和歌山県 和歌山市
住宅耐震改修事業(住宅の建替え費の一部補助)
耐震・防災要確認
佐藤
自宅が古い木造住宅で、以前受けた無料の耐震診断で「上部構造評点が1.0未満」と判定されてしまいました。改修工事で補強する方法もあると聞いたんですが、正直かなり傷みが激しくて、いっそ建て替えたほうがいいのかもと悩んでいます。建て替え費用にも補助はあるんでしょうか。
田中
あります。和歌山市には「住宅耐震改修事業(住宅の建替え費の一部補助)」という制度があって、耐震性が低いと判定された旧耐震基準の戸建て住宅を取り壊して新しく建て替える場合に、その建替え費用の一部を補助してもらえます。改修工事費を補助する別メニュー(住宅の耐震改修費の一部補助)とは対象費用がまったく違うので、混同しないように確認していきましょう。
佐藤
まず、いつでも申請できるものなんでしょうか。
田中
そこが今回いちばん重要な注意点です。令和8年度の受付期間は2026年4月10日(金曜)から2026年9月18日(金曜)まで(土曜・日曜・祝日を除く)で、公式ページには「令和8年度の受付は終了しました」と明記されています。今日(2026年9月19日)の時点では、今年度分の新規申請はもうできません。次年度以降の募集がいつ始まるかは公式ページで改めて案内される予定なので、来年度以降に建て替えを検討している場合は、和歌山市耐震・空家対策課への問い合わせや公式ページの定期的な確認をおすすめします。
令和8年度の受付は終了しています/2つの期限日を混同しないでください
令和8年度の申請受付期間は2026年4月10日(金曜)から2026年9月18日(金曜)までで、この記事を書いている2026年9月19日時点ですでに受付を終えています。公式ページにも「令和8年度の受付は終了しました」と明記されています。一方、公式ページにはもう1つ別の日付が出てきます。工事完了報告の期限は事業完了後30日以内かつ2027年2月22日(月曜)までで、これは今年度に交付決定を受けた人が完了報告を提出する期限であり、新規の申請締切ではありません。この2つの日付を混同すると、まだ申請を受け付けていると誤解したり、逆にもう完全に終わった制度だと誤解したりする恐れがあるので注意してください。

どんな制度か
佐藤
制度の全体像を教えてください。
田中
和歌山市都市建設局建築住宅部耐震・空家対策課(電話073-435-1091)が窓口の制度です。和歌山市の「住宅耐震化促進事業」という大きな枠組みの中の1メニューで、耐震診断の結果、耐震性が低いと判定された旧耐震基準(昭和56年5月31日以前に着工)の戸建て住宅について、その住宅を全て取り壊し、同じ敷地内に新しい戸建て住宅を建てる場合の費用の一部を補助します。改修工事で補強する道を選ぶ場合は別メニューの「住宅の耐震改修費の一部補助」を使うことになるので、自分の建物にどちらが向いているかは、診断結果や工事費の見積もりを踏まえて建築士や耐震・空家対策課に相談しながら決めることになります。
制度の基本情報(令和8年度)
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 制度名 | 住宅耐震改修事業(住宅の建替え費の一部補助) |
| 運営・窓口 | 和歌山市都市建設局建築住宅部耐震・空家対策課(電話073-435-1091) |
| 対象住宅 | 昭和56年5月31日以前に着工された延べ面積400平方メートル以下(木造住宅は2階建て以下)の戸建て住宅で、耐震診断の結果、木造は上部構造評点1.0未満、非木造はIs値0.6未満又はq値1.0未満と判定されたもの |
| 対象者 | 個人で、建替え前の住宅を申請者又は2親等以内の親族(配偶者含む)が所有し、建替え後の住宅に住む予定(建築主)があり、市税(市民税・固定資産税等)を完納していること。申請者又は敷地内の建物が、過去に同事業による補助金の交付を受けていないこと |
| 対象工事 | 耐震性が低いと判定された従前住宅を全て除却し、同じ敷地内に新たな戸建て住宅を建築する工事(省エネ基準に適合すること、土砂災害特別警戒区域内の建築は対象外) |
| 補助額 | 最大131万6千円((1)建替工事費の5分の2、上限57万5千円 と (2)(建替設計費+建替工事費)-(1)、上限74万1千円 の合計、いずれも千円未満切り捨て) |
| 予定戸数 | 30戸(予算の状況により増減する場合あり) |
| 令和8年度受付期間 | 2026年4月10日(金曜)から2026年9月18日(金曜)まで(土曜・日曜・祝日を除く)。2026年9月19日時点で受付は終了済み |
