兵庫県 神戸市

神戸市吹付けアスベスト除去等補助制度

佐藤
実家が神戸市内の古いビルなんですが、天井に吹き付けてある建材がアスベストかもしれないと管理会社から言われました。調べたり除去したりするのに補助金は出ますか。
田中
出ます。神戸市の「神戸市吹付けアスベスト除去等補助制度」です。市内の民間建築物を対象に、吹付け建材にアスベストが含まれているかどうかの含有調査と、含有が判明した場合の除去等工事の費用を、それぞれ別枠で補助する制度です。調査補助と工事補助の2本立てになっている点がポイントです。
交付決定前の契約は対象外です

アスベストの調査業務や除去等工事の契約は、神戸市から補助金の交付決定通知を受け取った後に結ぶ必要があります。先に業者と契約してしまうと、その調査や工事は補助の対象外になります。必ず事前相談をしてから、見積り・申請・交付決定・契約の順番で進めてください。

神戸市吹付けアスベスト除去等補助制度の流れ
事前相談、調査補助申請、調査実施、除去等工事補助申請、工事完了・実績報告の流れ

どんな制度か

佐藤
そもそもなぜアスベストの調査や除去に補助が出るんですか。
田中
吹付けアスベストは古い建物の天井や梁の耐火被覆材として使われていたことがあり、劣化すると繊維が飛散して健康被害につながるおそれがあります。神戸市は、建物を利用する人や周辺住民の健康被害を防ぐ目的で、含有調査費用と除去等工事費用の一部を補助しています。
佐藤
「除去等」というのは解体とは違うんですか。
田中
違います。この制度でいう除去等工事は、吹付けアスベストそのものを取り除く「除去」だけでなく、薬剤で固める「封じ込め」、板などで覆う「囲い込み」も対象に含みます。ただし、内装改修に伴って既存の天井材などを新しいものに更新するだけの工事は対象外です。
制度の基本情報
項目内容
自治体神戸市
制度名神戸市吹付けアスベスト除去等補助制度
調査補助額調査費用(税抜)の全額、上限25万円
除去等工事補助額工事費用(税抜)の3分の1以内、上限300万円
2026年度先行受付2026年6月22日から2026年7月31日まで
2026年度一般受付2026年8月3日から2026年12月11日まで
工事完了期限2027年3月31日まで
窓口神戸市建築住宅局安全対策課ビル防災対策係

対象になる建築物・ならない建築物

佐藤
調査補助はどんな建物が対象ですか。
田中
神戸市内にある民間建築物のうち、吹付け建材にアスベストが含まれているおそれがあるものであれば対象になります。一戸建て住宅かビルかといった建物用途は問われません。ただし、解体予定の建築物や、保温材・外壁塗材・成形板など吹付け建材以外の建材を調べる場合は対象外です。
佐藤
除去等工事の補助も同じ範囲ですか。
田中
ここが調査補助と違う大事な点です。除去等工事の補助は、含有調査の結果、吹付け建材が吹付けアスベストまたは吹付けロックウール(アスベスト含有率が重量比0.1パーセントを超えるもの)だと判明し、なおかつ「多数の者が利用する」建築物であることが条件です。工場、集会所、病院、ホテル、共同住宅、学校、百貨店、展示場、物販店、飲食店、倉庫、自動車車庫、事務所などが該当します。一戸建ての住宅のように多数の者が利用しない建物は、除去等工事の補助対象にはなりません。
佐藤
つまり一戸建てだと、調査費は補助されても、除去工事費は補助されないということですか。
田中
そのとおりです。個人の一戸建て住宅でも、吹付け建材のアスベスト含有調査自体は補助対象になり得ますが、いざ除去等工事が必要と分かっても、その工事費用は今回の補助制度の対象外です。共同住宅や店舗、事務所ビルなど「多数の者が利用する」建物のオーナーが除去等工事まで補助を受けられる、という制度設計になっています。

