神奈川県 横浜市

横浜市木造住宅訪問相談事業

佐藤
横浜市に住んでいる実家の親から、市の耐震診断を受けたら「評点1.0未満」という結果が来て、どうしたらいいか分からないと相談されました。市に無料で相談できる制度があると聞いたんですが、本当ですか?
田中
あります。「横浜市木造住宅訪問相談事業」という制度です。横浜市が実施した耐震診断(横浜市木造住宅耐震診断士派遣事業)の結果、上部構造評点(総合評点)が1.0未満と判定された木造住宅の所有者等を対象に、専門の相談員が自宅まで無料で来てくれて、診断結果の説明や改修計画の概要、概算費用について相談に応じてくれる事業です。費用は横浜市が全額負担するので、利用者の自己負担はありません。
佐藤
診断はもう受けているので条件は満たしていそうです。ただ、まだ耐震改修の工事はしていません。それでも大丈夫ですか?
田中
それなら対象になります。この事業は、耐震診断で評点1.0未満と判定された方のうち、まだ耐震改修を実施していない方が対象です。逆に、既に耐震改修を終えた方や、横浜市の耐震改修の補助制度に申請済みの方は原則対象外になります。ただし、補助の申請を取り下げたり辞退したりした場合は、改めて相談できる可能性があるので、まずは委託先に問い合わせてみてください。
申込みは訪問希望日の2週間以上前、令和8年度は令和9年2月12日必着

実施要綱では「実施希望日の14日以前に、利用申請書を市長に提出しなければならない」とされています。公式ページのお知らせでも「令和8年度の申込み受付最終日は、令和9年2月12日(金曜日)(必着)」「申込みは、訪問実施希望日の2週間以上前に行ってください」「訪問相談実施最終日は、令和9年2月26日(金曜日)」と明記されており、「予算の都合上、これより前に申込受付を締め切る可能性があります」とも注意書きがあります。年度が替わると期日も変わるため、申込み前に必ず公式ページの最新のお知らせを確認してください。

横浜市木造住宅訪問相談事業の利用の流れ
耐震診断結果の確認から改修・除却補助の検討までの5ステップ

どんな制度か

横浜市木造住宅訪問相談事業は、平成20年8月26日制定の実施要綱に基づく事業で、「木造住宅の所有者等に対して、当該住宅の耐震改修等に関する助言等を行う相談員を派遣するにあたり必要な事項を定め」ることを目的としています。対象になるのは、横浜市木造住宅耐震診断士派遣事業による耐震診断を受け、総合評点または上部構造評点が1.0未満と判定された住宅の所有者等(所有者本人のほか、その配偶者・一親等の親族も含む、法人は除く)です。横浜市が選定した相談員が自宅を訪問し、耐震診断結果の説明、一般的な耐震改修の方法、耐震改修の概算費用、耐震改修や防災ベッド等設置推進事業といった補助制度の説明までを、おおむね1時間程度で行います。相談にかかる費用は横浜市が負担するため、利用者の自己負担はありません。所管は横浜市建築局建築防災課で、実際の申込み受付・相談員派遣の実務は一般社団法人横浜市建築士事務所協会に委託されています。

制度の基本情報
項目内容
制度名横浜市木造住宅訪問相談事業
実施主体横浜市(建築局建築防災課)、委託先:一般社団法人横浜市建築士事務所協会
分類耐震・防災(無料の相談員派遣事業。金銭の補助ではありません)
対象者横浜市の耐震診断で総合評点または上部構造評点1.0未満と判定された住宅の所有者等(原則、耐震診断の申込者本人)
対象外になる主なケース既に耐震改修を実施した人、耐震改修促進事業等の補助金申請を行った人、過去に本事業を利用した人など
費用無料(訪問相談の実施費用は横浜市が全額負担)
申込期限(令和8年度)令和9年2月12日(金曜日)必着、訪問相談実施最終日は令和9年2月26日(金曜日)
申請時期の目安訪問希望日の2週間(14日)以上前までに申込み
申込方法電話、はがき(制度パンフレット添付の往復はがき)、横浜市電子申請サービス(インターネット)
問い合わせ・申込先一般社団法人横浜市建築士事務所協会(電話045-662-2711、受付9時〜12時・13時〜16時、土日祝日・年末年始を除く)