| 完了報告の期限 | 事業完了後30日以内、かつ2027年2月22日(月曜)まで(申請受付の締切ではない) |
| 事前申請 | 必須(契約・着手金の支払い前に交付決定を受けること) |
対象になる住宅と対象者、対象工事の条件
佐藤
対象になる住宅の条件をもう少し詳しく教えてください。
田中
公式ページの「5.申請の条件」の「対象建築物」の項目では、昭和56年5月31日以前に建築(着工)された延べ面積400平方メートル以下(木造住宅は2階建て以下)の戸建て住宅で、居住の用に供している部分の面積が延べ面積の2分の1を超えているものが対象とされています。そのうえで、耐震診断の結果、木造住宅は上部構造評点が1.0未満、非木造住宅はIs値が0.6未満又はq値が1.0未満と判定されている必要があります。あなたのケースのように、市の無料耐震診断で上部構造評点1.0未満と判定されていれば、この条件は満たしていることになります。なお公式ページには「昭和56年6月以降に増築工事を行っている住宅は対象にならない場合があります」という注記もあるので、増築歴がある場合は事前に耐震・空家対策課へ確認したほうが安心です。
佐藤
申請できる人の条件はどうですか。
田中
「対象者」の項目には5つの条件が挙げられています。個人であること、申請者又はその2親等以内の親族(配偶者含む)が建替え前の住宅を所有していること(所有者が申請者以外なら所有者全員の同意が必要)、申請者が建替え後の住宅に住む予定(建築主)であること、申請者が市税(市民税、固定資産税等)を完納していること、そして申請者又は敷地内の建物が過去に同事業の補助金の交付を受けていないことです。市税に滞納があると完納証明書が出せないので、先に納税状況を確認しておいたほうがいいです。
佐藤
建て替え工事そのものにも条件があるんですか。
田中
あります。「対象の建替工事」の項目では、耐震性が低いと判定された従前住宅を全て除却し、同じ敷地内に新たな戸建て住宅を建築する工事であることが条件とされています。加えて、建替えに関する工事(既存住宅の除却工事を含む)が、預り金や着手金の支払いも含めて未契約・未着手の状態で申請し、市の補助金の交付決定通知を受けたあとに契約・着手する必要があります。さらに、土砂災害特別警戒区域内における新たな住宅を建築する工事は対象外とされていて、建て替え後の住宅は省エネ基準に適合していることも条件になっています。これは令和4年度以降に追加された要件だと公式ページに注記されているので、以前この制度を検討したことがある人は特に見落としやすい点です。
補助額の考え方
佐藤
実際にもらえる金額はどう決まるんですか。
田中
「(1)建替工事費の5分の2」と「(2)(建替設計費+建替工事費)から(1)を差し引いた額」の合計で、最大131万6千円です。(1)の上限は57万5千円、(2)の上限は74万1千円で、いずれも計算結果に千円未満の端数が出た場合は切り捨てます。建替設計を補助対象事業に含めない場合は建替工事だけで(1)を計算する形になり、設計費を含める場合は(2)で設計費と工事費の合計から(1)分を引いた額が上乗せされるイメージです。
補助額の考え方(千円未満切り捨て)
- (1) 建替工事費の5分の2、上限57万5千円
- (2) (建替設計費+建替工事費)-(1)、上限74万1千円(建替設計を補助対象事業に含める場合)
- (1)+(2)の合計が補助額、最大131万6千円
- 平成29年度以前に設計費の補助を受けている場合は割合が変わり、(1)は建替工事費の11.5パーセント(上限48万9300円)、(2)は建替工事費の3分の2(上限67万300円)になる
佐藤
平成29年度以前に設計の補助を受けたことがあるかどうかで割合が変わるのは、少しややこしいですね。
田中
そうなんです。過去に同じ敷地の建物で設計費の補助を受けたことがある場合は特例の割合が適用されるので、心当たりがある場合は、見積もりを取る前の段階で耐震・空家対策課に自分のケースがどちらの計算式になるか確認しておくと、資金計画が立てやすくなります。
申請前に必ず確認したいこと
佐藤
申請するうえで、一番注意すべき点は何ですか。
田中
事業に着手していないことです。公式ページでは、除却工事を含む建替えに関する工事について、預り金や着手金の支払いも含めて未契約・未着手であることが条件とされています。先に解体業者や施工業者と契約を結んでしまったり、着手金を支払ってしまってから申請しても対象にはなりません。設計を補助対象事業に含める場合は、設計についても未契約・未着手である必要があります。見積もりの依頼だけであれば問題ありませんが、契約書に署名する前に必ず耐震・空家対策課へ相談し、交付決定を受けてから契約するようにしてください。
