兵庫県 神戸市
神戸市介護保険住宅改修費の支給
高齢者住宅改修確認済み
佐藤
実家の親が要介護認定を受けていて、お風呂やトイレに手すりを付けたいんです。介護保険で住宅改修費が出ると聞いたんですが、神戸市ではどこに申し込めばいいですか。
田中
神戸市の「介護保険住宅改修費の支給」ですね。要介護・要支援認定を受けている方が、手すりの取付けや段差の解消などの住宅改修をしたときに、費用の原則9割(一定以上の所得がある方は8割または7割)が給付される制度です。神戸市では2025年10月1日から窓口が変わっていて、この点をまず押さえておく必要があります。
工事を始める前に必ず事前申請が必要
この制度は、工事に着工したあとに申請しても対象になりません。公式ページでも「申請の前に着工された工事は給付の対象外」と明記されています。見積もりが取れた段階で、着工前に必ず事前申請の手続きを終えてください。

どんな制度か
佐藤
そもそも、これは神戸市独自の補助金なんですか。それとも全国共通のものですか。
田中
介護保険法にもとづく全国共通の給付制度です。心身の機能が低下して日常生活に支障がある要介護者等が、自立した生活を続けられるように、手すりの取付けや段差の解消といった住宅改修にかかった費用の一部を給付する仕組みで、支給限度基準額の20万円や給付率9割といった基本ルールは全国どこの市区町村でも同じです。ただし、実際の申請窓口や受付方法、様式は市区町村ごとに違っていて、神戸市では2025年10月から手続きの窓口が大きく変わりました。
佐藤
窓口が変わったというのは、具体的にどう変わったんですか。
田中
これまでは各区役所(支所)の介護医療係で申請を受け付けていましたが、2025年9月30日でその受付は終了しました。2025年10月1日以降は、「神戸市介護保険住宅改修・福祉用具購入事務センター」という一本化された窓口で手続きをします。所在地は神戸市中央区三宮町2丁目11-1のセンタープラザ西館5階510-3号室で、電話番号は078-381-8406です。受付時間は平日9時00分から17時00分までで、土日祝日と12月29日から1月3日は受け付けていません。あわせて、e-KOBE(神戸市スマート申請システム)を使った24時間利用できるオンライン申請も始まっています。なお、生活保護を受給している方の窓口は、これまでどおり福祉事務所(区支所生活支援課)のままです。
制度の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 自治体 | 神戸市 |
| 制度名 | 介護保険住宅改修費の支給 |
| 対象者 | 要介護・要支援認定を受けている被保険者(非該当は対象外) |
| 支給限度基準額 | 一律20万円(分割利用可) |
| 給付率 | 原則9割(一定以上所得者は8割または7割) |
| 事前申請 | 必須(着工前に申請、着工後の申請は対象外) |
| 申請窓口 | 神戸市介護保険住宅改修・福祉用具購入事務センター |
| 所在地 | 神戸市中央区三宮町2丁目11-1 センタープラザ西館5階510-3号室 |
| 電話 | 078-381-8406 |
| 受付時間 | 平日9時00分〜17時00分(土日祝、12月29日〜1月3日を除く) |
| オンライン申請 | e-KOBE(神戸市スマート申請システム)で24時間受付(要アカウント登録) |
対象になる工事・対象にならない工事
佐藤
「住宅改修」といっても範囲が広そうです。具体的にどんな工事が対象になりますか。
田中
厚生労働大臣が定める6種類の工事が対象です。(1)手すりの取付け、(2)段差の解消、(3)床または通路面の材料の変更(滑り防止など)、(4)引き戸等への扉の取替え、(5)洋式便器等への便器の取替え、(6)これら5種類に付帯して必要になる工事、の6つです。手すりなら廊下・トイレ・浴室・玄関から道路までの通路に設置する場合が対象で、形状は二段式でも縦付けでも横付けでもよいとされています。
佐藤
逆に、対象にならない工事もあるんですか。
田中
あります。たとえば福祉用具貸与に含まれる「手すり」や、置くだけで使えるスロープ・すのこの設置、老朽化による床の張り替えや便器の付け替えなどは対象外です。段差解消でも、リフトや昇降機のように動力で段差を解消する機器の設置は含まれません。工事の内容によって判断が分かれるので、事前申請の段階で神戸市に確認しながら進めるのが安全です。特定施設や有料老人ホーム、グループホームに入所している方の改修は一般的には想定されておらず、個別の事情がある場合のみ検討される扱いです。
佐藤
対象になる住宅にも条件がありますか。
田中
要介護者等が実際に住んでいる住宅、つまり介護保険の被保険者証に書かれている住所の住宅であることが条件です。市営住宅の場合はもう一段階手続きが必要で、工事前に各市営住宅管理センターから「模様替等承認通知書」の交付を受けなければなりません。手すりだけを設置する場合でも、この承認通知書が必要になる点は見落としやすいので注意してください。
