大阪府 東大阪市

分譲マンション耐震の補助金(東大阪市)

佐藤
東大阪市のホームページに「分譲マンション耐震の補助金」というページがあるんですが、これはうちのような分譲マンションでも使える制度ですか。
田中
はい、使える可能性があります。この制度は東大阪市が、一定の要件を満たす分譲マンションの耐震化に対して費用の一部を補助する制度です。公式ページにも「市では、一定の要件を満たす分譲マンションの耐震化に対し、費用の一部を補助しています」と案内されています。ただし対象はあくまで分譲マンションのような共同住宅であり、一戸建ての木造住宅は対象外です。東大阪市には木造の戸建て住宅向けに別の「耐震化促進補助金」がありますが、それとは対象も要綱も別物なので、混同しないよう気をつけてください。
佐藤
マンションなら何でも対象になるわけではないんですね。
田中
そうです。公式ページには対象建物の条件が細かく書かれていて、「分譲マンション(非木造の共同住宅で2以上の区分所有者が存する建物)」「耐火建築物又は準耐火建築物」「延べ面積が1,000平方メートル以上であり、かつ、地階を除く階数が3以上のもの」「検査済証の交付を受けたもの」という4つの条件をすべて満たす必要があります。区分所有者が1人だけのマンションや、木造の共同住宅は対象外ということになります。
工事より前に、まずは診断着手前の相談が必須です

公式ページには「必ず、事前に申請が必要ですので、耐震診断着手前に、お気軽にお問合せください」と明記されています。さらに補助申込みの案内でも「必ず工事着手前に当課へご相談ください」「すでに着手されているまたは完了している場合は、補助金の交付はできません」とはっきり書かれています。管理組合の総会で工事を決議する前に、まず建築安全課へ相談することが大前提です。

東大阪市 分譲マンション耐震の補助金の流れ
対象確認、事前相談、耐震診断、設計・改修、完了報告の5ステップ

どんな制度か

佐藤
あらためて、この制度の全体像を教えてください。
田中
正式には「分譲マンション耐震の補助金」という名称で、東大阪市建築部建築指導室建築安全課が窓口になっています。対象になるのは、昭和56年5月31日以前に原則として建築確認を受けて建てられた分譲マンションです。この年代の建物は、現在の耐震基準(いわゆる新耐震基準)ができる前の基準で建てられているため、耐震診断・耐震設計・耐震改修工事のそれぞれの段階で、市が費用の一部を補助してくれます。
佐藤
診断・設計・改修の3段階、それぞれに補助があるということですか。
田中
そのとおりです。公式ページは「耐震診断の補助」「耐震設計の補助」「耐震改修の補助」の3つの見出しに分かれていて、それぞれ申請できるタイミングと補助額の計算方法が異なります。まず耐震診断を受けて建物の耐震性を確認し、診断の結果によっては耐震設計、さらに耐震改修工事へと進む、という順序で利用する制度です。
佐藤
補助を受けられるのは誰になるんですか、個人の区分所有者が申請するんですか。
田中
いいえ、補助対象者は「マンション管理組合」です。個々の区分所有者が単独で申請する制度ではなく、マンション全体を管理する管理組合が申請主体になります。したがって実際に利用するには、管理組合の総会などで耐震診断や改修工事の実施を決議したうえで、管理組合として市に申請する流れになります。

