福岡県 福岡市

令和8年度福岡市住宅用エネルギーシステム導入支援事業

佐藤
福岡市内の戸建てに住んでいます。電気代が上がり続けているので、太陽光発電はすでに載っているんですが、蓄電池も追加したいと思っています。福岡市に補助金があると聞いたんですが、本当ですか。
田中
はい、あります。「令和8年度福岡市住宅用エネルギーシステム導入支援事業」という制度で、自家消費型の住宅用エネルギーシステムの導入と、再生可能エネルギー・省エネルギーの普及を目的に、福岡市が設置費用の一部を助成しています。リチウムイオン蓄電システム、V2Hシステム、高効率給湯器(エコキュート)、家庭用燃料電池が対象で、太陽光発電がすでに載っているお宅であれば、蓄電池の導入は制度の想定にちょうど当てはまります。
佐藤
太陽光発電システムそのものには補助は出ないんですか。
田中
そこは注意が必要なポイントです。住宅用太陽光発電システムとHEMS(家庭のエネルギー管理システム)は、補助金額が出る「補助対象システム」ではなく、蓄電池などを補助対象にするための「補助条件システム」という位置づけです。つまり太陽光発電やHEMS自体に補助金は出ませんが、これらが新設または既設で設置されていることが、蓄電池・V2H・エコキュート・燃料電池を補助対象にするための条件になります。すでに太陽光発電が載っているとのことなので、その条件はクリアしていることになります。
工事着工前の申請が絶対条件です

この制度は、市の外郭団体である福岡市地球温暖化対策市民協議会が「補助金交付対象決定」を行う前に、補助対象システムの設置工事に着手してしまうと、それだけで補助金を受け取る資格を失います。新築や建売住宅を購入する場合も同様に、入居前の申請が必要です。見積りを取るところまでは自由に進めても構いませんが、工事の契約・着工日を決める前に、必ず交付対象申請を済ませてください。

福岡市住宅用エネルギーシステム導入支援事業を使う流れ
対象条件確認、補助メニュー選択、交付対象申請、工事実施、交付請求・受取の5ステップ

どんな制度か

佐藤
補助の仕組みが少し複雑そうです。整理して教えてください。
田中
この制度には「単体補助」と「組み合わせ補助」の2種類があります。単体補助は家庭用燃料電池だけを設置する場合で、太陽光発電やHEMSの設置は不要です。ただし単体設置の場合は申請件数に上限200件という制限があります。組み合わせ補助は、リチウムイオン蓄電システム・V2Hシステム・高効率給湯器(エコキュート)・家庭用燃料電池のうち1つ以上を、太陽光発電システムとHEMS(いずれも既設または新設)とあわせて設置する場合です。エコキュートと家庭用燃料電池はどちらか一方しか申請できない点にも注意してください。
制度の基本情報
項目内容
自治体福岡県 福岡市
制度名令和8年度福岡市住宅用エネルギーシステム導入支援事業
対象住宅福岡市内の戸建住宅・集合住宅
対象システムリチウムイオン蓄電システム・V2Hシステム・高効率給湯器(エコキュート)・家庭用燃料電池
補助条件システム住宅用太陽光発電システム・HEMS(組み合わせ補助の場合、既設または新設が必要)
補助枠(予算総額)1億7180万円(予算に達し次第、受付終了)
申請受付期間2026年5月7日(木曜日)から2027年1月29日(金曜日)まで
申請方法電子メールまたは郵送(持参不可)
申請窓口福岡市住宅用エネルギーシステム導入支援事業補助金交付事務局(近畿日本ツーリスト株式会社福岡支店内)

対象者・対象住宅

佐藤
私のような、自分で家を所有していて住んでいる人は対象になりますか。
田中
なります。対象者は大きく分けて2パターンです。1つは自ら所有する住宅、または所有者以外が居住している個人所有の住宅にシステムを設置する個人。もう1つは補助対象システムが設置された住宅を購入する個人です。集合住宅の共用部分にシステムを設置する場合は、管理組合も対象者になります(ただし戸建住宅では管理組合は対象外です)。加えて、申請の審査時点で福岡市税に滞納がないこと、暴力団員またはそれと密接な関係を持つ者でないことも要件になっています。
佐藤
賃貸に住んでいる場合はどうですか。
田中
この制度は自ら所有する住宅、または所有者以外が居住している個人所有の住宅が対象です。賃貸の場合は、原則として交付請求書の提出時に居住者がいることを住民票で確認します。また、売電を主な目的とした事業用の設置は補助の対象外で、あくまで居住者自身が電力を使うためのシステム導入が前提になっています。「申請者=工事や売買の契約者=代金の支払者=補助金の受領者(=電力受給契約者)」が原則同一人物であることも定められています。

