事期間が要介護(要支援)認定の有効期間内であることが必要とされています。認定の申請中でも事前協議を行うことはできますが、工事後の支給申請は認定結果が出た後でなければできません。なお、審査の結果が非該当となった場合は支給対象外となり、改修費は全額自己負担になります。もう1つの条件として、介護保険被保険者証に記載されている住所に現に居住し、そこが主となる生活拠点であることも求められます。居住する前の住宅は対象外なので、転居に伴う改修は実際に住んでから事前協議を行う必要があります。
佐藤
入院中や施設入所中の場合はどうなりますか?
田中
入院・入所中の場合は、退院・退所の予定日が決まっている場合に限り、事前協議を行うことができます。ただし工事後の支給申請は退院・退所後でなければできず、結局退院・退所をしなかった場合は支給申請自体ができません。また、対象になる住宅は持家・借家を問いませんが、新築・増改築(大規模なリフォームや新たに居室を設ける場合等)は対象外です。事前協議にあたっては、ケアマネジャー等や施工事業者とともに現地で被保険者本人の動作の確認等を行うことも条件とされています。

対象になる工事・対象外の工事

佐藤
具体的にどんな工事が対象になりますか?
田中
厚生労働大臣が定める住宅改修の種類として、大きく6つに整理されています。(1)廊下・便所・浴室・玄関などに設置する手すりの取り付け、(2)居室や廊下、玄関から道路までの通路等の段差・傾斜を解消するための段差の解消(敷居を低くする工事やスロープの設置、浴室の床のかさ上げ等)、(3)畳敷きから板製床材への変更など滑りの防止や移動の円滑化のための床材の変更、(4)開き戸から引き戸・折れ戸への扉の取替え、(5)和式便器から洋式便器への取替え、(6)これら1から5の改修に付帯して必要となる工事(手すり取り付けのための壁の下地補強や、扉の取替えに伴う壁・柱の改修工事など)です。福祉用具貸与でレンタルできる手すりやスロープ、福祉用具購入で買える腰掛便座などは、この制度の対象からは除かれます。
佐藤
逆に対象にならない工事もありますか?
田中
あります。新築・増改築や大規模なリフォームは対象外です。老朽化や物理的・化学的に摩耗消耗した部分を直すだけの工事も対象になりません。また、日常生活を営むのに必要な動線・動作以外を目的とした改修、たとえば趣味嗜好や仏壇へのお参り、庭のお手入れ、仕事、リハビリを目的とした改修も対象外です。工事を行ったにもかかわらず被保険者本人が改修箇所を利用しなかった場合(在宅復帰のために入院・入所中に工事したが状況が変わり退院・退所できなくなった等)も、その改修箇所については支給対象外になります。申請前には、たとえば階段に手すりを付けて2階に上がる理由が「荷物を取りに行くため」であれば、荷物を1階に移すなどの代替措置を検討するよう案内されています。

補助額・補助率

佐藤
支給額の上限や自己負担の割合を教えてください。
田中
同一の住宅で20万円を上限に、保険相当額分が支給されます。自己負担割合は介護保険負担割合証に記載された1割・2割・3割のいずれかで、保険給付はその残りの9割・8割・7割です。負担割合は工事代金の支払日、つまり領収証の領収日時点のものが適用されるため、年度途中で負担割合が変わる場合は特に確認が必要です。20万円以内であれば複数回に分けて申請することもできます。公式の手引きには具体例が示されていて、自己負担1割の方が初回に15万円の住宅改修を行った場合、自己負担は1万5千円、保険給付は13万5千円で、残額の5万円は同じ住宅で別の改修に使えます。
佐藤
一度使い切ったらもう利用できないんですか?
田中
原則としてはそのとおりですが、2つの例外があります。1つは転居した場合で、転居後は改めて20万円までの住宅改修が可能になります(転居リセット)。もう1つは要介護状態区分が一定以上重くなった場合で、たとえば要支援1の方が要介護3・4・5になったときのように、区分が3段階以上上がったときは1回に限り改めて20万円までの住宅改修が可能になります(3段階リセット)。支給方式は「償還払い」と「受領委任払い」のどちらかを選びます。償還払いは被保険者が工事費用を一旦全額(10割)負担し、後から市が保険給付分を被保険者の口座に支給する方法です。受領委任払いは被保険者が自己負担額だけを支払い、残りの保険給付分は市から施工事業者に直接支払われる方法ですが、市に登録のある施工事業者が工事を行う場合しか選べません。登録事業者名簿に載っていない事業者に依頼する場合は、償還払いのみになります。なお、介護保険で給付制限を受けている方は受領委任払いを選べないので、被保険者証で給付制限の有無を確認する必要があります。

