奈良県 奈良市
奈良市 耐震補助事業(令和8年度)
耐震・防災確認済み
佐藤
実家が奈良市にある古い木造の一戸建てで、築50年近く経っています。地震のたびに親が心配していて、耐震改修をしたほうがいいのは分かっているんですが、費用がネックで話が進みません。何か使える補助はありますか。
田中
奈良市には「耐震補助事業」という制度があり、令和8年度も実施されています。1つの制度というより、耐震診断・耐震改修設計・耐震改修工事・ブロック塀等撤去の4つの補助金がセットになっている枠組みで、旧耐震基準の木造住宅を持つ方が、診断から工事まで段階を追って使えるようになっています。実家が旧耐震基準の建物であれば、まさに対象になる可能性が高いです。
佐藤
旧耐震基準というのは、具体的にはいつ以前に建てられた建物のことですか。
田中
昭和56年5月31日以前に建築された一戸建て住宅が基本です。それに加えて、昭和56年5月31日以前に建築された住宅で、平成17年5月31日以前に増築・改築されたもの、または平成17年6月1日以後に建築基準法施行令第137条の2第3号の規定に基づいて増築・改築されたものも対象に含まれます。逆に言うと、これらの増改築ルールに当てはまらない増築をしている場合は、対象にならないことがあるので注意が必要です。
工事や設計を始める前に必ず申請してください
奈良市の耐震診断・耐震改修設計・耐震改修工事の補助はいずれも、「現在診断中・設計中・工事中のもの」や「既に終わったもの」「契約されたもの」は補助対象外と明記されています。見積りを取る段階までは自由ですが、契約や着工・着手をしてしまうと、その時点で補助を受けられなくなります。必ず事前に奈良市建築指導課へ相談してから契約に進んでください。

どんな制度か
佐藤
実家の建物がそもそも対象になるか、対象住宅の条件をもう少し詳しく教えてください。
田中
対象は奈良市内にある一戸建て住宅で、専用住宅か、住宅部分が過半を占める併用住宅であることが必要です。所有者が現に居住していることも条件になっています。構造は在来軸組構法、伝統的構法、枠組壁工法のいずれかで、丸太組構法や旧建築基準法第38条認定等の住宅は除かれます。また、長屋住宅を切り分けて申請したものや、賃貸住宅は対象外です。実家が旧耐震基準の一戸建てで、ご両親が住んでいる持ち家であれば、条件には合致しそうです。
佐藤
対象になる工事や手続きは、具体的に何がありますか。
田中
令和8年度の耐震補助事業には、大きく4つのメニューがあります。1つ目は建物の耐震性を調べる耐震診断への補助、2つ目は診断結果をもとに補強方法を設計する耐震改修設計への補助、3つ目は実際に補強する耐震改修工事への補助、4つ目は倒壊の危険があるブロック塀等の撤去費用への補助です。実家のケースのように、これから耐震化を進めるのであれば、診断→設計→工事の順に活用していく形になります。
制度の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 自治体 | 奈良県 奈良市 |
| 制度名 | 奈良市耐震補助事業(令和8年度) |
| 対象住宅 | 昭和56年5月31日以前建築(要件付き増改築含む)の木造一戸建て住宅で、所有者が居住するもの(賃貸・長屋分割は対象外) |
| 耐震診断の補助 | 費用の3分の2、上限9万円 |
| 耐震改修設計の補助 | 費用の3分の2、上限9万円 |
| 耐震改修工事の補助 | 上部構造評点1.0未満を1.0以上にする改修費用の3分の1、上限50万円 |
| 募集件数 | 診断・設計・工事とも各3件(先着順) |
| 受付期間 | 2026年5月18日(月曜)から2026年11月30日(月曜)まで(土日祝除く) |
| 完了期限 | 2027年2月19日(金曜)までに工事等を完了し実績報告書を提出できること |
| 申請窓口 | 奈良市役所都市整備部建築指導課耐震改修促進係(0742-34-4750) |
補助額の詳しい内容
佐藤
まず耐震診断の補助額から教えてください。
田中
耐震診断にかかった費用の3分の2が補助され、補助限度額は9万円です。1千円未満の端数は切り捨てになります。耐震診断は、一般財団法人日本建築防災協会の「木造住宅の耐震診断と補強方法」に定める一般診断法または精密診断法(時刻歴応答計算法を除く)と同等以上の方法で行う必要があり、都道府県や協会等が実施する木造住宅耐震診断講習を修了した建築士が担当します。
佐藤
耐震改修設計の補助はどうですか。
田中
こちらも補助率は費用の3分の2、補助限度額は9万円で、耐震診断と同じ水準です。診断で建物の弱点が分かった後、それをどう補強するかの設計図面を作る費用に対する補助になります。
佐藤
一番気になる、実際の耐震改修工事の補助額を教えてください。
田中
耐震改修工事の補助は、耐震診断で算出した住宅全体の上部構造評点が1.0未満の住宅を、改修工事によって1.0以上にする場合の改修費用に対して、3分の1が補助されます。補助限度額は50万円です。上部構造評点は建物の倒壊のしにくさを示す指標で、1.5以上なら倒壊しない、1.0以上1.5未満なら倒壊する可能性が低い、0.7以上1.0未満なら倒壊する可能性がある、0.7未満なら倒壊する可能性が高いと区分されています。補助対象になる工事は、筋かいや構造用合板等による壁の補強、構造用合板・火打ち土台等による床の補強、柱・筋かいと土台の補強金物の取り替えや新設などです。
