大阪府 東大阪市
重度身体障害者等住宅改造費助成事業(東大阪市)
障害者向け住宅改修等要確認
佐藤
東大阪市に住む親が身体障害者手帳の1級を持っています。廊下の段差をなくしたり、浴室に手すりを付けたりする改造を考えているんですが、市の助成制度はありますか?
田中
あります。東大阪市の「重度身体障害者等住宅改造費助成事業」という制度です。市内に住民登録があり、身体障害者福祉法施行規則に規定する身体障害者1級または2級に該当する人、または知的障害者更生相談所で障害の程度Aと判定された重度の知的障害がある人がいる世帯を対象に、住宅のバリアフリー化にかかる工事費を助成します。お父様のように1級をお持ちであれば、対象者の要件は満たしています。ただし、この制度はもう1つ、世帯の市・府民税額による所得制限があるので、そこも合わせて確認する必要があります。
工事の契約・着工より先に、認定審査を通す必要があります
公式の概要版には「必ず工事前に申請を行ってください」と明記されています。しおりでも「助成の認定前に既に着工または完了した工事、および認定審査以前に工事契約したものは対象になりません」とされており、着工準備のための解体なども認定審査での住居の現況確認を妨げる行為として扱われます。見積もりを取った段階で契約せず、先に東大阪市役所8階7番窓口(障害施策推進課)へ申請してください。
対象要件確認から交付請求までの5ステップどんな制度か
「重度身体障害者等住宅改造費助成事業」は、東大阪市内に住所がある重度の身体障害者・知的障害者が、住み慣れた地域で自立して安心して生活できるように、住宅のバリアフリー化に必要な工事費を助成する制度です。もともとは重度身体障害者を対象にしていましたが、令和5年10月から重度知的障害者も対象に加わりました。申請の受付や審査は福祉部障害者支援室障害施策推進課が担当し、住宅改造の質を確認するため、NPO法人ふくてっく住宅改造費助成適正化検証チームによる第三者検証が行われる点が特徴です。制度の利用は各世帯につき原則として生涯に一回限りとされています。
制度の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|
| 制度名 | 重度身体障害者等住宅改造費助成事業(実施要綱上の正式名称は「東大阪市重度身体障害者等住宅改造費助成事業」) |
| 実施主体 | 東大阪市(福祉部障害者支援室障害施策推進課) |
| 分類 | 障害者向け住宅改修等(自治体公表ページ上は「耐震・防災」等のカテゴリに表示される場合がありますが、内容は障害者向け住宅改修助成です) |
| 対象者 | 東大阪市に住民登録がある、身体障害者手帳1級・2級、または療育手帳A(重度)の知的障害がある人がいる世帯 |
| 助成限度額 | 生活保護世帯・市府民税非課税世帯50万円、市府民税額9万円以下の世帯30万円、市府民税額15万円以下の世帯20万円(15万円超の世帯は対象外) |
| 助成率 | 対象工事費の全額(千円未満切り捨て、限度額の範囲内) |
| 申請時期 | 工事着工前(必須)。認定申請は現地調査日の前週金曜日午前11時30分締切、原則毎週木曜日に審査 |
| 利用回数 | 各世帯につき原則として生涯に一回限り |
| 問い合わせ | 障害施策推進課(電話06-4309-3183、ファクス06-4309-3815、東大阪市役所総合庁舎8階7番窓口) |
対象になる人・対象になる住宅
佐藤
対象者の条件をもう少し詳しく教えてください。知的障害の場合はどう判定されるんでしょうか?
田中
公式のしおりでは、対象者は東大阪市に住所を有する(住民登録がある)人で、身体障害者福祉法施行規則に規定する身体障害者1級または2級に該当する人、または知的障害者更生相談所において障害の程度Aと判定された知的障害者のいずれかとされています。申請者は世帯主です。世帯の所得判定は、住民票上の世帯ではなく実際に同居する世帯員で行い、市・府民税額が高い人の基準で助成金額を決定します。他市から転入して間もない場合は、別途書類が必要になることがあるので、事前に障害施策推進課へ相談するよう案内されています。
田中
あります。対象になるのは持家、または借家(所有者の承諾が必要)の個人的な生活領域です。マンションなど共同住宅の場合、専用部分は対象になりますが、共用部分(バルコニーを含む)や、住戸間の区画壁・上下階の床版に影響する改造は原則対象外です。ただし、賃貸マンションで多くの居住者の要望があり所有者が同意する場合や、分譲マンションで管理組合の規定等により住民の総意がある場合は、共用ロビーや廊下、階段などの改造も例外的に対象と認められることがあります。
対象になる工事・対象外の工事
田中
しおりの表では、便所・浴室・玄関・廊下・階段・台所・居室など、対象者本人が使う居住領域と、道路から玄関までの敷地内通路が対象範囲とされています。工事の種類としては、床材の変更(転倒防止や車いす・歩行器の使用に適した床材への変更)、手すりの取り付けとそのための壁下地補強、段差解消(スロープ・すりつけ板・式台設置・敷居撤去)、開き戸から引き戸・折れ戸への扉の交換、和式便器の洋式化、浴槽を対象者の入浴動作に支障のない型式に取り替える工事などが挙げられています。いずれも「対象者本人の心身状況に照らして有効な効果が期待できること」が前提で、必要以上の利便性・快適性を得るための改造は対象になりません。
田中