申請前に注意すること

訪問調査への立ち会いが必要になる場合があります

国の指針に基づき、リハビリテーション専門職による訪問調査等が行われることがあります。被保険者本人、理由書作成者、施工事業者の立ち会いのもとで実施されるため、日程調整が必要です。調査当日に被保険者本人の動作確認ができない場合は、原則として着工が認められないので注意してください。

佐藤
申請にはどんな書類が必要ですか?
田中
事前協議の段階では、介護保険住宅改修事前協議書、住宅改修事前協議回答連絡票、住宅改修が必要な理由書(ケアマネジャー等または市の理由書作成者登録を受けている方が記入)、住宅の所有者の承諾書(所有者が本人や配偶者でない場合)、介護保険住宅改修施工計画書、工事の内訳がわかる見積書、改修前の日付入り写真、の6種類の提出が求められます。工事後の支給申請では、償還払いの場合は支給申請書・工事費内訳書・改修後の状態が確認できる写真・領収証(原本)など、受領委任払いの場合はそれに加えて申請書の様式が異なります。書類の様式はいずれも東大阪市のウェブサイトからダウンロードでき、事前協議・支給申請ともに東大阪市電子申請システムを使ったオンライン申請にも対応しています。

申請から支給までの流れ

  1. ケアマネジャー等に相談し、必要な工事内容を整理して見積もりを取る
  2. 工事着工前に、事前協議書類一式を給付管理課(本庁9階2番窓口、郵送も可)へ提出する
  3. 必要に応じてリハビリ専門職による訪問調査を受け、事前協議の回答を確認する
  4. 回答内容に沿って施工事業者と契約し、工事を実施する
  5. 工事完了後、支給申請書類・領収証等を提出し、償還払いなら口座振込、受領委任払いなら施工事業者への直接支払いで保険給付分を受け取る
佐藤
申請を取り下げたい場合はどうすればいいですか?
田中
事前協議または支給申請を取り下げる場合は、介護保険住宅改修費取下届を提出します。また、事前協議した内容の一部を変更したり取りやめたりする場合は軽微な変更届出書を提出しますが、その前にまず給付管理課へ相談するよう案内されています。窓口では書類審査を行っていないため、持参する場合も内容の確認はできません。疑問点があれば、提出前に電話(06-4309-3186)で確認しておくと手戻りが少なくなります。

他制度との併用・使いどころ

佐藤
さきほどの重度身体障害者等住宅改造費助成事業と両方使える場合はどうなりますか?
田中
対象者が要介護・要支援認定と障害者手帳の両方の要件を満たす場合、まずこの介護保険住宅改修費を優先して使い、20万円の支給限度基準額を超える工事費の部分について、[重度身体障害者等住宅改造費助成事業](/program/122)の対象にする、という関係になります。介護保険の給付枠を温存したまま障害者向けの助成だけを単独利用することはできません。根拠となる法律が介護保険法か障害者福祉かで異なる制度なので、まずはケアマネジャーや給付管理課に相談し、自分がどちらの制度から検討すべきか整理してから見積もりを固めるのが確実です。

公式情報・相談先

制度の詳細、支給限度基準額の考え方、事前協議書類・支給申請書類の様式、登録事業者名簿は東大阪市の公式ページで確認できます。

佐藤
よく分かりました。まずはケアマネジャーに相談して、事前協議の書類を揃えてから給付管理課に提出してみます。
田中
それが確実です。事前協議のない住宅改修は支給対象外になってしまうので、見積もりが決まっても契約や着工の前に、必ず給付管理課へ相談することをおすすめします。
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