いくら給付されるのか
佐藤
実際の金額のイメージを教えてください。
田中
支給限度基準額は要介護状態区分にかかわらず一律20万円で、この範囲内であれば複数回に分けて使うこともできます。給付されるのは実際にかかった費用の原則9割で、一定以上の所得がある方は8割または7割です。たとえば負担割合1割の方が20万円の住宅改修を行った場合、20万円かける0.9で18万円が給付される計算です。なお、保険料の未納によって給付額減額の措置を受けている場合は、給付率が7割または6割に下がります。
佐藤
20万円を使い切ったら、もう二度と使えないんですか。
田中
一定の条件を満たせばリセットされます。1つ目は、最初に住宅改修費の支給を受けた住宅改修の着工日を基準に、要介護状態区分が3段階以上重くなった場合で、この場合は1回限り改めて20万円までの給付を受けられます。2つ目は転居した場合で、転居後の住民票住所地について改めて20万円までの枠が使えます。長期間にわたって介護が必要になる方にとって、この仕組みは覚えておく価値があります。
申請前に確認しておきたいこと
佐藤
支払い方法にも種類があるんですか。
田中
「償還払い」と「受領委任払い」の2通りがあります。償還払いは、施工業者へいったん費用の全額を支払い、あとから神戸市が被保険者に保険給付分を支給する方法です。受領委任払いは、施工業者への支払いを1割(一定所得以上は2割・3割)にとどめ、神戸市が施工業者へ直接保険給付分を支払う方法で、まとまった費用を一時的に立て替える負担が軽くなります。受領委任払いを選ぶ場合は、着工前に施工業者と被保険者の間で保険給付分の受領を委ねる手続きを取る必要があります。
佐藤
要介護認定の結果がまだ出ていないんですが、それでも申請できますか。
田中
急ぐ理由がある場合に限り、認定結果が出る前に事前申請をすることが認められています。ただし、認定申請を既に済ませていることが前提で、結果が「非該当」になれば承認通知書が出ていても住宅改修費は支給されず、費用は全額自己負担になります。この場合の支給方法は償還払いに限られ、被保険者がこの取扱いを理解したうえで「介護保険住宅改修承諾書」を提出する必要があります。認定結果が出ていない段階での申請は、あくまで工事を急ぐ必要がある例外的なケースと考えてください。
事前申請から支給までの流れ
- ケアマネジャー等と相談し、必要な住宅改修の内容を決める
- 住宅改修事前承認願書・理由書・見積書などの事前申請書類一式をそろえる
- 神戸市介護保険住宅改修・福祉用具購入事務センターへ提出する(窓口持参のほか、e-KOBEでのオンライン申請も可能)
- 承認通知書を受け取ってから工事に着工する
- 工事完了後、実績報告書・改修後写真・工事費内訳書を提出し、住宅改修費の支給(償還払いまたは受領委任払い)を受ける
事業者側の関連制度もある
佐藤
これは利用者本人が申請するものですよね。ケアマネジャーさんなど事業者側にも関係する話はありますか。
田中
あります。居宅介護(介護予防)サービスを受けておらず、ケアプランが作成されていない被保険者から依頼を受けて、介護支援専門員等が住宅改修の理由書を作成した場合、その理由書作成者が所属する事業所に対して神戸市が「介護支援専門員支援費」を支給する仕組みがあります。事前申請の際に「介護保険住宅改修理由書作成確認書」を提出し、依頼のあった月とその前月にケアプラン作成の実績がないことを被保険者本人が確認する必要があります。ケアマネジャーに相談する予定がある方は、この制度の存在も担当者に伝えておくとスムーズです。
公式情報
佐藤
申請書類の様式や、もっと細かい条件はどこで確認できますか。
田中
神戸市の介護保険住宅改修費の支給のページに、償還払い用・受領委任払い用それぞれの申請書類一式(事前承認願書、理由書、改修箇所計画図、見積書、実績報告書など)がPDF・Excel形式で掲載されています。制度案内リーフレットや詳しい制度案内のPDF、住宅改修理由書の書き方資料も同じページからダウンロードできるので、事前にケアマネジャーと一緒に目を通しておくと準備がしやすくなります。
佐藤
最後に、申請するときに一番気をつけるべきことをまとめてもらえますか。
田中
いちばん重要なのは、工事を始める前に必ず事前申請を済ませることです。着工後に申請しても給付は受けられません。そのうえで、2025年10月から窓口が区役所から神戸市介護保険住宅改修・福祉用具購入事務センターに一本化されたこと、e-KOBEでのオンライン申請も選べるようになったことを踏まえて、まずは078-381-8406へ電話するか、e-KOBEの手続き一覧から「【介護保険】住宅改修費・福祉用具購入費関連」を確認してください。市営住宅にお住まいの場合は模様替等承認通知書も忘れずに準備してください。