対象になる人・対象にならない人

佐藤
対象者の条件をもう少し詳しく教えてください。
田中
実施要綱第3条では、事業の対象となる者は「耐震診断により総合評点又は上部構造評点が1.0未満と判定された住宅の所有者等で、かつ原則として耐震診断の申込者」とされています。公式ページの言葉で言うと、「やや危険」または「倒壊の危険あり」と判定された総合評点1.0未満、あるいは「倒壊の可能性がある又は高い」と判定された上部構造評点1.0未満のいずれかに該当する方です。法人は対象外です。診断結果を紛失してしまった場合は、事前に建築防災課に問い合わせて再発行の手続きをしてから申し込む必要があります。
佐藤
逆に、対象から外れてしまうケースはどんな場合ですか?
田中
実施要綱第3条2項に、対象としない住宅の所有者等が列挙されています。具体的には、過去に耐震診断後にこの訪問相談事業を利用したことがある人、当該住宅の耐震改修を既に行った人、横浜市木造住宅耐震改修促進事業の補助金交付要綱に基づく申請を行ったことがある人、横浜市木造住宅耐震改修促進事業計画承認要綱や、廃止済みの一部耐震改修促進事業計画承認要綱に基づく申請を行ったことがある人、横浜市建築物不燃化推進事業補助金交付要領で定める対象地域内にある住宅の人、です。公式ページでも「横浜市の補助制度を申請した方も利用の対象外となりますが、申請の取下げや辞退を行った場合はご相談ください」と案内されているので、迷う場合は一度、委託先の建築士事務所協会に電話で状況を伝えるのが確実です。
佐藤
対象になる地域に決まりはありますか?横浜市内ならどこでも利用できますか?
田中
基本的には横浜市内の木造住宅が対象ですが、公式ページには「下図『木造建築物安全相談事業の地域』の建築物は、木造建築物安全相談事業にて耐震診断・相談を実施します」という注記があります。つまり、市内の一部エリアは、この訪問相談事業ではなく「木造建築物安全相談事業」という別の制度で耐震診断・相談を行う扱いになっています。ご自宅がどちらの制度の対象になるかは、公式ページに掲載されている対象地域図のPDFで確認するか、建築防災課に問い合わせて確認してください。

相談内容・費用の考え方

佐藤
実際に相談員が来たら、何をしてくれるんですか?
田中
制度パンフレットによると、流れは大きく4つです。まず相談員が自宅を訪問し(相談時間はおおむね1時間)、次に横浜市の耐震診断の結果を分かりやすく説明します。そのうえで、相談員が事前に作成した資料をもとに、一般的な耐震改修の方法や概算費用を伝え、最後に耐震改修や防災ベッド等設置推進事業といった、利用できる可能性のある支援制度についても説明してくれます。あくまで「相談」であって、その場で工事契約をしたり、特定の施工業者を紹介したりする制度ではない点に注意してください。
佐藤
費用については、本当に一切かからないんですか?
田中
そうです。実施要綱第4条2項に「前項に規定する訪問相談の実施にかかる費用は、横浜市が負担する」と明記されています。相談員の派遣費用は横浜市が全額負担するため、利用者が支払う費用はありません。ただし、この事業自体は工事費や耐震診断費用そのものを補助するものではないので、実際に耐震改修工事を行う場合は、別途「横浜市木造住宅耐震改修促進事業」などの補助制度への申請を検討する必要があります。