あります。新築・増築、建物の全面改修、単に老朽化した部分の修繕・改修は対象外です。屋根や外壁、天井、基礎・土台・束・大引などの構造部分の工事、単に畳や床材を更新するだけの工事、贅沢な機器や高級仕様への交換も対象になりません。ユニットバスや洗面ユニットのような一式工事は、対象者のバリアフリー化に直結する部分だけを按分して助成する扱いになるため、見積もりの内訳を細かく確認される点にも注意してください。
補助額・補助率
田中
助成額は対象工事費の全額(千円未満切り捨て)ですが、世帯の当該年度の市・府民税額に応じて限度額が3段階に分かれています。生活保護法による被保護世帯(単給世帯を含む)、または市・府民税非課税世帯は限度額50万円、当該年度分の市・府民税額が9万円以下の世帯は限度額30万円、当該年度分の市・府民税額が15万円以下の世帯は限度額20万円です。4月・5月に申請する場合は前年度分の市・府民税額で判定します。そして、市・府民税額が15万円を超える世帯は、そもそもこの制度を申請できません。
田中
できます。介護保険の住宅改修費や、日常生活用具給付等事業の住宅改修費(日具住改)の対象になる工事がある場合は、それらの制度をまず優先して利用し、給付枠を超える工事費の部分をこの助成の対象にする、という併用の仕方になります。介護保険の給付枠を温存したまま、この助成だけを単独で利用することはできません。ただし、介護保険や日具住改の対象に該当しない工事であれば、この助成を単独で利用することも可能です。
申請前に注意すること
所得判定と工事内容の両方で審査に落ちることがあります
市・府民税額が15万円を超える世帯は申請そのものができません。また、要綱上は対象工事に見えても、対象者本人の心身状況に照らして有効な効果が期待できないと判断された場合や、必要最小限を超えた利便性・快適性を求める改造だと判断された場合は、助成の対象外とされることがあります。判断に迷う工事内容は、事前相談会や窓口での相談を先に済ませてください。
田中
事前相談会は原則毎月第3木曜日に開催されており、予約制です。受付締切は開催日の前週金曜日午前11時30分で、相談時間はおおむね30分程度です。知的障害のある人が利用する場合は、できる限り事前相談を申し込むよう案内されています。相談当日は、図面や現況写真、申請書類等(用意できていない場合は間取りが分かる写真等)を持参し、対象者の心身の状況についても説明できるようにしておく必要があります。
田中
認定申請書(様式第1)、要件確認申立書(様式第2)、調査同意書(様式第3)、住宅所有者の承諾書(様式第4、借家の場合)、申請チェックリスト(様式第5)、事業概要書(様式第6)、現況の写真(様式第7)、現況図と改造計画図、見積書(様式第8の1・8の2)、仕様書等の写し、位置図、身体障害者手帳または療育手帳の写しなどが必要です。今年度初回の申請では住宅改造施工事業者届(様式第10)も必要になります。書類はすべて揃えたうえで持参する必要があり、窓口での作成や郵送での受付はできません(着工届のみ郵送可)。
申請から交付までの流れ
- 必要に応じて毎月第3木曜日の事前相談会を予約し、図面や現況写真を準備する
- 認定申請書類一式を障害施策推進課(東大阪市役所総合庁舎8階7番窓口)へ提出する(現地調査日前週金曜日午前11時30分締切)
- 対象者・心身状況に詳しい人・施工業者が立ち会い、現地調査(認定審査)を受ける
- 認定審査結果通知で「着工可」を確認してから、着工届を提出し工事を始める
- 工事完了後に完了届を提出し、完了検査(現地調査)を受けたうえで、交付申請・交付請求の書類を提出し助成金の振込を確認する
佐藤
申請してから実際に助成金が振り込まれるまで、どれくらいかかりますか?
田中
公式の概要版では「申請から交付までは最短でも2か月程度を要する」と案内されています。現地調査は原則毎週木曜日の午後1時から3時に行われ、受付締切は調査日前週の金曜日午前11時30分です。また、この制度は毎年度4月1日から予算の範囲内で受け付ける仕組みで、年度内に交付決定できることが助成の条件です。令和8年度分は、認定審査の最終受付が令和9年2月5日(金)午前11時30分、完了検査の最終受付が令和9年3月5日(金)午前11時30分とされており、この期限を過ぎると当該年度中の交付は受けられません。年度が替わるとスケジュールも改めて公表されるので、申請を検討する時点で最新の受付日程を公式ページで確認してください。
他制度との併用・使いどころ
この助成は、介護保険の住宅改修費や日常生活用具給付等事業の住宅改修費と組み合わせて使える一方、いずれも予算や給付枠に上限があるため、まずは対象者がどの制度の対象になるかを窓口で整理してから、工事内容と見積もりを固めるのが現実的です。65歳以上で要介護・要支援認定がある人は日常生活用具の住宅改修は申請できず介護保険の住宅改修を優先、65歳未満で認定がある人は逆に介護保険の住宅改修が使えず日常生活用具の住宅改修を使う、といった年齢・認定状況による住み分けもしおりに明記されています。ご自身がどのパターンに当てはまるかは、事前相談会や障害施策推進課への相談で確認するのが確実です。
公式情報・相談先
制度の詳細、令和8年度の事前相談会日程、現地調査日程・受付締切、申請書式は東大阪市の公式ページで確認できます。
佐藤
よく分かりました。まずは事前相談会を予約して、対象になりそうな工事を相談してみます。
田中
それが確実です。所得区分によって助成の上限額が変わりますし、着工前の認定審査を通さないと助成そのものが受けられなくなるので、見積もりを取ったらすぐに契約せず、まず障害施策推進課に連絡することをおすすめします。