補助額と補助率

佐藤
調査費用の補助額を具体的に教えてください。
田中
消費税を除いた調査費用の全額が補助されます。ただし上限は25万円です。調査は、資格を持つ建築物石綿含有建材調査者が実施することが条件で、申請時には資格証の写しの提出が求められます。
佐藤
除去等工事の補助額はどうですか。
田中
消費税を除いた除去等工事費用の3分の1以内が補助され、上限は300万円です。工事は、一般財団法人日本建築センターが審査証明した処理技術を持つ業者など、確実に施工できる業者に依頼する必要があります。また、資格者が事業計画を策定し、その計画に基づく現場体制で工事を実施することも条件になっています。
佐藤
予算がなくなったら受付は終わってしまいますか。
田中
はい。公式ページには、受付期間中であっても予算の上限に達すると受付を終了する場合があると明記されています。また、予算の関係で補助金額が実際より下がる場合もあるとされています。早めに事前相談をして、順番待ちにならないようにするのが安全です。

申請の時期と工事完了期限

佐藤
2026年度はいつからいつまで申請できますか。
田中
2026年度分は、先行受付が2026年6月22日(月曜)から2026年7月31日(金曜)まで、一般受付が2026年8月3日(月曜)から2026年12月11日(金曜)までです。受付時間は土日祝日を除く9時00分から12時00分、13時00分から17時00分となっています。
佐藤
先行受付は誰でも使えますか。
田中
いいえ。先行受付の対象は、2023年度から2025年度の「特殊建築物等定期調査報告」で、該当期間に提出した調査報告書において吹付けアスベスト含有調査を「未調査」と報告した物件に限られます。それ以外の建物は一般受付での申請になります。
佐藤
工事はいつまでに終わらせる必要がありますか。
田中
除去等工事は2027年3月31日までに完了するものが対象です。さらに、完了実績報告書もこの期限までに神戸市へ提出する必要があります(要綱第13条)。年度末の期限から逆算して、調査から工事完了まで無理のないスケジュールを組むことが重要です。
補助金交付までの流れ
  1. 電話または問い合わせフォームで神戸市に事前相談する
  2. 複数の業者に調査または工事の見積りを依頼する
  3. 神戸市に補助金交付申請をする
  4. 交付決定通知を受け取ってから、調査または工事の契約・実施をする
  5. 業者へ支払いをし、神戸市に実績報告をして補助金額の通知を受ける

申請時の注意点

佐藤
誰が申請するものですか。
田中
原則として、建築物の所有者が申請します。区分所有のビルや共同住宅の場合は、所有者間の意思決定に時間がかかることもあるため、早めに管理組合などで方針を決めておくと申請がスムーズです。
佐藤
ほかの補助金と併用できますか。
田中
併用はできません。公式ページでは、他の国庫補助金の交付を受けている場合は、この制度の補助を受けられないと明記されています。国の補助制度を検討している建物の場合は、どちらを使うか事前相談の段階で神戸市に確認してください。
佐藤
必要書類はどこで確認できますか。
田中
公式ページには「必要書類については、事前相談の際に説明する」とだけ案内されており、一覧はページ上に掲載されていません。まずは電話等で事前相談をして、自分の建物に必要な書類を個別に確認する流れになります。

公式情報

佐藤
公式ページはどこですか。
田中
神戸市の神戸市吹付けアスベスト除去等補助制度です。調査補助と除去等工事補助それぞれの条件、補助金額、2026年度の受付期間、申請の流れ、補助金交付実施要綱・要領のPDFが掲載されています。
佐藤
相談先を教えてください。
田中
神戸市建築住宅局安全対策課ビル防災対策係です。所在地は神戸市中央区浜辺通2丁目1番30号、三宮国際ビル5階で、電話番号は078-595-6570です。受付日時は土日祝日を除く9時00分から12時00分、13時00分から17時00分です。電話が難しい場合は、公式ページ最下部の問い合わせフォームから連絡先を明記して連絡する方法も案内されています。

ほかの神戸市の制度との違い

佐藤
神戸市には空き家の解体を補助する制度もあると聞きました。この制度と違うんですか。
田中
別の制度です。神戸市には老朽化した空き家を解体するための「老朽空家等解体補助制度」があり、こちらは1986年12月31日以前に建てられ腐朽・破損のある空き家の解体費用を補助するものです。今回のアスベスト除去等補助制度は、空き家に限らず市内の民間建築物全般が対象で、解体ではなくアスベストの調査・除去・封じ込め・囲い込みに特化している点が異なります。建物を解体したいのか、アスベストを含む建材を除去して使い続けたいのかによって、相談すべき窓口や制度が変わってきます。