兵庫県 明石市

吹付けアスベスト除去等補助制度(明石市)

佐藤
明石市に「吹付けアスベスト除去等補助」という制度があると聞きました。うちが所有しているビルは古くて、柱や梁に吹付けの断熱材のようなものが使われている気がするんですが、これも対象になりますか。
田中
なる可能性があります。これは明石市が実施している補助制度で、既存建築物の柱・梁・天井などに吹付けられたアスベストについて、アスベストが含まれているかどうかの分析調査費用と、含まれていた場合の除去・封じ込め・囲い込み工事の費用を補助するものです。古いビルや店舗、共同住宅などで、平成に入る前後の建材に吹付けアスベストが使われているケースは珍しくありません。
佐藤
なぜ市がここまで補助してまで除去を後押ししているんでしょうか。
田中
健康被害を防ぐためです。既存建築物の柱や梁などに吹付けられたアスベストが劣化して飛散し、建築物の利用者や周辺住民が石綿を吸い込むと、中皮腫や肺がんといった重大な健康被害につながるおそれがあります。明石市はこうした飛散による健康被害を防止し、安全な市街地環境の整備を進めることを目的として、この補助制度を設けています。
必ず事前に電話相談を、そして先着順・予算上限あり

公式ページには調査費補助・工事費補助のどちらについても「必ず事前相談をお願いします。まずは電話で問い合わせてください。」と明記されています。また受付は先着順で、「予算額が定められているため、予算限度額に達し次第、補助金交付申請の受付を終了します」ともあります。この記事の情報は公式ページの更新日である2026年8月4日時点のものです。年度が変わると予算枠がリセットされることもあるため、申請を検討する際は必ず明石市都市局建築安全課(電話078-918-5046)に現在の募集状況を電話で確認してください。

明石市吹付けアスベスト除去等補助の申請から補助金受取までの流れ
事前相談、対象建築物の確認、見積り・交付申請、調査・除去等工事、完了報告・受取の5ステップ

どんな制度か

佐藤
あらためて、この制度がカバーしている範囲を整理してもらえますか。
田中
明石市の「吹付けアスベスト除去等補助」は、大きく2つの補助で構成されています。1つ目は「アスベスト調査費補助」で、吹付け建材にアスベストが含まれているかどうかを分析調査する費用を対象にします。2つ目は「アスベスト除去等工事費補助」で、調査の結果アスベストが含まれていると判明した場合の除去・封じ込め・囲い込み工事の費用を対象にします。どちらも明石市都市局建築安全課が窓口です。
制度の基本情報
項目内容
実施主体明石市(都市局建築安全課)
制度名吹付けアスベスト除去等補助
対象建築物明石市内の民間建築物(国・地方公共団体所有を除く)で継続して使用する予定のもの。区分所有建築物(マンション等)は管理組合等の代表者が申請者になる
調査費補助の対象吹付け建材にアスベストが含有されているおそれのある建築物
除去等工事費補助の対象含有調査でアスベストの含有が判明し、かつ(1)延べ面積1,000平方メートル以上、または(2)劇場・店舗・飲食店・ホテル・旅館等の用途を含み延べ面積300平方メートル以上、のいずれかに該当する建築物
調査費補助額対象調査費(消費税相当額を除く)の全額、限度額25万円
除去等工事費補助額対象工事費(消費税相当額を除く)の3分の1、限度額200万円
受付方法先着順。予算限度額に達し次第、受付終了
事前手続き必ず事前に電話で建築安全課へ相談する。補助金の交付決定前に業者と契約すると補助を受けられない
制度開始令和4年(2022年)4月1日から施行
問い合わせ先明石市都市局建築安全課(建築安全課監察係)、明石市中崎1丁目5-1(本庁舎7階)、電話078-918-5046
佐藤
調査費と工事費で、対象になる建築物の条件が違うんですね。
田中
そうです。調査費補助は「アスベストが含有されているおそれのある」建築物であれば対象になり得ますが、除去等工事費補助は調査の結果アスベストが実際に検出され、かつ規模の条件も満たす必要があります。この2段階になっている点は申請時に混同しやすいので、まず調査、その結果を踏まえて除去等工事、という順番で考えるとわかりやすいです。