佐藤
省エネ基準への適合というのも、忘れずにチェックしておかないといけなそうですね。
田中
そのとおりです。建て替え後の住宅は省エネ基準に適合していることが条件で、建替設計が完了した段階で「省エネ基準への適合性に関する説明書」という書類の提出も求められます。設計を依頼する建築士に、この補助制度を使う予定であることを早い段階で伝えておくと、設計の手戻りを防げます。
佐藤
令和8年度はもう受付が終わっているということでしたが、来年度以降を検討する場合はどうすればいいですか。
田中
公式ページの更新を定期的に確認するか、和歌山市耐震・空家対策課(電話073-435-1091)に直接問い合わせるのが確実です。予定戸数は30戸で、予算の状況により増減する場合があるとも書かれているので、次年度の募集が始まったらできるだけ早めに動いたほうがいいでしょう。見積もりや必要書類の準備にはある程度時間がかかるので、募集開始前から耐震診断結果や所有関係の書類を整理しておくと、受付開始後すぐに動けます。
申請から補助金受取までの流れ(次回募集を想定)
- 自宅が昭和56年5月31日以前に着工された戸建て住宅で、耐震診断の結果耐震性が低いと判定されているかを確認する
- 除却・新築(必要なら設計も)の見積もりを取る(この時点ではまだ契約・着手金の支払いをしない)
- 補助金等交付申請書(建替)・耐震改修事業計画及び収支予算書・耐震診断結果に関する書類・市税完納証明書・所有を証する書類・見積書・付近見取図・配置図及び平面図・外観写真・敷地設定がわかる図面・口座振替申出書などを添えて耐震・空家対策課へ申請する
- 交付決定通知を受け取ったあとに除却・新築(設計を含める場合は設計も)の契約をし、工事に着手する
- 建替設計が完了した時点で、建替設計完了報告書や省エネ基準への適合性に関する説明書を提出する
- 完了報告の期限(事業完了後30日以内かつ2027年2月22日まで)までに補助事業等実績報告書・検査済証の写し・契約書の写し・領収書の写しなどを提出する
- 補助金等交付決定通知書の写しなどを添えて補助金の請求を行う
改修という選択肢もあわせて検討する
佐藤
建て替えではなく、改修で済ませたほうがいい場合もあるんでしょうか。
田中
あります。和歌山市には、建物を取り壊さずに耐震補強工事を行う場合の費用を補助する[住宅の耐震改修費の一部補助](/program/121)という制度も用意されています。建物の傷み具合や間取りへの愛着、工事費の見積もりを比較したうえで、改修で耐震性を確保できるなら改修費補助を、大規模な傷みで改修より建て替えのほうが合理的なら今回の建替え費補助を選ぶ、という判断になります。どちらも「住宅耐震化促進事業」という同じ枠組みの中の別メニューなので、両方の見積もりを取ってから耐震・空家対策課に相談するのがおすすめです。
佐藤
改修と同時にリフォームもしたい場合のメニューもあるんでしたっけ。
田中
[住宅耐震改修事業(耐震改修と同時に行うリフォーム工事)の一部補助](/program/135)というメニューもあります。ただしこれはあくまで耐震改修工事とあわせて行うリフォームが対象で、今回の建替えとは別の枠組みです。まずは自宅の状態を診断結果から見極めて、建て替え・改修・改修+リフォームのどれが自分の家に合っているか、耐震・空家対策課に相談しながら決めていくのがいいと思います。
公式情報
佐藤
詳しい内容はどこで確認できますか。
田中
和歌山市の住宅耐震改修事業(住宅の建替え費の一部補助)のページで確認できます。改修工事で耐震性を確保する道を検討する場合は[住宅の耐震改修費の一部補助](/program/121)のページ、耐震改修とあわせてリフォームも行いたい場合は[住宅耐震改修事業(耐震改修と同時に行うリフォーム工事)の一部補助](/program/135)のページもあわせて確認すると、自分の建物に合う制度を選びやすくなります。問い合わせ先は和歌山市都市建設局建築住宅部耐震・空家対策課(電話073-435-1091)です。
佐藤
ありがとうございます。令和8年度は間に合わなかったので、次年度の募集開始を待って準備を進めます。
田中
それがいいと思います。見積もりや必要書類の準備には時間がかかるので、募集が始まる前から耐震診断結果や所有関係の書類を整理しておいて、契約や着手金の支払いは必ず交付決定を受けたあとにするようにしてください。