福岡県 福岡市

住宅改造助成(福岡市)

佐藤
福岡市に住む親が要介護1の認定を受けていて、浴室の段差でつまずくのが心配なんです。お風呂やトイレの改造費用を助成してくれる制度はありますか。
田中
あります。「住宅改造助成」という福岡市の制度で、高齢者の自立が助長される工事や、介護する家族の負担が軽減される工事の費用を市が助成します。窓口は各区保健福祉センター福祉・介護保険課、または福岡市住宅改造相談センターです。ただし、対象者の年齢・要介護度・所得段階のすべてを満たす必要がありますし、工事に着工する前に申請することが条件になっています。
着工前の事前申請が必須です

公式ページには「対象工事に着工する前に各区保健福祉センター福祉・介護保険課にお申込みください」と明記されています。見積もりを取った勢いで先に工事を始めてしまうと、原則として助成を受けられなくなります。工事業者との契約前に、必ず窓口へ相談・申請してください。

福岡市住宅改造助成の申請フロー
対象要件確認、窓口相談、見積・申請書提出、決定後着工、完了報告の流れ

どんな制度か

佐藤
そもそも、どんな人が対象になるんですか。
田中
3つの条件をすべて満たす方が対象です。1つ目は「福岡市内に居住する65歳以上の高齢者であること」。2つ目は「介護保険の要介護認定において要支援1,2または要介護1から5の認定を受けていること」。3つ目は「介護保険の第1号被保険者保険料における所得段階が第1段階から第8段階であること」です。所得段階が第9段階以上(市民税課税で所得300万円以上)の場合は、この3つ目の条件を満たさないため助成対象外になります。
佐藤
対象になる工事はどんな内容ですか。
田中
公式ページでは「高齢者の自立が助長され、または介護者の負担が軽減される工事」と説明されています。具体例として、玄関や廊下の拡幅、階段昇降機の設置、浴室改造(段差解消など)、屋外通路の整備や手すりの設置、洗面台の車椅子対応化などが挙げられています。お母様が心配されている浴室の段差解消も、この対象工事に含まれます。
制度の基本情報
項目内容
制度名住宅改造助成
実施主体福岡市(福祉局高齢福祉課、各区保健福祉センター福祉・介護保険課)
対象者福岡市内居住の65歳以上、要支援1・2または要介護1〜5認定、介護保険料所得段階が第1〜8段階
対象工事高齢者の自立助長・介護者の負担軽減につながる住宅改造工事(玄関・廊下拡幅、階段昇降機、浴室改造、手すり設置など)
助成上限額30万円(工事に要した額と30万円のいずれか低い方の額に助成率を乗じた額)
助成率所得段階に応じて10%〜100%(下表を参照)
助成回数原則として1世帯につき1回
受付期間通年受付(公式ページに募集期間の定めなし)
事前申請必須。着工前に各区保健福祉センター福祉・介護保険課へ申請

助成額はいくらか

佐藤
一番気になる金額の話をお願いします。
田中
助成額は「工事に要した額」と「助成上限額30万円」のいずれか低い方の額に、所得段階ごとの助成率を掛けた金額になります。仮に工事費が30万円を超えても、助成の計算対象になるのは30万円までです。そこに助成率を掛けるので、最大でも受け取れるのは30万円までということになります。
佐藤
助成率は所得によって変わるんですね。
田中
そうです。公式ページに記載されている助成率の表はこうなっています。
介護保険料所得段階別の助成率
所得段階区分助成率
第1段階【A】生活保護受給者、市民税世帯非課税の老齢福祉年金受給者など100%
第1段階【B】市民税世帯非課税90%
第2・3段階市民税世帯非課税90%
第4・5段階本人が市民税非課税60%
第6・7段階本人が市民税課税で所得200万円未満35%
第8段階本人が市民税課税で所得200万円以上300万円未満10%
第9から15段階本人が市民税課税で所得300万円以上助成対象外
田中
たとえば第4・5段階(本人が市民税非課税)の方で工事費が20万円だった場合、20万円×60%で12万円が助成額になります。工事費が高額でも、所得段階によっては助成率が10%にとどまるケースもあるので、自分がどの段階に当たるかを事前に確認しておくことが大切です。介護保険料の所得段階は、お手元の介護保険料の通知書や、区の介護保険課の窓口で確認できます。