対象建築物・対象工事の詳細

佐藤
除去等工事費補助の「延べ面積1,000平方メートル以上」や「300平方メートル以上」という条件、もう少し詳しく教えてください。
田中
除去等工事費補助の対象は、含有調査の結果アスベストが含まれていると判明した建築物のうち、次のいずれかに該当するものです。1つ目は1棟当たりの延べ面積が1,000平方メートル以上のもの。2つ目は劇場、映画館、演芸場、観覧場、公会堂、集会場、展示場、物品販売業を営む店舗、飲食店、公衆浴場、遊技場、ホテル、旅館などの用途が含まれる建築物で、1棟当たりの延べ面積が300平方メートル以上のものです。小規模な個人住宅よりも、不特定多数が利用する建物や大規模な建物を優先的に対象にしている制度だと理解しておくとよいでしょう。
佐藤
マンションのように区分所有になっている建物のオーナーでも申請できますか。
田中
できます。交付要綱では、補助対象者は建築物の所有者が原則ですが、建物の区分所有等に関する法律の対象になる建築物(いわゆる区分所有マンション等)については、管理組合など同法で定める団体の代表者が申請者になると定められています。一戸建てや単独所有のビルだけでなく、マンションの管理組合が主体となって申請するケースも想定された制度です。
佐藤
どんな建材でも対象になるんでしょうか。
田中
いいえ、対象は「吹付けアスベスト」に限られます。公式ページの注意事項には、吹付けバーミキュライト、吹付けパーライト、成形板、仕上塗材は対象外だと明記されています。見た目が似ていても建材の種類によって対象外になることがあるので、まずは分析調査で正確に判定してもらうことが前提になります。

補助額・補助率の計算方法

佐藤
補助額はどう計算されるんですか。
田中
アスベスト調査費補助は、対象調査費用(消費税及び地方消費税相当額を除く)の全額が補助されますが、限度額は25万円です。アスベスト除去等工事費補助は、対象工事費用(消費税及び地方消費税相当額を除く)の3分の1が補助されますが、限度額は200万円です。交付要綱では、実際の費用額に1,000円未満の端数がある場合は切り捨てたうえで、その額と限度額を比べて低い方が補助額になると定められています。
佐藤
200万円の限度額まで補助を受けるには、工事費がいくら必要になりますか。
田中
補助率が3分の1なので、対象工事費が600万円であれば、その3分の1にあたる200万円がちょうど限度額に達する計算です。工事費が600万円を超えても、補助額は200万円が上限のままです。逆に工事費が300万円であれば、3分の1の100万円が補助額になります。
佐藤
除去工事のときに、鉄骨がむき出しになるような場合はどうなりますか。
田中
そこも補助対象に含まれます。交付要綱では、除去等に係る費用に加えて、除去等を行った結果露出した鉄骨等の部材について、建築基準法その他の法令に規定する耐火性能を満たすために必要な耐火被覆等の施工費用も、補助額算定の合計額に含めるとされています。アスベストを除去したことで耐火性能が損なわれないよう、その復旧費用まで見込んだ制度設計になっています。

