兵庫県 神戸市
神戸市:住宅改修助成事業
高齢者住宅改修確認済み
佐藤
神戸市に「住宅改修助成事業」という制度があると聞きました。介護保険の住宅改修費とは別物なんですか。
田中
はい、別の制度です。介護保険の住宅改修費支給([program/101](/program/101))は上限20万円の全国共通の仕組みですが、今回の「住宅改修助成事業」は神戸市が独自に上乗せしている助成で、支給限度額が100万円と大きいのが特徴です。ただし介護保険や障害者施策の住宅改修とセットで使う前提の制度なので、単独で100万円もらえるわけではありません。
佐藤
セットで使う前提、というのはどういう意味ですか。
田中
公式ページには「介護保険の住宅改修費または、障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律に基づく地域生活支援事業と一体的な利用となりますので、支給限度額から20万円を控除した額が対象となります」と書かれています。つまり支給限度額100万円から20万円を差し引いた額が、この神戸市独自助成の対象になるという整理です。介護保険側の20万円枠を使い切ったうえで、神戸市の上乗せ分を申請する流れになります。
工事前の申請が絶対条件
公式ページには「申請は必ず工事着工前に行ってください。(事前着工された場合は、助成の対象外となります)」と明記されています。見積もりを取った段階で着工せず、先に窓口へ相談してください。
佐藤
対象になる人の条件を教えてください。
田中
次の1・2のどちらかに該当し、かつ3の所得要件を満たす人が対象です。1は介護保険の要介護認定で「要支援」または「要介護」と認定された人、2は身体障害者手帳の交付を受けた人です。3は生計中心者の前年分の所得金額が600万円以下(給与以外に収入がない場合は給与収入で800万円以下)であることです。要介護度が高いほど有利、といった条件は公式ページには書かれていません。
佐藤
対象になる工事の範囲はどこまでですか。
田中
「高齢者や障害者の身体状況にあった住みよい住宅を整備するため、ご自宅のバリアフリー工事にかかる改修費用の一部を助成します」とされています。一方で「新築(建替えを含む)や増改築、既設の破損や老朽化による取替・修繕等は対象外」と明記されているので、単なる設備の古さを理由にした取り替えでは使えません。また原則として1世帯につき1回限りの利用です。

どんな制度か
佐藤
あらためて、この制度がどんな位置づけか整理してもらえますか。
田中
神戸市の「住宅改修助成事業」は、要介護・要支援認定者または身体障害者手帳所持者を対象に、自宅のバリアフリー改修費の一部を助成する市独自の事業です。介護保険の住宅改修費支給や障害者総合支援法に基づく地域生活支援事業の住宅改修とあわせて使うことで、100万円の支給限度額から自己負担を抑えられる仕組みになっています。担当は神戸市福祉局高齢福祉課で、実際の相談・申請窓口は要介護認定者と身体障害者手帳所持者で分かれています。
制度の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 実施主体 | 神戸市 |
| 制度名 | 住宅改修助成事業 |
| 対象者 | 要支援・要介護認定者、または身体障害者手帳交付者(いずれも所得要件あり) |
| 所得要件 | 生計中心者の前年所得600万円以下(給与のみの場合は給与収入800万円以下) |
| 支給限度額 | 100万円(介護保険等との一体利用のため実質は限度額から20万円を控除した額が対象) |
| 助成率 | 生計中心者の市民税・所得税の課税状況により異なる(公式ページに具体的な率の表は未掲載) |
| 事前申請 | 必須(工事着工前に申請、着工後は対象外) |
| 利用回数 | 原則1世帯につき1回限り |
| 相談窓口(要介護認定者) | お近くのあんしんすこやかセンター |
| 相談窓口(身体障害者手帳所持者) | お住まいの区役所保健福祉部保健福祉課 |
| 総合問い合わせ先 | 神戸在宅医療・介護推進財団(電話 078-743-8323) |
佐藤
助成率が課税状況で変わるとのことですが、具体的に何パーセントなんですか。
田中
そこが正直なところで、公式ページの本文には「生計中心者の市民税・所得税の課税状況により、助成率が異なります」という一文があるだけで、非課税世帯は何割、課税世帯は何割といった具体的な数値は公開されていません。詳しい率は相談窓口(あんしんすこやかセンターや区役所保健福祉課)、または神戸在宅医療・介護推進財団に直接確認する必要があります。ここで曖昧な数字を書くよりも、必ず一次窓口で確認するようお伝えします。