佐藤
実家の場合で、費用感の目安をイメージしたいです。仮に改修工事費が120万円だったら、補助額はいくらになりますか。
田中
120万円の3分の1は40万円なので、上限の50万円以内に収まり、補助額は40万円になる計算です。仮に改修費が180万円なら3分の1は60万円ですが、上限の50万円が適用されるので、補助額は50万円が上限になります。実際の補助額は工事内容や見積りによって変わるので、あくまで目安として捉え、正式な金額は見積り時に建築指導課に確認してください。なお、耐震改修工事の補助には所得税の控除も別途あり、要件や申請期間は奈良税務署で確認するよう案内されています。
佐藤
ブロック塀等撤去費補助金についても教えてください。
田中
倒壊等の危険性があるブロック塀等の撤去工事にかかる費用を補助する制度で、令和8年度の募集件数は7件です。募集期間は他の3事業と同じく2026年5月18日から2026年11月30日までで、2027年2月19日までに工事を完了する必要があります。対象となるブロック塀の具体的な基準や補助額の詳細は、耐震診断・改修とは別ページの募集概要に記載されているため、ブロック塀の撤去を検討する場合は個別に建築指導課へ確認することをおすすめします。
申請前の注意点
佐藤
申請にあたって、特に気をつけることはありますか。
田中
いちばん大事なのは、必ず契約・着工・着手の前に申請することです。診断・設計・工事のいずれも、「現在実施中のもの」「既に終わったもの」「契約されたもの」は対象外と明記されています。また、申請は先着順で受け付けられ、募集件数(診断・設計・工事は各3件)に達し次第、その年度の募集は終了します。申請を提出する前に、必ず建築指導課耐震改修促進係に募集状況を問い合わせるよう案内されています。
佐藤
申請の方法にも注意点はありますか。
田中
申請書に必要書類を添付して、建築指導課へ持参する必要があります。郵送等では受け付けてもらえません。必要書類は、補助金等交付申請書、工事や設計の見積書、付近見取図、外観写真、建築時期が確認できる書類(建物全部事項証明書や建築確認通知書など)、所有者・居住者を確認できる書類、建築物概要書、工事計画概要書、既存建築物状況報告書、耐震診断技術者の資格を証する書類など多岐にわたります。所有者が亡くなっている場合や、これから住宅を購入・入居する場合など、状況に応じて追加書類が必要になることもあるので、早めに一覧を取り寄せて準備を始めるとスムーズです。
佐藤
補助を受けられるのは1回だけですか。
田中
補助対象住宅1棟につき1回限り、かつ対象者ごとに1年度につき1回限りとされています。耐震診断・耐震改修設計・耐震改修工事はそれぞれ別の補助メニューなので、診断で1回、設計で1回、工事で1回、と段階ごとに申請していく形になります。
申請までの流れ
- 実家(対象住宅)が昭和56年5月31日以前建築の木造一戸建てなど、対象要件に当てはまるか確認する
- 建築指導課耐震改修促進係(0742-34-4750)に募集状況を問い合わせる
- 耐震診断技術者に依頼し、耐震診断の見積りを取得したうえで工事前に申請する
- 診断結果をもとに耐震改修設計を依頼し、こちらも着手前に申請する
- 設計内容にもとづく耐震改修工事の見積りを取り、着工前に申請してから工事を進める
他制度との併用・使いどころ
佐藤
奈良市には固定資産税を減らす制度もあると聞きました。この耐震補助事業と一緒に使えますか。
田中
奈良市には、耐震改修に伴う固定資産税の減額措置という別の制度があります。今回ご紹介した耐震補助事業が改修費用そのものを補助する制度であるのに対し、固定資産税の減額措置は改修後の税負担を一定期間軽くする制度で、性質が異なります。両方とも耐震改修工事を行うことが前提になっているケースが多いので、耐震改修工事を計画する段階で、資産税課にも合わせて相談しておくと制度を漏れなく活用しやすくなります。
佐藤
実家のように親が高齢で住んでいる場合、他に注意しておくことはありますか。
田中
申請者は所有者かつ居住者であることが原則ですが、これから所有・居住する予定の人も対象に含まれます。所有者が既に亡くなっている場合は相続人全員の同意書が必要になるなど、権利関係が複雑なケースほど書類準備に時間がかかります。実家のように親御さんが高齢の場合は、将来的な名義変更や相続の見通しも含めて、早めに家族間で話し合っておくことをおすすめします。
公式情報
佐藤
最後に、公式ページと問い合わせ先を教えてください。
田中
制度全体の案内は奈良市 耐震補助事業で確認できます。耐震改修工事補助金の詳細は奈良市既存木造住宅耐震改修工事補助金交付事業、耐震診断補助金の詳細は奈良市既存住宅・特定既存耐震不適格建築物耐震診断補助金交付事業(一戸建て住宅)のページに掲載されています。申請窓口は奈良市役所都市整備部建築指導課耐震改修促進係で、所在地は〒630-8580奈良市二条大路南一丁目1番1号(奈良市役所中央棟3階)、電話番号は0742-34-4750です。年度によって補助額や募集期間、募集件数が変わることがあるため、実際に申請を検討する際は、必ず最新の公式ページと窓口で条件を確認してください。