申請前の注意点

佐藤
申請する前に、必ず押さえておくべきポイントを教えてください。
田中
まず何よりも先に、電話で明石市都市局建築安全課に事前相談することです。公式ページには調査費・工事費のどちらについても「必ず事前相談をお願いします。まずは電話で問い合わせてください。」と明記されています。次に重要なのが、補助金の交付決定を受ける前に業者と契約してしまうと補助を受けられないという点です。交付要綱にも「補助金の交付を受けようとする補助対象者は、交付決定の通知を受領する日前に当該補助金に係る補助対象事業の着手(当該事業に係る契約の締結を含む)をしてはならない」と定められています。見積りを取るのは構いませんが、契約や着工交付決定の通知を受け取ってからにしてください。
佐藤
他の補助金と併用することはできますか。
田中
できません。公式ページの注意事項には「アスベスト調査及びアスベスト除去等工事に関し、他の公的な補助金が交付されている場合は補助を受けることができません」と明記されています。国や県の別の助成制度をすでに利用している、または利用する予定がある場合は、この明石市の補助と重複して使えない点に注意してください。
佐藤
施工業者は誰でもいいわけではないんですね。
田中
そうです。交付要綱では、除去等工事の施工者について、一般財団法人日本建築センターが審査証明した吹付けアスベスト粉じん飛散防止処理技術を有する者、または国が定めるマニュアルや技術指針に従って施工でき十分な施工実績を有する者、のいずれかに限定されています。加えて、建築物石綿含有建材調査者が策定した実施計画に基づいて施工することも要件です。原則として建築物内の全ての吹付けアスベストが対象になりますが、市長が設置場所等を勘案して身体への影響が軽微と認めるものは除かれる、という例外規定もあります。
佐藤
工事が終わったあとの手続きも忘れずに、ということですね。
田中
はい。完了後30日以内、または申請年度の3月末日のいずれか早い日までに完了実績報告書を提出しない場合、補助を受けることができません。この期限は調査費補助・除去等工事費補助のどちらにも共通する注意点です。工事が終わったらすぐに報告書の準備に取りかかるくらいの意識でいるとよいでしょう。
吹付けアスベスト除去等補助の申請の流れ
  1. 明石市都市局建築安全課へ電話で事前相談する
  2. 対象建築物・対象工事の条件に当てはまるか確認し、見積りを取る
  3. 補助金交付申請書を提出する(交付決定前の契約・着工は不可)
  4. 交付決定通知を受け取ってから業者と契約し、アスベストの分析調査や除去等工事を実施する
  5. 完了後30日以内または申請年度の3月末日のいずれか早い日までに完了実績報告書を提出する
  6. 市が内容を審査し、補助金額が確定する
  7. 補助金交付請求書を提出し、補助金を受け取る

他制度との併用・使いどころ

佐藤
兵庫県内の他の自治体にも似たような制度があるんですか。
田中
あります。例えば神戸市には「神戸市吹付けアスベスト除去等補助制度」があり、大津市や堺市、名古屋市などでも同種の吹付けアスベスト対策の補助が実施されています。ただしそれぞれ自治体ごとに補助率や限度額、対象建築物の規模条件が異なるので、明石市内の建築物については明石市の制度をそのまま使うことになります。他の自治体の制度と混同しないよう注意してください。
佐藤
明石市には耐震改修の補助制度もあったと思いますが、そちらとは併用できますか。
田中
耐震改修工事費補助とアスベスト除去等補助は、それぞれ別の目的・別の要綱に基づく制度なので、対象工事が重ならない部分であれば別々に申請すること自体は制度上妨げられていません。ただし、この吹付けアスベスト除去等補助の注意事項に「他の公的な補助金が交付されている場合は補助を受けることができません」とあるとおり、同一の調査費用・工事費用に対して複数の補助金を重ねて受けることはできません。耐震改修とアスベスト除去を同時に計画している場合は、費用の切り分け方について事前相談の段階で建築安全課に確認しておくと安心です。
佐藤
最後に、この制度を検討している人へのアドバイスをお願いします。
田中
まず自分の建築物が古い吹付け建材を使っているかどうか気になったら、自己判断せずに、明石市都市局建築安全課へ電話で事前相談することから始めてください。分析調査でアスベストの有無を確定させ、含まれていると判明した場合は、延べ面積などの条件を確認したうえで除去等工事費補助の対象になるかを相談します。調査費は上限25万円まで全額、除去等工事費は上限200万円まで3分の1が補助される、手厚い制度です。ただし先着順で予算に達し次第終了すること、交付決定前の契約は補助対象外になることの2点は特に見落としやすいので、必ず事前に窓口で最新の受付状況を確認してから動いてください。

公式情報

吹付けアスベスト除去等補助制度(明石市) | 住まい制度データベース