対象者・対象住宅・対象工事

佐藤
対象建物の条件を、もう少し具体的に整理してもらえますか。
田中
公式ページには4つの条件が列挙されています。「分譲マンション(非木造の共同住宅で2以上の区分所有者が存する建物)」「耐火建築物又は準耐火建築物」「延べ面積が1,000平方メートル以上であり、かつ、地階を除く階数が3以上のもの」「検査済証の交付を受けたもの」の4点です。加えて、備考として「ただし、店舗等を兼ねる住宅については、床面積の2分の1以上を住宅の用途に使用しているものに限る」とも書かれています。1階に店舗が入っているようなマンションでも、床面積の半分以上が住宅として使われていれば対象になり得るということです。
佐藤
建築時期の条件はどうなっていますか。
田中
「昭和56年5月31日以前に原則として建築確認を受けて建てられたもの」とされています。これは1981年に施行された新耐震基準より前の基準(旧耐震基準)で設計された建物を指すもので、多くの自治体の耐震補助制度に共通する年代区分です。マンションの建築確認日は、管理組合の書類や竣工図で確認できることが多いので、事前相談の際に建築安全課に確認してもらうとよいでしょう。
佐藤
耐震設計や耐震改修の補助を受けるには、それぞれ追加の条件があるんですか。
田中
あります。耐震設計の補助を受けるには、「耐震診断の結果、地震の震動及び衝撃に対して倒壊し、又は崩壊する危険性がある又は高いと判断された分譲マンション」について、「地震に対して安全な構造であると判断できる評価区分まで耐震性を高める設計」であり、「第三者評価による耐震改修の計画の評価・判定を受けたもの」であることが条件です。つまり診断で危険性が指摘され、なおかつ設計内容について第三者評価を受ける必要があります。耐震改修の補助についても、「建築物の耐震改修の促進に関する法律第17条第3項の規定に基づく建築物の耐震改修の計画の認定又は第三者評価による耐震改修の計画の評価・判定を受けたものであること」に加えて、「大規模災害時に徒歩帰宅者等に対し支援を行うものであること」という条件が付いています。改修後のマンションが、災害時に帰宅困難者への支援拠点としての役割も担うことが前提になっているわけです。
制度の基本情報
項目内容
自治体大阪府 東大阪市
制度名分譲マンション耐震の補助金
対象建物分譲マンション(非木造の共同住宅で2以上の区分所有者が存する建物)、耐火/準耐火建築物、延べ面積1000平方メートル以上かつ地階を除く階数3以上、検査済証あり
建築時期昭和56年5月31日以前に原則として建築確認を受けて建てられたもの
対象者マンション管理組合(個々の区分所有者単独では申請不可)
耐震診断の補助額1戸あたり2.5万円、診断費用の2分の1、1棟あたり100万円のいずれか低い額
耐震設計の補助額設計費用(第三者評価費用含む)の3分の2、1棟あたり300万円のいずれか低い額
耐震改修の補助額改修工事費用の3分の1、1棟あたり3000万円のいずれか低い額
申請タイミング耐震診断着手前・工事着手前に事前相談(着手済み・完了済みは対象外)
受付期間の目安原則4月1日から12月上旬まで、予算額に達した場合は受付終了(先着順)
完了報告期限当該申請年度の3月15日まで
問い合わせ窓口東大阪市建築部建築指導室建築安全課 電話06(4309)3245 ファクス06(4309)3829

補助額・補助率

佐藤
まず耐震診断の補助額から教えてください。
田中
公式ページには「補助金の額は、以下で(1),(2),(3)のうちいずれか低い額とする」として、3つの計算方法が示されています。(1)は「1戸当たり25,000円として計算した額」、つまり戸数×2.5万円です。(2)は「耐震診断にかかった費用(補修費、修繕費を除き、面積1,000平方メートル以内の部分は1平方メートルあたり3,670円以内、面積1,000平方メートルを超えて2,000平方メートル以内の部分は1平方メートルあたり1,570円以内、面積2,000平方メートルを超える部分は1平方メートルあたり1,050円以内の額)の2分の1として算出した額」です。面積が広くなるほど1平方メートルあたりの単価上限が下がっていく仕組みになっています。(3)は「1棟あたり100万円」という上限額です。この3つを比較して、最も低い額が実際の補助額になります。
佐藤
耐震設計の補助額はどう計算しますか。
田中
こちらは2つの計算方法のうち低い額です。(1)は「耐震改修設計に要する費用(第三者評価による耐震改修設計に対する評価に要する費用を含む。)の3分の2」で、ただし面積区分ごとに1平方メートルあたりの単価上限(1000平方メートル以内は3670円、1000〜2000平方メートルは1570円、2000平方メートル超は1050円)が定められています。(2)は「一棟当たり3,000,000円」、つまり300万円が上限です。
佐藤
一番気になる耐震改修工事の補助額はどうですか。
田中
耐震改修工事も2つの計算方法のうち低い額です。(1)は「耐震改修工事に要した費用の3分の1」ですが、単価に上限があります。公式ページには「耐震改修工事に要した費用は1平方メートルあたり50,200円以内(Isの値が0.3未満相当の場合は1平方メートルあたり55,200円以内(免震工法等を含む特殊な工法による場合は、1平方メートルあたり83,800円以内))で計算した額を限度とする」とあります。Is値というのは構造耐震指標のことで、この値が低い(倒壊の危険性が高い)ほど単価上限が引き上げられ、免震工法のような特殊な工法を使うとさらに単価上限が上がる仕組みです。(2)は「一棟当たり30,000,000円」、つまり3000万円が上限になります。
佐藤
診断・設計・改修を合計すると、かなりの額になりそうですね。
田中
そうですね。診断で最大100万円、設計で最大300万円、改修で最大3000万円と、それぞれ別枠の上限があります。ただし実際の受給額は、戸数や延べ床面積、実際にかかった費用によって(1)(2)(3)の計算式のうち一番低い額に決まる仕組みなので、上限額どおりに受給できるとは限りません。具体的な見込み額は、事前相談の際に建築安全課に建物の規模や見積りを示して確認するのが確実です。