申請前に注意すること

訪問相談を利用しなくても耐震改修の補助金は申請できます

制度パンフレットには「訪問相談を受けずとも、耐震改修工事の補助金を利用できます。まずは設計事業者にご相談ください」とあります。補助申請手続きは、原則として所有者から委任を受けた設計事業者が行う扱いです。つまり、この訪問相談事業は耐震改修の補助を受けるための必須条件ではなく、あくまで診断結果の理解や改修方法の検討を助けるための任意のサービスです。工事を急ぐ場合は、訪問相談の結果を待たずに設計事業者へ直接相談する選択肢もあります。

佐藤
申込むときに準備しておくものはありますか?
田中
電話で申し込む場合は、手元に「耐震診断報告書」を用意したうえで電話するよう案内されています。診断報告書には診断番号(右上の6〜7桁の番号)が記載されており、はがきやインターネットで申し込む場合の利用申請書にもこの診断番号の記入が必要です。また、利用申請書には希望する相談場所(申請者宅、耐震診断を実施した家屋、その他)や、第1希望・第2希望の日時を記入する欄があり、希望日は申請日より2週間以上先の日程(土日祝日も選択可)で設定する必要があります。耐震診断時と現在の所有者が異なる場合は、相続や売買など変更理由の記入も必要です。
佐藤
申込んだら、必ず相談員が来てくれるんでしょうか?
田中
実施要綱第6条では、市長は利用申請書を受理したときに内容を審査し、実施の可否を決定して実施通知書で申請者に通知するとされています。つまり、申込み内容によっては相談員の派遣が行われない決定になる場合もあり、その際は理由が通知書に記載されます。また、虚偽の申請など不正な行為があった場合や、市長が不適当と認める事由が生じた場合は、実施決定後であっても取り消され、既に相談を実施していれば費用の返還を求められることがあります(実施要綱第10条・第11条)。

申込みから訪問相談実施までの流れ

  1. 横浜市の耐震診断(木造住宅耐震診断士派遣事業)を受け、耐震診断報告書を受け取る
  2. 診断結果が評点1.0未満であることを確認し、耐震改修を実施していないか確認する
  3. 訪問希望日の2週間以上前までに、電話・はがき・電子申請サービスのいずれかで利用申請書を提出する
  4. 横浜市による審査後に届く実施通知書で、訪問日程・相談員・実施の可否を確認する
  5. 自宅で相談員から耐震診断結果の説明・改修方法・概算費用・支援制度の説明を受ける(おおむね1時間)

他制度との使いどころ

佐藤
この訪問相談を受けたあと、次にどう動けばいいですか?
田中
訪問相談で改修方法や概算費用のイメージがつかめたら、実際に耐震改修工事を行う場合は「横浜市木造住宅耐震改修促進事業」の補助金を、建物の除却(解体)を検討する場合は「住宅除却補助制度」を、それぞれ別途申請する流れになります。特に住宅除却補助制度は、耐震診断の結果を添付書類として使う扱いになっているため、診断結果は改修だけでなく除却の判断材料にもなります。令和8年度の補助申請の締切は令和8年12月28日とされているので、除却を検討している場合は訪問相談を待たずに早めに動くことも選択肢です。また、家具の転倒などが心配な場合は、防災ベッド等設置推進事業も紹介対象になっているので、訪問相談の際に相談員に確認するとよいでしょう。

公式情報・問い合わせ先

制度の詳細、最新年度の申込み締切、利用申請書の様式は横浜市の公式ページで確認できます。

  • 横浜市木造住宅訪問相談事業|横浜市
  • 申込み・相談に関する問い合わせ:一般社団法人横浜市建築士事務所協会(電話045-662-2711、受付9時〜12時・13時〜16時、土日祝日・年末年始を除く)
  • 制度に関する問い合わせ:横浜市建築局建築防災課(電話045-671-2943、平日8時45分〜12時、13時〜17時15分、ファクス045-663-3255)
佐藤
よく分かりました。親にはまず耐震診断報告書を用意させて、電話で申し込むよう伝えます。
田中
それが確実です。申込みは訪問希望日の2週間以上前という期限があるので、迷っているうちに実施最終日を過ぎてしまわないよう、早めに一般社団法人横浜市建築士事務所協会へ連絡することをおすすめします。