介護保険の住宅改修とはどう違うか

佐藤
介護保険にも住宅改修の給付があると聞いたことがあります。この助成とは何が違うんですか。
田中
ここは間違えやすいポイントです。公式ページには「介護保険住宅改修費の給付対象となる工事は原則、対象外です」とはっきり書かれています。つまり、介護保険の住宅改修給付(手すり設置や段差解消など)で対象になる工事は、基本的にこの住宅改造助成では別枠として扱われ、二重には助成されません。
佐藤
では、介護保険の住宅改修対象工事は、この助成では全く使えないんですか。
田中
全く使えないわけではありません。公式ページには「介護保険住宅改修の対象となる工事については、この助成においては10万円が限度となります」とも書かれています。つまり、介護保険の給付を受けたうえで、なお費用が残る部分について、この助成でも上限10万円まで組み合わせられる余地があるということです。介護保険の住宅改修とこの助成をどう組み合わせるのが一番有利かは、ケースによって変わるので、申請前に区の窓口か住宅改造相談センターに相談して整理してもらうのが確実です。

申請前に確認すべきこと

助成は原則1世帯1回、着工前申請が絶対条件です

公式ページには「助成は、原則として1世帯につき1回です」と明記されています。将来また別の改造が必要になったときのために使わず取っておく、といった調整はできないので、今回の工事内容を慎重に検討してから申請することが大切です。また、着工前申請の原則も厳格に運用されているため、見積もりを取った段階で先に業者と契約しないよう注意してください。

佐藤
申請にはどんな書類が必要になりますか。
田中
公式ページによると、介護保険被保険者証、申請書、見積書が基本の必要書類です。加えて、借家や公営住宅に住んでいる場合は、家主や管理者の承諾書も必要になります。持ち家でない場合は、この承諾書をあらかじめ準備しておく必要がある点に注意してください。申請書と見積書の様式は、各区役所または住宅改造相談センターに用意されています。
佐藤
賃貸住宅に住んでいる場合、そもそも申請できるんですか。
田中
借家や公営住宅の場合も、家主等の承諾書を提出すれば申請できます。ただし、退去時の原状回復など、賃貸ならではの制約が別途発生する可能性があるので、工事内容を決める前に家主とよく相談しておくことをおすすめします。
佐藤
訪問して状況を確認されたりするんですか。
田中
はい。申請後には、実際に住宅改造が必要かどうかを判定するための訪問調査が行われます。書類を出せば自動的に助成が決まるわけではなく、現地の状況を踏まえて必要性が判定される流れになっています。工事内容や見積もりは、この判定を前提にしたうえで、窓口と相談しながら固めていくのが確実です。
申請から助成金受け取りまでの流れ
  1. 対象要件(65歳以上、要支援1・2または要介護1〜5、所得段階第1〜8段階)を確認する
  2. 各区保健福祉センター福祉・介護保険課または住宅改造相談センター(電話092-731-3511)に相談する
  3. 対象工事の見積書を取り、必要書類(被保険者証・申請書・見積書、借家の場合は承諾書)をそろえて着工前に申請する
  4. 訪問調査を受け、助成の可否・助成額の判定を受ける
  5. 判定後に工事を実施し、完了後に必要な報告を行って助成金を受け取る

他制度との関係・使いどころ

佐藤
福岡市には他にも似たような制度があるんですか。
田中
はい。福岡市の「住まいに関する助成制度・派遣制度」の案内ページでは、この住宅改造助成が「障がい者・高齢者住宅改造助成制度」としても紹介されており、介護保険の住宅改修(給付)と並んで掲載されています。どちらも所管は各区の福祉・介護保険課ですが、給付の仕組みや上限額が異なるので、窓口で「介護保険の住宅改修と、住宅改造助成の両方を検討したい」と伝えて、組み合わせを整理してもらうのがおすすめです。
佐藤
最後に、まず何から始めればいいですか。
田中
まずはご本人の要介護認定の状況(要支援1・2または要介護1〜5)と、介護保険料の所得段階(第1〜8段階かどうか)を確認してください。そのうえで、住宅改造相談センター(福岡市中央区荒戸3丁目3番39号、電話092-731-3511、月曜日から金曜日午前10時から午後5時、土日祝・年末年始・毎月第3火曜日は休み)か、お住まいの区の保健福祉センター福祉・介護保険課に相談するところから始めてください。着工前の相談・申請が前提の制度なので、工事業者を決める前に動き出すことが何より大切です。

公式情報

お問い合わせ: 福岡市住宅改造相談センター、〒810-0065福岡市中央区荒戸3丁目3番39号福岡市市民福祉プラザ(ふくふくプラザ)3階、電話092-731-3511、ファックス092-731-5361、受付時間は月曜日から金曜日の10時00分から17時00分まで(土曜日、日曜日、祝日、年末年始、毎月第3火曜日を除く)。または、お住まいの区の保健福祉センター福祉・介護保険課。

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