申請前の注意点

佐藤
手続きで一番気をつけるべきポイントは何ですか。
田中
診断も設計も改修も、すべて「着手前の事前相談・申請」が絶対条件です。公式ページには「必ず、事前に申請が必要ですので、耐震診断着手前に、お気軽にお問合せください」とあり、補助申込みの項目でも「申請をお考えの方は、必ず工事着手前に当課へご相談ください」「(すでに着手されているまたは完了している場合は、補助金の交付はできません。)」と重ねて注意喚起されています。管理組合の総会で「まず業者に見積りを取ろう」という段階までは問題ありませんが、実際に耐震診断の契約や工事の契約を結ぶ前には、必ず建築安全課への相談を済ませてください。
佐藤
耐震設計や耐震改修の補助を受けるには、第三者評価が必要という話でしたが、これも申請前に済ませておくものですか。
田中
はい。耐震設計の補助対象になるには「第三者評価による耐震改修の計画の評価・判定を受けたもの」であることが条件ですし、耐震改修の補助対象になるにも「建築物の耐震改修の促進に関する法律第17条第3項の規定に基づく建築物の耐震改修の計画の認定又は第三者評価による耐震改修の計画の評価・判定を受けたもの」であることが条件です。つまり設計内容や改修計画について、事前に第三者機関の評価・判定、または法に基づく計画認定を受けておく必要があります。これは診断だけの場合よりも手続きが多くなるので、設計・改修の段階に進む前に建築安全課で必要な評価・認定の進め方を確認しておくと安心です。
佐藤
申請できる時期に決まりはありますか。
田中
公式ページには「原則、4月1日から12月上旬までが、申請の受付期間となります」と案内されています。ただし「受付戸数が予算額に達した場合は受付終了となります」とも書かれており、先着順で予算枠が埋まる可能性があります。また「完了報告が、当該申請年度の3月15日までに報告できる事業が補助の対象となります」ともあるので、年度内に工事を完了させ、3月15日までに完了報告を提出できるスケジュールで進める必要があります。管理組合として利用を検討しているなら、できるだけ早い時期に建築安全課へ相談を始めるのが安全です。

申請の流れ

東大阪市 分譲マンション耐震の補助金の申請前チェック
  1. マンションが4つの対象建物条件(分譲マンション・耐火/準耐火建築物・延べ面積1000平方メートル以上かつ3階以上・検査済証あり)と昭和56年5月31日以前の建築時期を満たすか確認する
  2. 管理組合の総会等で耐震診断(または設計・改修)の実施方針を決める
  3. 診断着手前・工事着手前に建築安全課へ事前相談し、申請書類を提出する
  4. 交付決定を待ってから、耐震診断・耐震設計(第三者評価を含む)・耐震改修工事を実施する
  5. 当該申請年度の3月15日までに完了報告を提出し、補助金の交付を受ける

他制度との併用・使いどころ

佐藤
この補助金を使う前後で、確認しておいたほうがいい制度はありますか。
田中
まず整理しておきたいのは、東大阪市には木造の戸建て住宅・長屋・共同住宅・兼用住宅向けに、別の「東大阪市耐震化促進補助金(耐震診断・耐震設計・耐震改修工事)」という制度もあるということです。今回の「分譲マンション耐震の補助金」は非木造の共同住宅限定なので、対象になる建物のタイプが違います。管理しているマンションが木造か非木造か、共同住宅の規模がどれくらいかによって、どちらの制度(あるいは両方とも対象外)になるかが変わるので、まずは建物の構造・規模を整理したうえで建築安全課に相談するのが確実です。
佐藤
補助金の受け取り方について、何か工夫できることはありますか。
田中
公式ページには「代理受領制度(補助金の請求及び受領を耐震事業者へ委任する制度)を利用する場合」という案内があります。管理組合が補助金の請求・受領の手続きを耐震診断や改修工事を請け負う事業者に委任できる制度で、管理組合の事務負担を減らしたい場合に検討する価値があります。利用を希望する場合は専用の様式提出が必要なので、事前相談の際にあわせて確認してください。
佐藤
最終的に、まず何から始めればいいですか。
田中
まずはマンションの築年(建築確認日が昭和56年5月31日以前かどうか)と、構造・延べ床面積・階数が対象建物の条件を満たすかどうかを、管理組合として確認することです。そのうえで、耐震診断すら受けたことがない段階なら「耐震診断着手前」に、すでに診断を終えて設計や改修に進みたい段階なら「工事着手前」に、東大阪市建築部建築指導室建築安全課(06-4309-3245)へ相談することが最初の一歩になります。

公式情報

佐藤
詳しい情報はどこで確認できますか。
田中
東大阪市の分譲マンション耐震の補助金に、補助対象建物、補助対象者、耐震診断・耐震設計・耐震改修それぞれの補助額の計算式、必要書類、申請の流れがまとめられています。木造の戸建て住宅・共同住宅向けの制度を検討したい場合は、東大阪市の別ページ「耐震化促進補助金」もあわせて確認してください。問い合わせ先は東大阪市建築部建築指導室建築安全課(電話06-4309-3245、ファクス06-4309-3829)です。なお公式ページの内容は2026年4月1日時点のものなので、実際に申請する際は最新の情報を公式ページで確認してください。
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