補助額の詳しい内容

佐藤
一番気になる補助額を、システムごとに教えてください。
田中
まずリチウムイオン蓄電システムは、機器費の2分の1が補助され、上限額は蓄電容量に応じて3段階に分かれます。蓄電容量が9.0kWh未満なら上限15万円、9.0kWh以上14.0kWh未満なら上限30万円、14.0kWh以上なら上限45万円です。次にV2Hシステムは機器費の2分の1で、上限20万円です。高効率給湯器(エコキュート)は定額2万円、家庭用燃料電池は定額5万円で、単体で設置する場合は申請件数に上限200件という条件がつきます。エコキュートと燃料電池は、どちらか一方しか申請できません。
佐藤
蓄電池とV2Hを両方設置したら、それぞれの補助を両方もらえるということですか。
田中
組み合わせ補助の条件(太陽光発電とHEMSの設置)を満たしていれば、対象システムごとに補助額が計算されるので、蓄電池とV2Hを両方設置すれば、それぞれの上限まで補助を受けられる可能性があります。たとえば9.0kWh以上14.0kWh未満の蓄電池を導入すれば上限30万円、あわせてV2Hも導入すれば上限20万円が加わり、機器費次第では合計で上限50万円分の補助になる計算です。実際の金額は機器費の2分の1という計算式に基づくので、設置する機器の見積り次第で変わります。国など他機関の補助金と併用する場合は、それぞれの補助金の合計額が機器費(補助対象経費)を超えないよう、超過分は補助金の交付額から差し引かれる仕組みになっている点も覚えておいてください。

申請前の注意点

佐藤
申請するときに、特に気をつけることはありますか。
田中
まず補助対象システムの要件を満たしているかどうかです。リチウムイオン蓄電システムは一般社団法人環境共創イニシアチブ(SII)に令和7年度以降登録・公表されている製品であること、V2Hシステムは一般社団法人次世代自動車振興センター(NeV)の補助対象充放電設備一覧に掲載されていること、エコキュートはCO2冷媒のヒートポンプ給湯器でJIS C 9220の年間給湯保温効率などが2025年度目標基準値プラス0.2以上であること、家庭用燃料電池は一般社団法人燃料電池普及促進協会(FCA)の登録機器リストに掲載されていることが必要です。導入を検討している機器がこれらのリストに載っているか、施工業者を通じて事前に確認しておくと安心です。
佐藤
申請してから、実際に補助金の交付が決まるまでどれくらいかかりますか。
田中
書類の受付から審査、交付対象決定までの標準的な期間は20日と定められています。ただし年末年始などの休日や、書類の不備・不足が解消されるまでの期間はこの20日には含まれません。福岡市の公式ページには、申請が集中している時期は交付決定までさらに時間がかかる場合がある旨の案内が掲載されることがあるので、工事の着工予定日から逆算して、余裕を持って早めに申請することが重要です。「急いで審査してほしい」という個別の要望には応じてもらえません。
佐藤
工事が終わった後の手続きも教えてください。
田中
補助対象システムと、新設した補助条件システムの設置が完了した日、または入居した日のいずれか遅い方の日から起算して60日以内に、電子メールまたは郵送で補助金交付請求書と必要書類を提出します。60日以内であっても、2027年2月26日(金曜日)が最終期限として定められているので、その期限は必ず意識してください。期限内に請求書類を提出しないと、原則として交付対象決定そのものが取り消され、補助金を受け取れなくなります。
申請から補助金受取までの流れ
  1. 福岡市内の対象住宅か、福岡市税の滞納がないかなど対象要件を確認する
  2. 単体補助(家庭用燃料電池のみ)か、組み合わせ補助(太陽光発電・HEMSに蓄電池等を組み合わせ)かを選び、必要な機器の要件を満たしているか確認する
  3. 工事着手前(建売住宅は入居前)に、補助金交付対象申請書と必要書類を電子メールまたは郵送で提出する
  4. 交付対象決定の通知を受けてから、設置工事に着手する
  5. 設置完了または入居から60日以内(最終期限2027年2月26日)に補助金交付請求書を提出し、補助金を受け取る

他制度との併用・使いどころ

佐藤
国の補助金など、他の制度と一緒に使うことはできますか。
田中
できます。この補助金は国など他機関の補助金との併用が可能です。ただし、この制度の補助金額と他機関の補助金額を合算した金額が、補助対象経費(機器費)を超える場合は、その超過分だけ、この制度からの交付額が減らされる仕組みになっています。太陽光発電システムや蓄電池では国の補助制度が実施されることもあるので、申請前に他制度の状況もあわせて確認し、合計の補助額が機器費を超えないか、事務局や施工業者と一緒に試算しておくとよいでしょう。
佐藤
補助金をもらった後、システムを売ったり手放したりすることはできますか。
田中
補助金を受け取った後も、一定期間はシステムを適切に管理する義務があります。管理期間はどのシステムも8年間ですが、処分制限期間はシステムによって異なり、リチウムイオン蓄電システムとエコキュート、家庭用燃料電池は6年、V2Hシステムは5年です。この期間内にシステムを売却・譲渡・廃棄したり、住宅を売却・転居したりする場合は、あらかじめ「財産処分及び変更承認申請書」を提出して承認を受ける必要があり、場合によっては補助金の返還を求められることもあります。長く住み続ける前提で導入を検討するのが基本ですが、転居などの予定がある場合は事前に事務局へ相談してください。

公式情報

佐藤
最後に、詳しい申請書類や問い合わせ先を教えてください。
田中
制度の詳細や申請書類一式は令和8年度福岡市住宅用エネルギーシステム導入支援事業のページにまとまっており、「申請の手引き」というPDFに申請要件や申請方法が詳しく解説されています。問い合わせ先は福岡市住宅用エネルギーシステム導入支援事業補助金交付事務局(近畿日本ツーリスト株式会社福岡支店内)で、電話番号は092-260-3252、開設時間は9時から12時、13時から17時30分(土曜日・日曜日・祝日・年末年始を除く)です。補助枠には限りがあり、予算に達した時点で受付が終了するので、導入を決めたら早めに公式ページで最新の受付状況を確認したうえで、施工業者と相談しながら申請の準備を進めてください。