対象になる住宅・工事
佐藤
対象になる住宅にも条件はありますか。
田中
公式ページには持ち家・賃貸といった住宅の種類そのものの制限は明記されていませんが、対象者本人が実際に居住する住宅であることが前提です。工事内容は「バリアフリー工事にかかる改修費用」という表現にとどまり、介護保険の住宅改修費で対象になる手すりの取り付け、段差解消、床材の変更、扉の取り替え、洋式便器への取り替えなどと同種の工事が中心になると考えられます。ただし新築・建替え・増改築、既存設備の破損や老朽化による単純な取替・修繕は対象外です。
対象外になりやすい工事の例
- 新築や建替えにともなう工事
- 増改築
- 破損・老朽化による設備の取替や修繕(バリアフリー目的でないもの)
佐藤
申請するときに必要な書類も多そうですね。
田中
はい。公式ページに列挙されているのは、住宅改修助成事業申込書、申込に関する調査票、要支援・要介護認定結果が分かるもの(被保険者証等)または身体障害者手帳のコピー、世帯全員の住民票、世帯全員分の市民税・県民税の所得・課税(非課税)証明書、所得税額の証明書類、施工業者が作成した現状の間取図と希望工事概要図です。入院中で退院日が決まっており工事を急ぐ「入院コース」を使う場合は、誓約書兼同意書やチェックリスト、見積書など追加の書類が必要になります。
申請前の注意点
佐藤
申請するときに特に気をつけることを教えてください。
田中
一番大事なのは繰り返しになりますが工事着工前の申請です。見積もりを取ってすぐ工事を始めてしまうと、それだけで助成の対象外になります。次に、要介護認定や身体障害者手帳の判定結果が出る前でも、やむを得ない事情があれば事前申請自体は認められる場合がありますが、その後の判定が「非該当」になれば助成は受けられず、費用は全額自己負担になります。認定結果が出ていない段階での着工は、それだけリスクがあることを理解しておく必要があります。
ケアマネジャー等との連携が前提
公式ページの記載からは、ケアプランを作成しているケアマネジャーや、身体障害者手帳保持者を支援する相談支援専門員との連携を前提とした手続きであることがうかがえます。窓口に相談する前に、担当のケアマネジャーへ改修の希望を伝えておくと手続きがスムーズです。
申請の流れ
佐藤
実際の手続きの流れを教えてください。
田中
公式ページの「手続きの流れ」に沿うと、次のようになります。
住宅改修助成事業の申請から助成までの流れ
- 要介護認定者はあんしんすこやかセンター、身体障害者手帳所持者は区役所保健福祉部保健福祉課へ相談する
- 住宅改修助成事業申込書・調査票など必要書類一式を、工事着工前に相談した窓口へ提出する
- 訪問調査を受ける
- 「住宅改修助成事業決定通知書」の交付を受ける
- 決定通知の内容にもとづいて工事に着工し、完了後に完了届などを提出する
佐藤
決定通知が出る前に工事を始めることはできないんですね。
田中
できません。決定通知書の交付は、必要書類の提出と訪問調査を経たあとになるため、相談から着工まである程度の期間がかかることを見込んで動く必要があります。退院日が決まっていて改修を急ぐ場合の「入院コース」が用意されているのは、そうした事情に対応するためです。
他制度との併用・使いどころ
佐藤
介護保険の住宅改修費([program/101](/program/101))とは、実際どちらを先に使えばいいんですか。
田中
公式ページの説明では、この住宅改修助成事業は介護保険の住宅改修費や障害者総合支援法の地域生活支援事業と「一体的な利用」が前提になっており、支給限度額100万円から20万円を控除した額が対象になるとされています。したがって、まず介護保険の住宅改修費(上限20万円)や障害者施策の住宅改修費を申請し、そのうえで自己負担が残る大規模なバリアフリー工事について、神戸市独自の上乗せとしてこの制度を検討する、という位置づけで考えるとわかりやすいです。両方の制度の窓口が異なる場合があるため、どちらも工事着工前に、あんしんすこやかセンターや区役所、神戸在宅医療・介護推進財団に相談してから進めてください。
佐藤
最後に、申請を考えている人へのアドバイスはありますか。
田中
制度の詳細な助成率や、実際にいくら戻ってくるかは世帯の課税状況によって変わるため、この記事だけで判断せず、必ず公式ページと窓口で最新の内容を確認してください。特に工事着工前の申請という条件は絶対に外さないよう注意が必要です。
公式情報
- 神戸市:住宅改修助成事業(公式ページ)
- 神戸市 介護・高齢者福祉に関する助成金一覧
- 総合問い合わせ先: 神戸在宅医療・介護推進財団(電話 078-743-8323)